医療ニュース

2008年4月3日(木) 悪玉コレステロールは少なすぎてもダメ!

 悪玉コレステロール(LDL)が高すぎると、脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなることは有名ですが、低すぎても問題があるという研究が報告されました。(報道は3月29日の毎日新聞)

 東海大学の研究者らがおこなった今回の研究では、神奈川県の住民約2万6千人が対象となり平均8.1年間の追跡がおこなわれています。対象者を悪玉コレステロールの値ごとに7つのグループにわけて、死亡率や死因との関係を調べています。

 その結果、男女とも、最も悪玉コレステロールの低いグループ(LDL 79mg/dL以下)が一番死亡率が高くなっています。男性では、年間死亡率が人口10万人あたり約3,400人と、死亡率が最も低いグループ(LDL 140-159mg/dL)の約1.6倍です。女性は、人口10万人あたり約1,900人で、死亡率が最も低いグループ(LDL 120-139mg/dL)の約1.3倍です。

 男女とも悪玉コレステロールの値が低いと、ガンや呼吸器疾患による死亡が増えて、全体の死亡率が高くなっています。

 一方、脳梗塞や心筋梗塞による死亡率をみてみると、男性ではLDL 180mg/dL以上になると死亡率が上昇していますが、女性はほとんど関係がないという意外な結果がでています。

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 これらの結果を踏まえると、男性は悪玉コレステロール(LDL)を140~159mg/dL程度に、女性は120~139mg/dL程度にするのが理想となります。また、女性は悪玉コレステロールが高くても気にしなくてもいいのかもしれません。

 現在の悪玉コレステロールの基準値は、70~139mg/dLとされていますから、今回の研究結果を尊重するなら、男女とももう少し高めに設定すべきなのかもしれません。

(谷口恭)

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