医療ニュース

2009年12月28日(月) ビール週7本で乳癌のリスク急増

 週にビール大ビン7本に相当する量を超える酒を飲む女性が乳癌になるリスクは、全く飲んだことがない女性の1.75倍・・・。

 これは厚生労働省研究班が12月25日に発表した研究結果です。(報道は同日の共同通信、毎日新聞など)

 研究班は、岩手、秋田など9府県の40~69歳の女性約5万人を対象とし、平均13年間の追跡調査をおこなっています。喫煙や閉経年齢など飲酒以外の要因を取り除き、飲酒量と乳癌発生率の関係を分析しました。飲酒習慣について、①飲んだことがない、②ときどき(月に1~3回程度)、③週にエタノール換算で150グラム(日本酒約7合、ビールなら大ビン7本、ワインなら14杯、ウイスキーならダブル7杯程度)、④それ以上、⑤過去に飲んでいたが現在は飲まない、の5つのグループに分けて解析しています。

 その結果、④の150グラムを超えて飲酒する人のリスクは①の飲んだことがない人の1.75倍であったことが判りました。それ以下の量では、差はほとんどなかったようです。

 リスク上昇には、酒に含まれるエタノールが分解されてできるアセトアルデヒドの発癌性などが関係する可能性が指摘されています。これまで、男性では飲酒量が多いと、様々な癌の発症率が高くなることが知られていましたが、女性の癌と飲酒の関係はよく判っていませんでした。

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 ビールなら週に7本程度でリスクが上昇、と聞くと「タイヘンだ」と感じる女性も少なくないでしょうが、それ以下ではリスクの差がほとんどないわけです。ということは、休肝日を上手くつくって週あたりのアルコール量を一定量以下にすればいいということになります。

 喫煙は様々な癌のリスクになることが知られていますが、まったく吸わないのが最善であることは間違いありません。しかし、お酒は上手くつきあえば生活も楽しめて癌のリスクも抑えられるというわけです。

(谷口恭)

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