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2010年4月28日(水) 東京都、子供の食物アレルギーが10年で倍増

 食物アレルギーの経験がある3歳児は5人に1人で、この10年で2倍以上に増加・・・。

 これは、東京都が3歳児を対象に実施しているアレルギー疾患に関する調査の結果です。厚生労働省によりますと、未就学児の大規模な定点調査で食物アレルギーの増加傾向が裏付けられたのは初めてだそうです。(報道は4月23日の毎日新聞、24日の日経新聞など)

 この調査は1999年から5年ごとに行われ、10月の3歳児健診で保護者に調査票を配布しているそうです。2009年は7,247人を対象に、ぜんそくや食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状について尋ね、2,912人(40.2%)から回答を得ています。

 調査の結果、食物アレルギーの症状が出たことがある子供は22%で、10年前(1999年)の調査の9%から2倍以上になっています。原因とみられる食べ物で最も多かったのは卵の71%で、以下、牛乳(27%)、小麦(10%)、いくら(9%)と続きます。症状は皮膚症状が9割を占めています。

 食べ物以外のアレルギー症状もこの10年で増加傾向にあり、アレルギー性鼻炎は8%から20%、ぜんそくが10%から18%と増加しています。

 一方、東京都は、都内の認可保育所、認証保育所、幼稚園の合計3,206ヶ所についても調査を実施しています(回答率65.2%)。食物アレルギーの乳幼児がいたのは回答した施設の68%に上りますが、食物アレルギー症状を起こした子供の対応マニュアルを持つ保育所や幼稚園は半数にとどまっているそうです。東京都は原因調査を続けるとともに「原因物質とどうつきあったらいいか、保護者にガイドブックなどを使って指導したい」としています。

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 未就学児の大規模調査は他にはないとのことですが、おそらく東京都以外の地域でも同様の結果がでるのではないでしょうか。

 日頃患者さんを診ている私の感想としては(といっても太融寺町谷口医院の患者さんのなかで未就学児は少ないですが)、食物アレルギーよりもアレルギー性鼻炎が増えているように感じます。以前は小学校に入学する前の鼻炎というのは大変珍しいという印象があったのですが、最近はそうでもなくなってきています。

 食物アレルギーがむつかしいのは、血液検査は参考程度にしかならないということ(例えば、コムギに陽性とでても必ずしもパンなどの小麦製品を食べてはいけないわけではありません)と、いつ制限をやめるかそのタイミングの見極めが困難、ということです。食物アレルギーをお持ちの親御さんは主治医としっかり相談するようにしましょう。

(谷口恭)

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