医療ニュース
2013年8月3日 土曜日
2008年3月12日(水) 中国湖南省、性別検査をした医師が処分に
”男女差別が最も顕著な国”といえばおそらく中国ではないでしょうか。
1979年に始まった、いわゆる”一人っ子政策”の影響で、子供は事実上1人しかもうけられないようになり、そのため特に農村部などでは貴重な労働力を確保するために男の子を生みたいという親が急増しました。
もちろんそのあおりを受けているのが女性です。女性として生まれると、社会から歓迎されないこととなり、そのため戸籍のない女性が中国の農村部では大勢いると言われています。
さて、そんな中国の湖南省で、307人の医師らが処分を受け、そのうち43人が公職を解かれていたことが明らかとなりました。
3月4日の共同通信によりますと、湖南省で、2005年以降、男の子の誕生を望む親の求めに応じて、超音波による性別検査や、女の子と判明した場合に人工中絶をしたりした307人の医師らが、規律違反で処分をうけたとのことです。
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ところで、自殺の男女比で、女性の自殺が男性の自殺を上回っている唯一の国が中国です。そして、この理由を男女差別が原因とする見方があります。
中絶の良し悪しは大変むつかしいテーマであり簡単に答えをだすことはできません。今回のように医師を罰しただけでは何の解決にもなっていません。「女性が住みやすい社会づくりを」と言うのは簡単ですが、実際に中国農村部の女性たちが住みやすい社会ができるのは当分先のことでしょう・・・。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年3月12日(水) イソフラボンで乳がん減少
大豆などに含まれるイソフラボンの一種「ゲニステイン」の血中濃度が高い女性は、低い女性に比べると、乳がんになる危険性が約3分の1になる・・・
厚生労働省の研究班がこのような発表をおこないました。(報道は3月7日の共同通信)
調査は、岩手、秋田、大阪など9府県の40~69歳の女性約2万5千人を平均10年半で追跡することによっておこなわれています。この間に乳がんになった144人と、ならなかった288人について、保存してあった血液の成分が比較されています。
血中のゲニステインの濃度で、対象を4グループに分けた結果、中央値が354ng/mLと最も多いグループは、約32ng/mLの最少のグループに比べて、乳がんの危険性が3分の1という結果がでています。尚、もう1つのイソフラボン「ダイゼイン」では同様の関連はみられなかったようです。
研究班によりますと、354ng/mLは、1日あたりイソフラボン約47mgを摂取した結果と推定され、これは豆腐なら約3分の1丁の100グラム、納豆なら約50グラムに相当するそうです。
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イソフラボンは、数年前からサプリメントとして市場に浸透しており、がん予防の目的で摂取している人は少なくないようです。
この点について、研究班は、「今回の調査は食事で摂取する場合のものであり、サプリメントなどの影響に関するデータはない」としています。
やはり、安易にサプリメントに頼るのではなく、きちんとした食事を心がける方がいいでしょう。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年3月18日(火) 中国の医薬品、副作用で毎年約20万人が死亡
中国の現地新聞によりますと、中国では、毎年約250万人の入院患者が国の検査に合格した薬品で副作用を起こし、そのうち約20万人が死亡していることを報じました。(このニュースは3月12日の共同通信が報道しています)
報道からは副作用が出現した薬の詳細は分かりませんが、過去2年間で有毒物質が混入した慢性胃炎などの治療薬により14人が死亡したことが報じられています。
現在、国家が薬害被害者に賠償金を支払うことが検討されているそうです。
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中国の人口の多さを考慮したとしても、毎年20万人が副作用で死亡というのは尋常ではないように思われます。
中国製のものは、食品だけでなく医薬品にも充分な注意が必要と考えるべきでしょう。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年3月18日(火) 寝過ぎでも寝不足でも糖尿病のリスクが増加
睡眠は長すぎても短すぎても糖尿病になりやすく、1日5時間未満では肥満になりやすい・・・
このような研究が日本大学公衆衛生学教室より発表され話題を呼んでいます。(報道は3月13日の日本経済新聞)
これまでも睡眠時間が短い人と長い人は死亡の危険性が高いことは知られていましたが、今回の研究では生活習慣病へのリスクが高まることが分かりました。
研究チームは、地域の健診データ(約1,000人分)や職場の健診データ(約22,000人)などを分析し、睡眠時間が6時間以上8時間未満で糖尿病のリスクが最も少なく、6時間未満や8時間以上ではリスクが3~5倍になるとの結果を出しています。
男性勤務者を対象とした調査では、睡眠時間5時間未満の人は、7年後に肥満になる危険性が5時間以上の人の1.2倍、さらに糖尿病になりやすいことも分かりました。また、太った人は、7年後に睡眠が5時間未満になる確率が、太っていない人の1.2倍であるとの結果もでています。
動脈硬化の原因となる脂質代謝異常(高脂血症)については、成人女性で、睡眠時間6時間以上7時間未満が最もリスクが少なく、5時間未満か8時間以上で増加しています。
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厚生労働省の国民健康・栄養調査によりますと、外食や欠食が多くストレスを感じる人ほど睡眠時間が短い傾向にあります。
どうやら、規則正しい食生活・運動に加え、適切な時間の睡眠が生活習慣病の予防には不可欠なようです。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年3月18日(火) またもや無許可医薬品からバイアグラ成分
3月12日の共同通信によりますと、京都市のアダルトショップが強精をうたって販売していた無許可医薬品「イーリーシンカプセル」から、バイアグラの主成分であるシルデナフィルが検出されています。
京都府は薬事法違反の疑いで、この医薬品を販売していたアダルトショップの捜査をすすめています。
「イーリーシンカプセル」は、中国の遼寧省瀋陽市で製造されているそうです。
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最近はこの手のニュースが珍しくなくなってきました。何か問題が起こっても誰も責任をとってくれないことになりますので購入前には充分注意をしましょう。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年3月18日(火) ホルモン補充療法は中止後も乳がんのリスクが残存
閉経後の女性に対するホルモン補充療法には、治療をやめてからもリスクが残るとの研究が発表され話題を呼んでいます。(発表は医学誌「The Journal of the American Medical Association」3月5日号に掲載され、これを3月4日のMedscapeが報じています)
ホルモン補充療法は乳がんのリスクが高くなることが分かっていますが、治療をやめた女性を約2年半追跡した調査から、乳がんのリスクは治療をやめたあとにも残存するとの結論がでています。さらに、複数の種類のガンについても、ホルモン補充療法未経験者よりリスクが高くなるようです。
しかしながら、ホルモン補充療法による心臓疾患や脳卒中のリスクは治療をやめると消失するとの結果がでています。また、股関節骨折や結腸直腸癌の予防効果については、治療をやめると失われてしまうようです。
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ホルモン補充療法には、更年期や閉経後のほてりやイライラといった症状をおさえる効果があることは広く知られています。しかしながら、様々な病気へのリスクが高くなり、さらに中止した後もリスクが残るのであれば使用には充分な注意が必要と考えるべきでしょう。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年3月25日(火) 米国、梅毒が7年連続で増加
3月13日のReuterによりますと、アメリカでは7年連続で梅毒の感染が増加していることが明らかとなりました。
感染者のなかでゲイ(男性同性愛者)と黒人の占める割合が増加していることも注目されています。
アメリカでは新たに梅毒に感染した人が2007年の一年間で11,181人となっています。このなかでおよそ6割がゲイです。1999年は、梅毒感染者のなかでゲイの占める割合が5%でしたから急激にゲイの間での感染が広がっていることになります。
全体の感染者数をみると、2006年から2007年で約12%の増加、2007年は人口10万人あたり3.7人となります。2000年には人口10万人あたり2.1人でしたから、2000年から2007年では76%の増加となります。
黒人だけでみてみると、男性では人口10万人あたり22人で25%の増加、女性では人口10万人あたり5人で12%の増加となっています。
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たしかに梅毒の感染者は日本でもゲイに多いような印象がありますが、ここ数ヶ月は、少なくとも関西では、女性とストレートの男性にも広がってきています。
梅毒の感染力は極めて強くコンドームを用いていても完全に防ぐことはできません。けれども早期発見であれば簡単に治すことができます。
気になる人は早めに受診しましょう。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年4月3日(木) ブラジルでデング熱と黄熱が大流行
3月31日の共同通信によりますと、現在ブラジルでデング熱と黄熱が大流行し、今年の死亡者はそれぞれ54人、20人となっています。
この事態を重視したブラジル政府は、軍500人を動員しウイルスを媒介する蚊の駆除を開始するようです。
デング熱による死亡者は確定の54人の他、疑われている死亡者が60人いるようです。
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デング熱というと、東南アジアのイメージが強いですが、南米でもときに猛威をふるうことがあります。デング熱だけならそれほど重症化しませんが、重症型のデング出血熱をきたすと致死率はかなり高くなります。
デング熱には今のところワクチンはありませんから、蚊に刺されないような予防をすることが大切です。
黄熱については、有効なワクチンがありますから、南米やアフリカを旅行される方は検討してみてはいかがでしょうか。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年4月3日(木) 悪玉コレステロールは少なすぎてもダメ!
悪玉コレステロール(LDL)が高すぎると、脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなることは有名ですが、低すぎても問題があるという研究が報告されました。(報道は3月29日の毎日新聞)
東海大学の研究者らがおこなった今回の研究では、神奈川県の住民約2万6千人が対象となり平均8.1年間の追跡がおこなわれています。対象者を悪玉コレステロールの値ごとに7つのグループにわけて、死亡率や死因との関係を調べています。
その結果、男女とも、最も悪玉コレステロールの低いグループ(LDL 79mg/dL以下)が一番死亡率が高くなっています。男性では、年間死亡率が人口10万人あたり約3,400人と、死亡率が最も低いグループ(LDL 140-159mg/dL)の約1.6倍です。女性は、人口10万人あたり約1,900人で、死亡率が最も低いグループ(LDL 120-139mg/dL)の約1.3倍です。
男女とも悪玉コレステロールの値が低いと、ガンや呼吸器疾患による死亡が増えて、全体の死亡率が高くなっています。
一方、脳梗塞や心筋梗塞による死亡率をみてみると、男性ではLDL 180mg/dL以上になると死亡率が上昇していますが、女性はほとんど関係がないという意外な結果がでています。
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これらの結果を踏まえると、男性は悪玉コレステロール(LDL)を140~159mg/dL程度に、女性は120~139mg/dL程度にするのが理想となります。また、女性は悪玉コレステロールが高くても気にしなくてもいいのかもしれません。
現在の悪玉コレステロールの基準値は、70~139mg/dLとされていますから、今回の研究結果を尊重するなら、男女とももう少し高めに設定すべきなのかもしれません。
(谷口恭)
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|2013年8月3日 土曜日
2008年4月7日(月) 米国、9万人の乳児が虐待
米国で初めての乳児虐待の実態報告がおこなわれ話題を呼んでいます。
2006年度(2005年10月から2006年9月)に、1歳未満の乳児の約2.3%に相当する91,278人が親などから虐待を受けたと発表されました。(発表はCDC(疾病管理局)の週報、報道は4月4日の共同通信)
さらに、生後1週間未満の被害が約3万人と全体の3分の1を占めていることも注目に値します。
CDCは、児童保護関連施設からの報告例を集計しています。虐待の内容は、殴るける、激しく揺さぶるなどの「肉体的加害」、食事や衣服や必要な医療を与えないなどの「放置」に分類されています。
生後1週間未満の乳児に対する虐待の内訳は、「放置」が69%、「肉体的加害」が13%、残りがこれらの複合型となっています。
CDCの専門家は「親が薬物を使用していると虐待の危険性が極めて高くなる。生後間もなくは親にストレスのかかる時期で、特に注意が必要だ」と指摘しています。
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日本でも薬物に依存している親は少なくないでしょう。さらに、アルコール依存を加えるとその数は何倍にもなるはずです。
日本での同じような報告を私は見たことがありませんが、「生後間もなくは親にストレスがかかる」のは日米で変わりないはずです。個人的には、「子供を助ける」だけでなく「親のストレスを社会がサポートする」ことが大切だと考えています。
(谷口恭)
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