医療ニュース
2009年6月11日(木) やはり長生きするのは太り気味か…
成人後に太ると長生きし、やせると早死にする!、という従来の概念をくつがえすような研究が発表されたことを以前お伝えしました。(下記医療ニュース参照)
その結果を裏付けるような別の研究が厚生労働省より発表され話題を呼んでいます。(報道は6月10日の読売新聞)
この調査は、宮城県内の40歳以上の住民約5万人を対象とし、12年間健康状態などを調べています。過去の体格も調べ、体の太さの指標となるBMI(下記注)ごとに40歳時点の平均余命を分析した結果、普通体重(BMIが18.5以上25未満)が男性39.94年、女性47.97年なのに対し、太り気味(同25以上30未満)は男性が41.64年、女性が48.05年と長命という結果がでています。しかし、さらに太って「肥満」(同30以上)に分類された人は男性が39.41年、女性が46.02年と、普通体重の人よりわずかに短い数字となっています。
一方、やせた人(BMI18.5未満)は男性34.54年、女性41.79年にとどまっています。この調査では、病気でやせている例などを統計から排除しても傾向は変わっていません。
これらをまとめると、「やせた人」は「太り気味の人」より6~7歳も早く死ぬという結果になります。
この研究では医療費についても言及されています。「肥満の人」が40歳以降にかかる医療費の総額は、男性が平均1521万円、女性が同1860万円で、どちらも「やせた人」の1.3倍かかっていたことになります。
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「やせた人」の医療費がかからないのは、早く死ぬからでしょうか。それにしても、この調査結果は衝撃的です。
最も長生きする「太り気味」ではBMIが25~30とされています。仮に身長170cmの男性がいたとしてBMIが25~30ということは、体重が72.25~86.7kgとなります。身長160cmの女性であれば、体重が64kg~76.8kgということになります。このような体型の男女を想像したときに、やはり常識的には「もっとやせましょうよ」ということになるのではないでしょうか。
太融寺町谷口医院にも「減量しましょうね」と毎回のように助言している患者さんがたくさんいます。その患者さん達に対して、これから私は何と言えばいいのでしょうか・・・。
注:BMIはBody Mass Indexの略で、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割って算出します。例えば、体重88キログラム、身長2メートルの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。
(谷口恭)
参考:医療ニュース
2009年4月30日「太った方が長生きする!?」
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