医療ニュース
2015年5月8日 バンコクの飼い犬の4割が狂犬病のリスク
ゴールデンウィークにタイを訪れた人も少なくないと思いますが、動物に咬まれるということはなかったでしょうか。タイの英字新聞『The Nation』2015年4月23日(オンライン版)に興味深い記事が掲載されました(注1)。バンコクの飼い犬の4割が狂犬病のリスクがあるという報告が当局よりおこなわれたのです。
記事によりますと、現在バンコクには60万匹の飼い犬がいて、さらに約10万匹の野良犬が生息しているそうです。
当局は、WHOが2020年までに狂犬病を撲滅することを目標としていることを引き合いに出し、犬や猫を飼っている人はワクチン接種をさせるように呼びかけています。
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タイは一時期日本からの渡航者が減少しましたが、最近は再び増加に転じており、2015年1~3月は、毎月12万人前後の日本人が訪タイしています。(前年同月でみると2月は32%の増加、3月は16%の増加です)
タイに一度でも行ったことのある人なら分かると思いますが、道ばたに犬がだらしなくねそべっている光景はとても印象的です。日本では、犬といえば几帳面で働き者というイメージがありますが、タイではだらしない生き物の代表のように思えます。(これを日本人とタイ人の国民性になぞらえて語る人は少なくありません。タイ人には失礼ですが・・・)
その昼間はだらしなく寝そべっている犬たちは夜になると豹変します。私は以前、バンコク近郊のある県で車に乗っているときに大型の犬3匹に囲まれ吠えられたことがあります。このときは車の中にいましたから咬まれる可能性はなかったわけですが、それでもいくらかの恐怖を覚え、そして昼間のだらしなさとのギャップに驚かされました。
飼い犬の4割に狂犬病のリスクがあるということは、野良犬の場合は、ほとんどがウイルスを持っていると考えて行動すべきでしょう。
もちろん狂犬病に気をつけなければならないのはタイだけではありません。日本、英国、豪州以外のほとんどの国ではリスクがあります。海外渡航の前に(可能なら)ワクチン接種をしておくべきです。ワクチンをうっていない場合は、充分動物に気をつけて、もしも咬まれた場合は速やかに医療機関を受診しなければなりません。
注1:この記事のタイトルは「Bangkok pet owners warned of rabies danger」で、下記URLで本文を読むことができます。
http://www.nationmultimedia.com/national/Bangkok-pet-owners-warned-of-rabies-danger-30258549.html
参考:
はやりの病気第130回(2014年6月)「渡航者は狂犬病のワクチンを」
はやりの病気第40回(2006年12月)「狂犬病」
医療ニュース2015年4月27日「バリ島の狂犬病対策の是非」
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