医療ニュース

2009年10月8日(木) 酒飲みの女性は乳ガンになりやすい

 酒を多く飲む女性ほど乳ガンになりやすい・・・

 このような調査結果を愛知県がんセンターが発表し話題を呼んでいます。(報道は10月6日の共同通信など)

 研究者らは、愛知県がんセンター病院で乳ガンと診断された1,754人と、乳ガンと診断されなかった女性3,508人を比較分析しています。全般的に、酒量が増えるにつれて、乳ガンの発症率が高くなっていることが分かりました。この傾向は50歳前後の閉経の後で著しく、閉経前の女性では、はっきりしなかったようです。

 閉経後の乳がん発症率を数字でみると、酒を飲まない女性を1としたとき、少し飲む女性は1.24倍、時々飲む女性は1.39倍、日本酒換算で週に7合以上飲む女性は1.74倍との結果がでています。

 乳ガンは女性で最も多いガンで日本でも近年急増しています。研究者のひとりは「酒と乳ガンの関連は欧米で指摘されていたが、今回の研究で、閉経後の日本女性でも明白になった。乳ガンを予防するには、大酒を控えた方がよい」と話しているようです。

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 なぜ(閉経前にはなくて)閉経してから飲酒量と発ガンの間に関係があるのかは分かりませんが、閉経したから「じゃあ飲酒量を減らしましょう」と言ってすぐに実行できるわけではないでしょう。しかも、日本酒換算で週に7合というのは「1日1合」ですから、この程度の量で「大酒飲み」とは言えないのではないでしょうか。

 ストレス解消ができたり、コミュニケーションがスムーズに進んだり、といったお酒の長所を考えたときに、今回の調査結果だけを重視して飲酒を控えるというのも短絡的すぎるように思えます。

 乳ガンが日本で増加しているのは食生活が欧米化したからだと言われることがよくあります。しかし食生活の見直しは口で言うほど簡単ではありません。まずすべきことは、定期的な乳ガン検診ではないかと私は考えています。

(谷口恭)

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