医療ニュース

2010年2月17日(水) 検査件数減少で新規HIV感染者も減少

 先日、大阪府では「いきなりエイズ」の患者数が過去最多になったというニュースをお伝えしました(下記医療ニュース参照)。この原因として、まだ症状がない状態で検査を受ける人が減ったことが考えられるわけですが、検査の減少は全国に及んでいるようです。

 厚生労働省は2月12日、2009年のHIV新規感染者(まだエイズを発症していない状態で新たにHIV感染が判った人)は1,008人(速報値)であることを発表しました。7年ぶりに前年を下回ったことになりますが、一方で検査件数も7年ぶりに減少しており、検査件数の減少が新規発見の減少につながったと同省はみています。

 同省によりますと、HIVの検査件数及び新規感染者数は1998年からの10年間でおよそ3倍に増加しています。2008年は検査数が177,156件、感染者が1,126人で、共に過去最高でした。ところが、2009年になり検査を受ける人が急減し、その結果、受検者は約15%、感染者は10%、2008年から減少しています。 

 尚、2009年に新たにエイズを発症した患者(いきなりエイズ)は全国で420人となっており、2008年より11人少なくなっています。

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 大阪府でも全国でも、検査件数が減少し、(まだエイズを発症していない)HIV感染者も減少していることは共通しています。ところが、「いきなりエイズ」は全国ではわずかに減少しているのに対し、大阪府では20%以上も増加しています。

 これは、大阪府ではまだまだ感染に気づいていない人が大勢いる可能性を示唆しているといえるでしょう。

(谷口恭)

参考:医療ニュース2010年2月15日「大阪府、いきなりエイズが過去最多」

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