医療ニュース

2013年7月22日 月曜日

2009年9月30日(水) 1日2回の歯磨きでガンのリスクが減少

 1日2回以上歯を磨く人が口の中や食道ガンになる危険性は1回の人より3割低い・・・

 愛知県がんセンター研究所がこのような調査をまとめ、10月1日から開催される日本癌学会で発表する予定のようです。(報道は9月28日の共同通信)

 この調査は20~79歳(平均61歳)の約3,800人を対象としておこなわれています。同がんセンターを受診した人の中から、口の中やのどなどのガン(頭頸部ガン)や食道ガンに罹患した人961人と、ガンでない2,883人に対して、歯磨き、喫煙、飲酒などの習慣を調査しています。

 調査の結果、2回以上歯磨きする人は、1回の人に比べ、ガンになる危険性が約29%低く、まったく磨かない人の危険性は、2回以上磨く人の2.5倍となっています。この結果は、喫煙や飲酒といった他の因子と関係なく、「歯磨きの回数」が独立したガンの危険因子であることを強く示唆しています。

 なぜ歯磨きがガンを抑制するのか・・・。この理由に対して、同研究所は「口やのどには発がん物質とされるアセトアルデヒドを作る細菌がいる。歯磨きで細菌や発がん物質が洗い流されるので、少なくとも朝と夜に磨けば、がん予防に役立つ」とコメントしています。

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 このような調査はおそらく初めてではないでしょうか。歯磨きが齲歯(虫歯)や歯周病の予防になるのは常識ですが、ガンを抑制するとなると、歯磨きの重要性はもっと注目されるべきでしょう。

 調査には「まったく磨かない人」も対象となっています。”普通の”生活をしていて歯をまったく磨かない人はいないでしょうから、これは寝たきりなどの状態になり自力で歯を磨けない人を指しているのではないかと思われます。ということは、この調査結果は介護者にも理解してもらわなければならないことになります。

(谷口恭)

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2013年7月22日 月曜日

2009年10月5日(月) 帯状疱疹が増加、宮崎県

 帯状疱疹というのは痛みが長期にわたり残ることもあり、ときにやっかいな病気ですが、この病気に関して宮崎県皮膚科医会が大規模な調査をおこないました。

 その結果、宮崎県内の帯状疱疹患者数が、1997年の4,243人から10年間で5,226人と23%も増加していることが分かりました。人口当たりの発症率でみると26%の増加となります。(報道は9月29日のキャリアブレイン)

 同医会は1997年から2006年にわたり県内の患者数を集計し、累計48,388人のデータを解析しています。その結果、10年間の累計での人口1000人当たり患者数は4.15となっています。年齢別に見ると、0~9歳が2.45、10歳代が2.86、20歳代が2.27、30 歳代が1.96で、30歳代で最低となっています。40歳代で 2.53と上昇に転じ、50歳代では5.23に跳ね上がります。60歳代では6.95で、70歳代で7.84と最も多くなっています。女性は4.58で、男性の 3.67より25%高くなっています。

 時系列で見ると、全体では1997年の3.60から2006年の4.55と26%増加していますが、50歳代までの各年齢層でほとんど変化していません。ところが、60歳代は6.17から7.58、70歳代は6.52から8.67、80歳代は5.70から7.24と大きく増加しています。

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 これらをまとめると、70代以上での罹患率増加が全体を引き上げていることになり、高齢化が進んだ結果と考えれば理解しやすいと言えるでしょう。

 しかし30代の罹患率が他の世代より低いのはなぜなのでしょうか。太融寺町谷口医院で帯状疱疹と診断されるのは30代の男性が一番多いような印象があります。今後地域ごとのデータが集まれば興味深い結果がでるかもしれません。

参考:はやりの病気第71回 「帯状疱疹とヘルペスの混乱」

(谷口恭)

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2013年7月22日 月曜日

2009年10月5日(月) 昨年のインフルエンザワクチンの副作用は121人

 ワクチンをうって感染症を予防したい、けど副作用が心配・・・

 これは、ワクチン接種に関して誰もが思うことです。いったいどれくらいの割合でどんな副作用が起こるのか、これについては正確かつ迅速な公表が望まれます。

 昨年度(2008年度)に季節性インフルエンザワクチン接種の副作用が疑われた症例は121人、うち死亡は2人であったことを、厚生労働省は9月29日に公表しました。(報道は翌日の共同通信など)

 同省によりますと、2008年度にインフルエンザのワクチン接種を受けた人は4~5千万人で、主な副作用は、発熱(16件)、ギラン・バレー症候群(10件)などでした。

 死亡例は、10歳未満の女児と70代男性の2人です。女児はワクチン接種5日後に意識レベル低下、けいれんなどがおこり、2日後に死亡しています。70代男性は、直腸ガンや転移性の肺ガンなどを患っており、接種2日後に呼吸不全で入院し、その19日後にガン性リンパ管炎で死亡しています。いずれも、ワクチン接種との因果関係は不明だそうです。

 後遺症については、ワクチン接種との因果関係が否定できない症例が4件あります。ギラン・バレー症候群を発症した40~60代の男女3人と、急性散在性脳脊髄炎を発症した10歳未満の男児1人です。

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 死亡と後遺症を合わせると、因果関係が不明なものも含めて6人となります。重篤な副作用が起こる確率が6人/4~5千万人、一方インフルエンザで死亡する人が年間1万人程度(ただし高齢者が大半)ということを考えたときに、ワクチンを接種すべきかどうか・・・。私個人としては、特別な理由がない限りはやはり接種すべきかと思います。

(谷口恭)

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2013年7月22日 月曜日

2009年10月5日(月) “生活を楽しむ男性”は循環器疾患になりにくい

 生活を楽しんでいる男性は、脳卒中や心筋梗塞といった循環器疾患にかかりにくく死亡リスクが低い・・・

 これは厚生労働省の研究班が9月30日に発表した報告です。(報道は同日の日経夕刊など)

 この調査は、40~69歳の男女88,175人を12年間にわたり追跡しています。開始時点のアンケートの回答から、生活を楽しんでいる意識が「高い」「中程度」「低い」の3つのグループに分けて、循環器疾患の発病や死亡との関係が分析されています。

 その結果、生活を楽しんでいる意識が高いグループを基準にすると、中程度グループの発症リスクは1.20倍、低いグループは1.23倍、また死亡リスクはそれぞれ1.15倍、1.61倍となっています。

 興味深いことに、女性ではこういった意識との関連は認められていません。

 生活を楽しんでいる男性は、スポーツなどで健康的な生活を送っていることに加え、困難な出来事にも前向きに対処できるためストレスを感じにくいことが原因ではないか、と研究者は考えているようです。また、生活を楽しんでいると答えた男性には喫煙者が比較的少なかったそうです。

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 女性には生活を楽しんでいる意識と疾患の間に関連性がみられなかったということは、「女性はストレスに強い」ということを示しているのかもしれません。

 多くの男性にとって、「生活を楽しみなさい」と言われてもそう簡単にできるわけではありません。理屈では理解できたとしても、過重労働のためスポーツなんて時間がとれないし、いつ仕事を失うかもしれない現状で「楽しめ」と言われても・・・、と考える人も少なくないでしょう。

 とりあえずは、タバコをやめて、少しでも(あるいは少々無理をしてでも)スポーツをする時間を確保することから始めてみるのがいいかもしれません・・・。

(谷口恭)

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2013年7月22日 月曜日

2009年10月8日(木) 酒飲みの女性は乳ガンになりやすい

 酒を多く飲む女性ほど乳ガンになりやすい・・・

 このような調査結果を愛知県がんセンターが発表し話題を呼んでいます。(報道は10月6日の共同通信など)

 研究者らは、愛知県がんセンター病院で乳ガンと診断された1,754人と、乳ガンと診断されなかった女性3,508人を比較分析しています。全般的に、酒量が増えるにつれて、乳ガンの発症率が高くなっていることが分かりました。この傾向は50歳前後の閉経の後で著しく、閉経前の女性では、はっきりしなかったようです。

 閉経後の乳がん発症率を数字でみると、酒を飲まない女性を1としたとき、少し飲む女性は1.24倍、時々飲む女性は1.39倍、日本酒換算で週に7合以上飲む女性は1.74倍との結果がでています。

 乳ガンは女性で最も多いガンで日本でも近年急増しています。研究者のひとりは「酒と乳ガンの関連は欧米で指摘されていたが、今回の研究で、閉経後の日本女性でも明白になった。乳ガンを予防するには、大酒を控えた方がよい」と話しているようです。

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 なぜ(閉経前にはなくて)閉経してから飲酒量と発ガンの間に関係があるのかは分かりませんが、閉経したから「じゃあ飲酒量を減らしましょう」と言ってすぐに実行できるわけではないでしょう。しかも、日本酒換算で週に7合というのは「1日1合」ですから、この程度の量で「大酒飲み」とは言えないのではないでしょうか。

 ストレス解消ができたり、コミュニケーションがスムーズに進んだり、といったお酒の長所を考えたときに、今回の調査結果だけを重視して飲酒を控えるというのも短絡的すぎるように思えます。

 乳ガンが日本で増加しているのは食生活が欧米化したからだと言われることがよくあります。しかし食生活の見直しは口で言うほど簡単ではありません。まずすべきことは、定期的な乳ガン検診ではないかと私は考えています。

(谷口恭)

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2013年7月22日 月曜日

2009年10月13日(火) 「太りすぎ」が長生き?

 以前も、「太っている人はやせている人よりも長生きする」という一見常識から矛盾したような研究を紹介しましたが(下記ニュース参照)、またもや同様の研究結果が発表されました。

 東北大学公衆衛生学教室の研究グループが発表しています。(報道は10月10日の日経新聞)

 研究グループは、宮城県内の40~79歳の男女約44,000人を1995年から2006年まで追跡調査し分析しています。

 その結果を厚生省が2009年6月に発表したデータと比較してみたいと思います。(下記の数字は40歳時点での平均余命です。例えば、厚生省のデータでBMI18.5未満の男性は、40歳の時点で平均余命が34.54年となります)

BMI       厚生省のデータ(男/女)  東北大学のデータ(男/女)
18.5未満  34.54 /  41.79  33.8 / 41.1
18.5~25     39.94  /  47.97   38.7 / 46.3
25~30  41.64  /  48.05  40.5 / 47.0
30以上  39.41  /  46.02  37.9 / 44.9

 どちらのデータも同じように、男女ともBMIが25~30のグループが最も長生きとなっています。

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 BMIが25以上30未満のグループを、厚生労働省は「太り気味」と呼び、東北大学は「太りすぎ」と呼んでいます。「太り気味」と「太りすぎ」では随分イメージが異なるように思われますが、東北大学があえて「太りすぎ」と命名したのは何か理由があるのでしょうか。

 どう呼ぶかはいいとして、両者ともBMIが25~30が最も長生きと結論づけていることはやはり注目に値します。

 これら2つの研究はいずれも宮城県を対象としています。他の地域の研究も待ちたいと思います。

(谷口恭)

参考:医療ニュース
 2009年6月11日「やはり長生きするのは太り気味か…」
 2009年4月30日「太った方が長生きする!?」

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2013年7月21日 日曜日

2009年10月20日(火) 「働く人の電話相談」昨年の倍に

 日本産業カウンセラー協会は、9月の自殺予防週間に合わせ3日間にわたり「働く人の電話相談室」をおこないました。その結果、合計1,093件の相談が寄せられたと発表しています。これは昨年(2008年)の535件の倍以上となっています。(報道は10月16日の読売新聞)

 電話相談は9月10~12日(「自殺予防週間」は10~16日)の3日間にわたり、全国13支部で行われました。相談者の内訳は、男女ほぼ半々で、40歳代が236人、50歳代が232人と全体の4割以上を占めます。本人の問題だけでなく、家族や知人についての相談もあったそうです。

 相談内容をみてみると、「経済的な問題」や「転職・退職」などが昨年に比べ増加しているようです。担当したカウンセラーによりますと、「今年は苦しい経済状況を反映した相談が目立った」そうです。

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 相談内容をカウンセラーの判断で分類しているようですが、実際は様々な要因の複合であることが多いと言えます。例えば、上司からのパワハラ→うつ→休職→貧困→消費者金融→離婚→・・・、などです。

 この電話相談は、同協会の東京支部では月~金の午前3時から8時まで無料でおこなわれています。興味のある方は、http://www.counselor-tokyo.jp/service/soudan.htmlを参照ください。

 また、厚生労働省により開設された「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」(http://kokoro.mhlw.go.jp/)も参考になるかと思います。

(谷口恭)

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2013年7月21日 日曜日

2009年10月21日(水) 贋物のタミフルに要注意!

 FDA(アメリカ食品医薬品局)が、10月15日、緊急速報(Immediate Release)として、贋物(ニセモノ)のタミフルが出回っていることに注意を喚起しています。

 FDAは、タミフルとしてインターネット上で販売されているいくつかの製品を入手し分析しています。その結果、1つの製品からは,タミフルの成分がまったく検出されず、チョークやベビーパウダーに用いられるタルクと市販の風邪薬の主成分であるアセトアミノフェンが見つかったそうです。

 この贋物のタミフルを販売していたサイトは現在消失しているようですが,FDAでは他にも新型インフルエンザの診断、予防、治療ができると称する4つの製品を入手しています。これらは医薬品として認可されている用量以上のタミフルを含んでおり、いずれも認可されていないものです。

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 タミフルは優れた抗インフルエンザ薬ではありますが、重篤な副作用の報告もあります。もしも、医療機関で処方されたタミフルを服用した結果、副作用が起こったとすれば、「医薬品副作用被害救済制度」を利用できますが、インターネットなどで購入したものであればこういった制度の対象となりません。

 今のところ日本ではタミフルが入手できないという状態ではありませんから、待ち時間が長くなったとしても、発熱が生じインフルエンザを疑えば医療機関を受診するべきです。

(谷口恭)

参考:
はやりの病気第74回(2009年10月)「混乱する新型インフルエンザ」
はやりの病気第72回(2009年8月)「新型インフルエンザの対策は充分か」
はやりの病気第70回(2009年7月)「新型インフルエンザの行方」
はやりの病気第69回(2009年5月)「疑問だらけの新型インフルエンザ」

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2013年7月21日 日曜日

2009年10月26日(月) タイ産やせ薬で相次ぐ死

 「ホスピタルダイエット」、「MDクリニックダイエット」、などと呼ばれるタイ産のやせ薬をご存知でしょうか。

 これらは、健康被害の報告が相次いでいる大変危険なやせ薬です。今月だけで、これらのやせ薬で死亡した事故が2例報告されています。

 厚生労働省は10月9日、「ホスピタルダイエット」を飲んでいた東京都内の40代女性が昨年死亡していたことを発表しました。「ホスピタルダイエット」による死亡例は2005年6月に神奈川県でも報告されています。(報道は10月13日の共同通信)

 さらに10月23日、今度は東京都が気管支喘息で死亡した都内の女性が「MDクリニックダイエット」を服用していた可能性が強いことを発表しました。(報道は10月24日の日経新聞)

 東京都は、「ホスピタルダイエット」と「MDクリニックダイエット」に含まれる薬品が同じ種類であるとみて、服用の中止や医療機関への受診を呼びかけています。

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 「ホスピタルダイエット」は兵庫や広島などで健康被害の報告が相次ぎ、厚労省はホームページで注意喚起をしています。下記URLを参照ください。

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet/jirei/030902-1.html

 このウェブサイトによりますと、これらのやせ薬には日本未認可のシブトラミンや服用には医師の処方せんが必要な甲状腺ホルモンなどが含まれています。

 実は太融寺町谷口医院にも、これらのやせ薬で動悸やめまい、吐き気がする、と言って受診される方がときどきおられます。

 輸入品のダイエット薬には、死亡例があるということはもっと注目されるべきでしょう。

(谷口恭)

参考:医療ニュース 
2007年3月23日「ダイエット用食品から未承認医薬品検出」
2007年6月11日「危険な輸入健康食品」
2008年12月15日「やせ薬「ソロスリム」で体調不良」

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2013年7月21日 日曜日

2009年10月26日(月) 新型インフル、過去の季節性感染で免疫獲得の可能性

 これまで、新型インフルエンザについては、過去に季節性インフルエンザに罹患していても免疫がついておらず、多くの人が重症化する可能性があると考えられてきました。

 ただし、1957年以前に生まれた中高年層(だいたい52歳以上に相当します)は免疫力を獲得している可能性をCDC(米疾病対策センター)が5月20日に記者会見で発表しています。これは、1957年以前に生まれた人は、1918年に大流行を起こしたH1N1型のスペイン風邪にさらされている可能性が高いからです。1957年にH2N2型のアジア風邪が流行したことによりH1N1型の流行が終息しており、その結果1957年以降に生まれた人は、H1N1型の免疫を持っていないと理論上考えられるというわけです。

 しかし、国立感染症研究所が最近おこなった分析によりますと、1957年以降に生まれた人でも、成人の多くはある程度の免疫を持つ可能性があることが分かってきました。(報道は10月23日の読売新聞)

 日本で新型インフルエンザが増えているのは圧倒的に未成年です。さらに、新型のワクチンの臨床試験では、1回の接種で成人の78%が充分な免疫を獲得できています。これらから、過去の季節性インフルエンザの免疫が、新型にもある程度は働くのではないかという解釈が成り立つというわけです。

 「1回の接種で効果が出るのは、過去の免疫が呼び覚まされたから。今回の新型は、過去に流行した季節性の『いとこ』か『はとこ』なのだろう」、国立感染症研究所はこのようにコメントしているそうです。

 しかし、このことは「成人が新型に感染しない」ということを意味しているわけではありません。米国でも当初は、10代で新型が流行しましたが、その後は上の世代にも広がり、最終的には入院患者の半数が18歳以上となっています。

 同研究所は、「今は、集団生活を送っている子供が感染の中心だが、時間をかけて成人に感染が広がっていく。成人の方が感染すれば重症化する危険性が高く、十分な注意が必要」と強調しています。

 
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 過去の季節性インフルエンザの感染で免疫力がある程度ついている可能性があるということは喜ばしいニュースではありますが、国立感染症研究所がコメントしているように、「成人の方が感染すれば重症化する危険性が高い」という事実は大変重要です。

 今回の発表で、成人のワクチン接種の回数が再度検討されることになるかもしれませんが、この発表を楽観視しすぎることなく慎重に状況を見極めていく必要があるでしょう。

(谷口恭)

参考:はやりの病気第74回(2009年10月)「混乱する新型インフルエンザ」

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