医療ニュース

2009年1月13日(火) イタリアが道化師治療に2億5千万円

 「パッチ・アダムス」という映画をご存知でしょうか。ロビン・ウイリアムズが主演をつとめた1998年の米国の映画です。

 パッチ・アダムスは実在の医師で、またプロの道化師(ピエロ)でもあります。臨床の現場にユーモアを取り入れ、現在も医師として、社会活動家として活躍しています。

 パッチ・アダムスが有名になって以降、病院に道化師が出向いて患者さん(主に子供)を笑わせて病気の回復をはかる治療が次第に普及するようになってきました。臨床道化師はオランダで始まり、欧米各国、そして日本でも一部の病院が取り入れています。

 この度、イタリア政府は国家としてこの治療法の有効性を認め、普及のために200万ユーロ(約2億5千万円)を支出することを決めました。(報道は1月5日の共同通信)

 イタリアでもすでにローマなどの一部の病院で臨床道化師が活躍していますが、イタリア政府は、今後希望する病院に補助金を出すことによって全国的な普及を目指すようです。また、ボランティアが臨床道化師になるためのトレーニング費用も補助するとのことです。

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 病気に対する不安や恐怖を道化師のパフォーマンスで和らげることが期待できる治療といえるでしょう。「パッチ・アダムス」は、私は医学生の頃にみて感銘を受けた記憶があります。

 道化師に限らず、心をリラックスさせる試みはどんどん医療に取り入れるべきだと私は考えています。

(谷口恭)

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