医療ニュース
2016年12月9日 コーヒー1日3杯以上で脳腫瘍のリスクが低下
ちょうど太融寺町谷口医院が開院した2000年代後半あたりから、コーヒーががんや生活習慣病の予防になるという研究が相次ぎ、このサイトでも繰り返し紹介してきました。今回も「コーヒーは健康に良い」という研究で、「1日3杯以上のコーヒーで脳腫瘍のリスクが低下する」というものです。
医学誌『International Journal of Cancer』2016年12月15日号(オンライン版)に日本人を対象とした研究が紹介されています(注1)。
対象者は合計106,324人の日本人の男女(男性50,438人、女性55,886人)です。約10年の調査期間中に脳腫瘍を発症したのは157人(男性70人、女性87人)でした。コーヒーと緑茶を飲む頻度を「週に4日以下」「1日1~2杯」「1日3杯以上」の3つのグループに分け、脳腫瘍のリスクが検討されています。
男女合わせたデータをみてみると、コーヒーを1日3杯以上飲んでいる人は脳腫瘍のリスクが0.47倍に下がっています。女性だけでみれば0.24倍とさらに低下しています。「神経膠腫」と呼ばれる脳腫瘍全体の約3分の1を占める悪性腫瘍だけでみてみても、コーヒー摂取量が多い人はリスクが0.54倍に低下しています。
尚、緑茶と脳腫瘍のリスクには相関関係が認められなかったそうです。
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脳腫瘍の予防にコーヒーを!とまでは言えないと思いますが、この研究はコーヒー好きには嬉しいものでしょう。脳腫瘍にも悪性と良性があります。先に述べた悪性の「神経膠腫」は脳腫瘍のなかで最も頻度が多いものですが、がん全体のなかではそれほど多いわけではありません。
脳腫瘍がやっかいなのは、予防する方法が確立されていないからです。胃がんならピロリ菌の除菌、肝がんなら肝炎ウイルスの治療、子宮頚がんならワクチンと定期健診、大腸がんなら生活習慣病の予防と治療、肺がんなら喫煙など、多くのがんには「〇〇には気を付けましょう」というものがあるわけですが、脳腫瘍にはそういったものはありません。いくら規則正しい生活を続けていようが、感染症に注意しようが起こるときは起こるのです。遺伝性があるわけでもありません。
そのような状況のなか、「コーヒーがリスクを下げられるかもしれない」という研究は興味深いと言えます。今後の研究にも注目したいと思います。
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注1:この論文のタイトルは「Coffee and green tea consumption in relation to brain tumor risk in a Japanese population」で、下記URLで概要を読むことができます。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ijc.30405/full
参考:
医療ニュース
2016年10月31日 認知症予防にはコーヒー?それとも緑茶?
2016年8月12日 加工肉はNGだがコーヒーはガンのリスクでない
2015年8月28日 コーヒーが悪性黒色腫を予防
2016年3月8日 コーヒーを毎日飲めば膀胱がんのリスクが低下
はやりの病気
第22回(2005年12月)「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」
など
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