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2009年5月15日(金) お酒弱いのに飲酒・喫煙で食道ガンのリスク190倍

 食道ガンというのは、50から60歳代の男性に多いガンです。男性全体でみると、肺ガン、胃ガン、肝ガン、結腸ガン、膵臓ガンに次いで6番目に多いガンです。

 どういう人が食道ガンになりやすいかというと、飲酒や喫煙、さらに香辛料の強い食事も関係していると言われています。また、日本では奈良の山間部でよく発生することから茶粥のような熱いものを日頃から食べることが危険因子ではないかと言われることもあります。

 その食道ガンのなりやすさについて、「顔がすぐに赤くなるお酒に弱い体質の人が飲酒と共に喫煙をすると、飲酒も喫煙もしない人に比べて最大190倍もリスクが高くなる」との研究発表がおこなわれました。(報道は5月15日の読売新聞)

 お酒の弱い体質の人であっても、飲酒・喫煙をしなければ、食道ガンになるリスクは7倍程度にまで下がるようです。

 この研究は、食道ガンの患者1,070人と健常者2,832人を対象とし、約55万箇所の遺伝情報の違いを比較しています。その結果、発ガン性が指摘されているアセトアルデヒドからアルコールを作る酵素と、アセトアルデヒドを分解する酵素の2つが食道ガンのリスクに関連していることが判りました。

 これら2つの酵素の働きが弱い人が、1日缶ビール1本以上の飲酒と喫煙をおこなうと、相乗効果が働き、お酒に強く飲酒・喫煙をしない人に比べると、食道ガンになるリスクが190倍も高くなっていたようです。

 アセトアルデヒドはお酒で気分が悪くなる原因の物質で、タバコの煙にも含まれることが分かっています。顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドの分解能力が弱いためで、日本人の4割がこのタイプと言われています。

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 飲酒や喫煙が食道ガンのリスクになることは以前から明らかでしたが、体質によってはそのリスクが190倍にもなるということに驚きます。

 お酒が弱くアセトアルデヒドを上手く分解できない日本人は約4割、喫煙している日本人は男性で約4割、女性で1割強です。缶ビール1本くらいなら飲酒している人も多いでしょうから、今回の調査結果を深刻に受け止めるべき人は少なくないのかもしれません。

(谷口恭)

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