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2010年2月8日(月) MMRワクチンと自閉症との関連性は誤り

 MMRワクチンとは、麻疹(はしか)、おたふく風邪、風疹を一度に予防することのできる混合ワクチンで、以前は日本でも接種されていました。日本では死亡例を含む副作用が出現したために1993年4月に接種が中止されています。

 このMMRワクチンと「自閉症」との関連性についての論文が、1998年に英国医学誌『Lancet』に掲載されていたのですが、2月2日、同誌はこの論文を「誤りであった」として取り下げることを発表しました。(報道は2月2日のBBC newsなど。下記注参照)

 この論文は1998年2月28日発行の同誌に掲載されています。英国人の医師が、腸炎を発症している自閉症の児童12人の組織を調べ、自閉症の症状が出現する直前に受けたMMRワクチンとの関連を指摘しています。

 この論文の真偽をめぐり、10年以上の議論がおこなわれ、英国政府の諮問委員会は1月下旬に「研究は不誠実に(BBCの原文は”dishonestly”)おこなわれた」と判断し、これを受けた同誌が論文を取り下げることを決定したという次第です。

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 英国では、この論文によりMMRワクチンの副作用の不安が社会に広がり、その結果予防接種を控える親が増加し、麻疹(はしか)の流行が起こったこともあったそうです。

 MMRワクチンが日本で使われなくなったのは、おたふく風邪(ムンプス)のワクチンの副作用で無菌性髄膜炎が発症したという報告が相次いだからで、現在はこの成分を抜いたMRワクチン(はしかと風疹の混合ワクチン)が使用されています。

 今のところ『Lancet』のこの論文撤回の発表を受けて、日本でMMRワクチンが再開されることはないと思われます。

(谷口恭)

注:BBC NEWS 2010年2月2日 Lancet accepts MMR study ‘false’

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