医療ニュース
2013年8月6日 火曜日
2007年8月10日(金) 太りすぎは医療費25倍に!
標準体型の男性が20キロ太ると、糖尿病や高血圧になりやすくなり、年間医療費が1.3-2.5倍に跳ね上がる・・・
このような調査結果を京都大学経済研究所が発表しました。(報道は8月9日の共同通信)
同研究所は、2001年の国民健康・栄養調査のデータから約1万人分を抽出し、体重が増えると血糖値や血圧がどのように変化するかを統計的手法で推定し、糖尿病と高血圧の増加に伴う医療費の伸びを調べました。
その結果、体重64キロの男性が20キロ太ると、新たに発症したり持病が悪化したりするなどして、糖尿病に関する医療費が2.5倍、高血圧では1.3倍に増加することが分かりました。女性では54キロの人が17キロ太ると、それぞれ同じ程度の医療費増加が予測されます。
この研究の研究員は、「医療費の一部は健康保険でカバーされるが家計を圧迫する。肥満予防が肝心」と、肥満に対し警告を発しています。
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肥満になれば、病気になって寿命を縮めたり寝たきりになったりするだけでなく、家計にも負担がかかります。ボディイメージが損なわれることも大きなストレスとなります。
気になる方はダイエットをしっかりと・・・
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|2013年8月6日 火曜日
2007年8月11日(土) またもやHIV新規感染が最多、4-6月は270人
厚生労働省のエイズ動向委員会は7日、今年4月からの3カ月間に国内で新たに報告されたHIV感染者数は270人で、4半期ベースで過去最多だったと発表しました。新規エイズ患者数は110人で過去2位となっています。
これまでの新規感染者数の最多は昨年4-6月の248人でした。
今年4-6月の全国でのHIV検査件数は、37,143件と前年同期に比べ大幅に増加しています。委員会の岩本委員長は「検査件数の伸びが感染者数を押し上げた面はあるが、検査が減少した時期も感染者は増え続けており、感染そのものが増えていると考えざるを得ない」とコメントしています。
感染者270人の内訳をみると、性別では男性が251人と多く、感染経路別では日本国籍男性の同性間性的接触が175人と最多となっています。年齢別では20-30代が76%と大半を占めています。
患者110人のうち男性は103人で、感染経路は、男性同性間の性的接触が45人、異性間の性的接触が38人です。年齢別では30-50代に多いようです。
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すてらめいとクリニックでも、HIVはもはやまったく珍しい感染症ではなくなってきています。最近は、他の症状で受診した患者さんに、「なにかかかっている病気はありますか」とお聞きしたときに、「HIV陽性です」と答える人も珍しくありません。
気になる人は是非検査を・・・。
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|2013年8月6日 火曜日
2007年8月22日(水) 父子間でのB型肝炎ウイルス感染が全体の1割!
B型肝炎ウイルスといえば、性感染と血液感染以外に母子感染があります。ですから、通常は、日本を含むすべての先進国では妊婦健診の項目にこのウイルスが含まれています。
一方、父子間での感染というのはこれまで考えられていませんでした。父親がB型肝炎ウイルスを持っていてそれが性感染で母親にうつり、出産で子供にうつる場合は間接的に父子間の感染となるかもしれませんが、この場合は母子感染と類別されます。
ところが、この度、大阪府立急性期・総合医療センターと名古屋市立大の研究チームが、ウイルスの遺伝子解析をおこない、父子間の感染が起きていることを突き止めました。
父子間でどうやって感染が起こるのかという点については、推測の域を超えませんが、研究チームは、傷口が触れるなどの濃厚な接触が、気付かぬうちに父子間で起きているのではないかとみているようです。
さらに、肝炎ウイルスに関する厚生労働省研究班代表の大戸斉・福島県立医大教授(輸血医学)は、「B型肝炎ウイルス感染の1割程度は父子間ではないか。家族内に感染者がいる子どもへは、感染者が誰かによらず保険でワクチン接種できるようにすべきだ」と話しています。(報道は8月19日の毎日新聞)
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HIVに比べると、B型肝炎ウイルスはかなり強い感染力をもっていると言えます。実際、医療従事者の針刺し事故では、B型肝炎ウイルスに罹患する確率はHIVのおよそ100倍とも言われています。(C型肝炎ウイルスはその中間)
B型肝炎ウイルスの保有者は関西(大阪)に多いこともあり、すてらめいとクリニックを受診する患者さんのなかにも少なくなく、年齢ではだいたい25歳以上の人に多いといえます。これは、今から25年前あたりから母子感染対策が本格的におこなわれてきたからでしょう。
B型肝炎ウイルスは、傷口が触れただけで感染が成立する可能性が強いわけです。感染予防対策は、まずは自身がウイルスを保有しているかどうかを確認することから始まります。その次に必要なのはワクチン接種です。
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|2013年8月6日 火曜日
2007年8月28日(火) 中年太りがキケン
20歳の頃の体重があなたのベスト体重なんですよ・・・
肥満のある患者さんに対して、我々医師はこのようにアドバイスすることがあります。これは、経験的に正しいと考えられてきたことですが、最近、このことを裏付けるデータが発表されました。
若い頃にやせていた男性が中高年になってから太ると心筋梗塞などの虚血性心疾患にかかるリスクは2倍に高まる・・・
このような調査結果が厚生労働省研究班によって今月発表されました。(報道は8月22日の日本経済新聞)
研究班は、全国の40-69歳の男女約9万人を10年間にわたって追跡調査をおこないました。期間中に男性399人、女性119人が心筋梗塞を発症したり、心臓が原因で急死したりしていました。20歳の頃の体重を調べ、調査時点までの体重変化によって5つのグループに分けて発症との関連を調べました。
BMI(注)が20歳のときに21.7未満で、調査時点の40歳以降に体重が10キロ以上増加していた男性は、体重の増減が5キロ以内だった人に比べて虚血性心疾患にかかるリスクが2倍という結果となっています。
女性の場合は、虚血性心疾患にかかった人の数が少なく、いずれの調査でも肥満との関連は確認できなかったそうです。
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注 BMIとは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字です。例えば、体重88kg、身長2mの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。以前は、BMIは22がベストとされていましたが、最近の研究では23から25程度が最も長生きするとの報告が多くなっています。
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|2013年8月6日 火曜日
2007年8月28日(火) 負債のある人は肥満?!
8月23日の毎日新聞によりますと、大阪大学の全国調査(実施は2005年)で、住宅ローンを除く個人負債の有無とBMI(注)の間には、「負債がある人の方がBMIが高い」と推定できる結果が出たそうです。
この研究をおこなった大阪大学社会経済研究所の研究者は、「借金してでも人生を楽しみたい人は負債があって太っている、つまり、『肥満は借金のようなもの』との仮説が立てられる」とコメントしているそうです。
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私個人の印象では、「お金持ちはいいものを食べるから太っている」、というものだったのですが、実際はその逆なのでしょうか。あるいは、私が「お金持ち」と思っていたのは、借金してまでいいものを食べている人たちだったのでしょうか・・・。
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注 BMIとは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字です。例えば、体重88kg、身長2mの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。以前は、BMIは22がベストとされていましたが、最近の研究では23から25程度が最も長生きするとの報告が多くなっています。
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|2013年8月6日 火曜日
2007年9月2日(日) UKの妊婦、「子供を愛せないかも…」が20%
英国にはトミーズという妊娠と出産を支援する慈善事業団体があり、1,100人の妊婦を対象とした調査結果を発表しました。(報道は8月31日の共同通信)
まず、妊娠中にストレスを感じるとした人は全体の88%に上っています。ストレスの原因として、「経済的にやっていけるかどうか心配」が41%、「正しい食事をしなければならないという義務感」が28%、「体形の変化」が27%となっています。
「他人に言えない悩みは何か」との質問に対しては、「出産後にうつ状態にならないか」が31%、「出産後にセックスをしたくなくなるのではないか」が21%、「自分の赤ちゃんを愛せないのではないか」が20%と続いています。さらに、回答者の8%は、「赤ちゃんが欲しいかどうか確信がない」と答えています。
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英国の合計特殊出生率(生涯で女性が子供を何人産むか)は、2000年には1.64人まで低下していますが、2003年には1.71人と増加傾向にあります。(それ以降のデータは調べられませんでした・・・) 英国の空前の好景気が出生率の上昇の原因だとみる向きが多いようですが、赤ちゃんが増えれば増えるほど、妊婦や産後のお母さんのストレスが増えるのかもしれません。
参考までに、日本の出生率は2005年には1.26まで低下しましたが、2006年には1.32と大きく上昇しています。この上昇は楽観視できないとする見方も多いようですが、数字にこだわるのではなく、妊婦や産後のお母さん、そして赤ちゃんが過ごしやすい社会をつくることが大切でしょう。
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|2013年8月6日 火曜日
2007年9月3日(月) 百日咳が大人に流行
百日咳と言えば、子供の病気として有名ですが、最近は大人の間にも増えていることが国立感染症研究所の調査で明らかとなりました。
今年は百日咳に罹患した人の約3割が成人で、これは7年前のおよそ14倍に相当します。成人の罹患者は年々増えています。
同研究所によりますと、全国約3千の小児科定点医療機関から8月12日までに報告された百日咳罹患者は1,409人となっています。年間の罹患者が3,804人とやや大きな流行だった2000年に次ぐ7年ぶりの流行と言えます。
7月22日までの集計では、罹患者のうち6歳未満の乳幼児の割合が年々減少する一方で、20歳以上は一貫して増加しています。成人罹患者の報告は2000年には全体の2.2%でしたが、2004年には9.5%、昨年(2006年)は24.3%と急増しています。今年は7月22日までに30.7%を占め、割合は7年前の14.0倍となっています。
同研究所は、「小児科からの報告しかないために詳細は把握できないが、実際の成人患者はもっと多い可能性もある。幼児期に予防接種をしても徐々に免疫力は低下するので大人も注意が必要」と指摘しています。
百日咳は、今年は大学での集団感染が目立っています。5月には香川大学医学部で学生42人が感染し臨時休講となったほか、大阪府立大学、高知大学医学部でも6月から7月にかけて学生が感染し臨時休講措置がとられました。
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感染症の届出には、「全数」と「定点」があります。「全数」に指定された感染症は、どこの医療機関であれ、その感染症に罹患した患者さんを発見すれば届けなければなりません。(届出をしなければ罰則規定があります) HIVや梅毒、エボラ出血熱などがこれに相当します。
一方、「定点」に指定された感染症は、あらかじめ決められた医療機関のみが届出をしなければならないことになっています。百日咳は「定点」です。
したがって、国立感染症研究所が指摘しているように、感染者を発見しても大半の医療機関では届出をおこなっておらず(おこなえず)、実際の感染者は相当多いと考えるべきでしょう。
「長引く咳」のある人は早めに医療機関を受診しましょう。
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|2013年8月6日 火曜日
2007年9月3日(月) コーヒーは肝臓癌のリスクを下げる
以前から、コーヒーの有用性については様々な議論がありますが、最近、「Hepatology」という肝臓関連の医学誌の2007年8月号で発表された研究を報告いたします。(報道は8月14日のMedscape Medical News)
Mario Negri社薬学研究所(イタリア、ミラノ)のFrancesca Bravi, ScDが率いる研究チームが、肝臓癌(肝細胞癌)に関してこれまで報告された研究(南ヨーロッパと日本の対照研究が6件と、日本の研究が4件)を評価・検討しました。その結果、コーヒーをたくさん飲む人は飲まない人に比べて肝臓癌になりにくいという結論が得られました。
同研究所は、「コーヒーが大量に消費される南ヨーロッパとコーヒーを飲む回数が比較的少ない日本の研究から、慢性肝疾患の被験者にはコーヒー飲用が好ましいことを裏付ける明らかな効果が見られた」、とコメントしています。
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この研究だけと見ると、「日本人も南ヨーロッパ人のようにコーヒーを積極的に飲んで肝臓癌を防ぎましょう!」ということになります。
たしかに、コーヒーの有用性については様々なところで報告されていますから試してみてもいいかもしれません。ただ、一方で、コーヒーの否定的な研究もありますから摂りすぎには注意した方がいいかもしれません。
参考:
はやりの病気第22回(2005年12月)「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」
はやりの病気第30回(2006年4月)「コーヒー摂取で心筋梗塞!?」
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|2013年8月6日 火曜日
2007年9月3日(月) 人間ドックの受診者、「異常なし」が過去最低に
日本人間ドック学会は、8月24日、2006年に人間ドックを受けた人のうち、検査項目に異常がなかったのは11.4%と、学会が集計を始めた1984年以来、最低だったことを発表しました。これまでの最低記録は2004と2005年の12.3%でした。
集計対象は同学会などが指定する約800施設で人間ドックを受診した約295万人で、「異常なし」は約33万人にとどまっています。
異常があった項目では食生活や運動など生活習慣に関連が深いものが目立ち、肝機能障害が26.2%と最多となっています。高コレステロール(25.4%)、肥満(24.4%)、高血圧(15.9%)と続いています。
同学会は、外食産業やコンビニの普及により、食物に占める脂肪の割合が増えたことや、サラリーマンのリストラなどによるストレスが生活習慣を悪化させていることが理由と指摘しています。
人間ドックで癌が発見されたのは6817件で、胃がんは前年と同水準、大腸がんと肺がんの割合がわずかに減少したのに対し、前立腺がんと乳がんは微増しています。
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すてらめいとクリニックでおこなっている健康診断でも、「肝機能障害」「高コレステロール」「肥満」「高血圧」は、上位トップ4を占めます。そして、これらは同じ人がいくつも該当することが多いと言えます。
いずれの場合も、早期発見をし、生活環境を改善すれば大事に至る可能性が極めて低くなる「異常」です。
少なくとも年に一度は健康診断を受けましょう。
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|2013年8月6日 火曜日
2007年9月3日(月) 京都の女性はメタボと無縁?
京都市が今年(2007年)の5月と6月におこなった調査によりますと、京都の女性がメタボリックシンドロームに該当する割合は、全国推計値の約半分にとどまっています。さらに、メタボリックシンドロームの「予備軍」も6割程度という低い結果がでています。(報道は8月23日の毎日新聞)
今回の調査は市民健診で協力を得られた40歳から74歳の京都市民1,771人(男性509人、女性1,262人)が対象です。
結果は、「積極的支援」が必要な女性のメタボ該当者(65歳未満)の割合が3.1%で、全国推計値(6.0%)の51%、「動機づけ支援」が必要なメタボ予備軍も65歳未満で6.0%と、全国推計値(10.2%)の約6割となっています。65歳以上でみても、全国推計値が15.2%なのに対し、京都市では9.5%と約6割の水準にとどまっています。
BMI(注)をみても、「肥満」の人の割合は、40代で、11.8%(全国平均19.3%)、50代で14.2%(同23.9%)、60歳で17.2%(同29.0%)と、各年代とも全国平均を大きく下回っています。
その一方、男性は「積極的支援」は17.5%と全国推計値24.6%より3割低いという結果が出ていますが、予備群は65歳未満が13.0%(全国推計11.8%)、65歳以上が30.9%(同27.6%)といずれも全国水準を上回っています。
今回の調査に対し、「食や衣などの京都の伝統が影響しているのでは・・・」との推論が出ており、今後理由の分析も検討されるようです。
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京都に住む人ではなく、「京都の女性」のみがメタボや肥満と無縁というところがこの調査の興味深いところです。食べているもので男女間にそう大きな差があるとは思えませんし、衣と言っても京都の女性がいつも着物を着ているわけではありませんし、私にはこの理由が皆目検討がつきません。
皆さんはどのように思われますか?
注 BMIとは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字です。例えば、体重88kg、身長2mの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。以前は、BMIは22がベストとされていましたが、最近の研究では23から25程度が最も長生きするとの報告が多くなっています。
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