医療ニュース

2009年12月4日(金) 個人輸入のED改善薬、6割がニセモノ

 バイアグラ、レビトラ、シアリスといったED改善薬は、本来は医療機関で処方されるべきものですが、個人輸入で直接購入することは違法ではありません。しかしながら、インターネットなどを通して個人輸入で入手できる薬剤の55.4%がニセモノであることが調査で判りました。(報道は12月4日の読売新聞など)

 この調査は、ED改善薬を販売する製薬会社4社が共同で2008年8月から2009年4月までおこなったものです。日本語で販売している60のウェブサイトから、「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」の3種類の治療薬を購入し、日本とタイを郵送先として指定し調査がおこなわれました。

 合計184回購入し成分を調べたところ、全体の55.4%がニセモノだったそうです。ただし、一言で「ニセモノ」といってもいろんなタイプがあり、まったく有効成分が入っていないものから、入っているけど含有量が少ないもの、不純物が含まれているものもあったようです。

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 個人輸入のED改善薬は、海外ではニセモノを服用したことによる死亡例も出ています。また、タイではニセモノの販売にかかわった日本人が摘発されたことがあります。

 新聞記事にはありませんが、タイでは、いかがわしい薬局で処方せんがなくてもED改善薬が購入できます。以前、患者さんにそれを見せてもらったことがあるのですが、なんと「バイアグラ100mg」でした。バイアグラは、日本では25mgと50mgしか認可されておらず、西洋人より体重の小さい日本人が100mgを使えば副作用のリスクが跳ね上がります。その患者さんもそうでしたが、多くの人にとって「バイアグラ」は「バイアグラ」であって何mgかというところまで注意がいかないようです。

 最後に1つ付け加えておきます。このような調査はときどきおこなわれますが、ニセモノが出回っているのは何もED改善薬だけではありません。ダイエット薬、プロペシアなどのAGA改善薬などにもニセモノはたくさん流通していることは覚えておいた方がいいでしょう。

(谷口恭)

参考:医療ニュース2007年2月20日「ネット販売薬の半分はニセモノ」

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