医療ニュース
2026年6月7日 日曜日
2026年6月7日 カルシウム、ビタミンDのサプリメントでは骨折が防げない
「骨を丈夫にするために」あるいは「骨粗鬆症を防ぐために」という目的でカルシウムのサプリメントやビタミンDのサプリメント、あるいはその双方を摂取している人がいますが、これらはほとんど意味がありません。
このことが広く知れ渡るようになったのは2017年、USPSTF(U.S. Preventive Services Task Force=米国予防医療作業部会)の報告です。本ウェブサイトでも医療ニュース「骨折予防にビタミンDやカルシウムは無効」で紹介しました。
しかし、日本では相変わらず骨折や骨粗鬆症の予防目的でカルシウムやビタミンDのサプリメントを摂っている人が少なくありません。また、医療機関でも処方されていることがあります。日本人には健康に対する意識が高い人が少なくありませんが、不思議なことに、骨に関しては関心を払う人があまり多いように思えません。これを危惧して2023年に書いたコラムが「なぜ『骨』への関心は低いのか」です。
このように、カルシウムやビタミンDのサプリメントは骨折を防げず骨粗鬆症を予防しないことが分かっているのになぜ人は続けて摂取し続けるのでしょうか。今回紹介する論文もまた、カルシウムやビタミンDのサプリメントが骨折予防目的で大量消費されることに疑問を抱いた学者によって書かれたものです。論文は医学誌「BMJ」2026年5月20日号に掲載された「骨折および転倒予防のためのカルシウム、ビタミンD、またはこれらの併用サプリメントの効果:系統的レビューとメタアナリシス(Calcium, vitamin D, or combined supplementation to prevent fractures and falls: systematic review and meta-analysis)」です。
この論文の構成はメタアナリシスです。つまり過去に公表された研究を総合的に解析したものです。解析した合計の対象者は153,902人で、過去の69件の調査研究が含まれています。全体の年齢中央値は71.2歳です。結果、これらのサプリメントは(カルシウム、ビタミンD単独も、併用も)骨折の予防にまったくまたはほとんど効果がありませんでした(little to no benefits )。
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ではサプリメントにまったく意味がないかというとそういうわけではありません。ビタミンDについてはそもそもサプリメントなしで正常範囲を示している人がほとんどいません(当院での調査では99%以上の人が不足しています)。ですから(カルシウムはともかく)ビタミンDのサプリメントはほとんどの人が摂取すべきです。
しかし、骨折や骨粗鬆症がそれで防げるわけではありません。ではこれらの予防には何をすればいいのか。それは「運動」です。歩いたり走ったりするいわゆる有酸素運動ではなく、ワークアウト(いわゆる「筋トレ」)が必要です。しかし、口でいうほど簡単ではなく、日本人はどうもワークアウトが苦手なようです。谷口医院の患者さんでいえば外国人(特に西洋人)はなんらかのかたちでワークアウトに取り組んでいる人が多いような印象があります。
ここは外国人を見倣うべきだと思います。
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