医療ニュース
2018年5月25日 日焼け止めが禁止されてもサプリメントはNG
南の島は心も身体も癒してくれますが、紫外線には注意しなければなりません。したがって南のリゾート地に行くときにはサンスクリーン(日焼け止め)(と虫よけ)は忘れてはいけません。
ですが、ハワイのビーチではサンスクリーンの使用が禁止されるかもしれません。
2018年5月3日の「The New York Times」によれば、5月1日、ハワイ州は一部のサンスクリーンの販売を禁止することを決めました。
サンスクリーンに含まれる化学物質オキシベンゾン(oxybenzone)とオクティノクセイト(Octinoxate)がサンゴを漂白するというのが禁止にする理由で、この規則が実行されるのは2021年1月1日の予定です。
「The New York Times」によれば、世界中で毎年14,000トンのサンスクリーンが海洋に蓄積され、ハワイやカリブ海のサンゴ礁を傷つけています。2015年に非営利組織のHaereticus Environmental Laboratoryが調査したところ、毎日平均2,600人が訪れるオアフ島のハナウマ・ベイではサンゴ礁に毎日平均412ポンド(187キログラム)のサンスクリーンが沈着していたそうです。
こうなると、サンスクリーン以外に紫外線をカットする方法はないのかと考えたくなり、一部のサプリメントはそれを謳っています。しかし、2018年5月22日、米FDAはこういった製品に対して「警告」を発しました。
FDAは、はっきりと「サンスクリーンに置き換わる錠剤やカプセルはない」(There’s no pill or capsule that can replace your sunscreen.)と断言し、消費者に誤った情報を与え、効果のないサプリメントを売りつけている業者に警告文(warning letters)を発送しました。該当する製品名は、「Advanced Skin Brightening Formula」、「Sunsafe Rx」、「Solaricare」、「Sunergetic」などです。
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皮膚がんの発症率が高い米国では紫外線カットやサンスクリーンの話がよく取り上げられます。日本では皮膚がんがさほど多くないことと、ビタミンDの体内合成に紫外線が必要なことから、むしろ日光浴が推奨されることもあります。ですが、ビタミンDは魚介類やきのこなどから摂れますから極端なベジタリアン(ヴィーガンと呼ばれる人たち)以外はあまり心配する必要はありません。
さて、これからの紫外線対策を考えましょう。ハワイで法案が可決されたことは大きな意味を持ちます。ハワイに行かないという人は関係ないとも言い切れず、他のリゾート地が追随する可能性もあります。法が実行される2021年までに「使えるサンスクリーン」を探しておく必要があります。
しかし、日本人はあまり心配ないかもしれません。太融寺町谷口医院でサンスクリーンの相談をされる人はたいてい敏感肌で、そういった人たちには紫外線吸収剤が含まれていないもの(紫外線散乱剤だけでできているもの)を勧めています。禁止されるオキシベンゾンもオクティノクセイトも共に紫外線吸収剤ですから、心配不要というわけです。
参考:
アトピー性皮膚炎 塗り薬の使い方Q&A
Q7:サンスクリーン(日焼け止め)はどのようなものを選べばいいのでしょうか。
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