医療ニュース
2010年6月11日(金) 2009年のガンによる死亡数が過去最多
日本人の死因の第1位が「ガン」というのはもはや常識になっていますが、2009年の死亡者数が過去最多を記録したことが厚生労働省により発表されました。
同省の「2009年人口動態統計月報年計」によりますと、2009年の死亡数は 1,141,920人(前年より487人の減少)で、死因原因の1位であるガンによる死亡数は、343,954人(前年比991人増)となっています。ガンによる死亡数/全体の死亡数は、30.1%となります。
男女ごとのガンの部位をみてみると、男性で最多は「肺」で49,022人です。「胃」32,764人、「大腸」22,748人、「肝」21,631人と続きます。女性は最多が「大腸」で19,659人。「肺」18,546人、「胃」17,236人、「乳房」11,914人、「肝」11,083人、「子宮」5,523人と続いています。
前年と比べ減少したのは、男性の「胃」「大腸」「肝」、女性の「肝」「子宮」です。このうち、2年連続の減少となったのは男性の「胃」だけです。
また、上昇傾向が著しいのは男性の「肺」です。女性の「大腸」「肺」も上昇傾向にあります。
2007年に策定された国の「がん対策推進基本計画」では、放射線療法、化学療法の推進や、これらを専門的に行う医師などの育成、がん予防やがんの早期発見に向けた施策の推進などにより、がんによる死亡者を減少させることを目標に掲げています。今後ますますガン対策の議論が活発におこなわれることになるでしょう。
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ガンは1981年以降、一貫して死因順位の第1位となっています。
詳しくは、厚生労働省のホームページに掲載されています。(下記URL参照)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai09/index.html
ガンはこれからも増えることは間違いないでしょう。なぜ間違いないかというと、ガン以外の疾患の減少が予想されるからです。感染症が減り、例えば肺炎や結核で亡くなることが減り(抗生物質の効かない肺炎が問題になっていますが)、喫煙率の低下で循環器系疾患による死亡が減ることが予想されます。
ガンの治療は抗がん剤にしても放射線にしても高額な治療費がかかります。今後、増加し続ける医療費をどのように捻出するかという問題がさらにクローズアップされることになるはずです。
(谷口恭)
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