医療ニュース
2014年4月28日 月曜日
2014年4月28日 豆類がコレステロールを下げる
「まごわやさしい」というのは、愛媛大学の吉村裕之医師が提唱された健康にいい食事の覚え方です。簡単に解説しておくと、ま(マメ)、ご(ゴマ)、わ(ワカメ)、や(野菜)、さ(魚)、し(しいたけ)、い(イモ)をバランスよく食べることが健康につながる、というものです。
食事に関する最近の流行りは「糖質制限」で、一部の患者さんは、あたかも糖質を「毒」のように考えていて、いかに食事から糖質を除去するかに躍起になっていて驚かされます。糖質制限はたしかにダイエットにも糖尿病にも効果がありますが、極端な制限は危険であり、いったん成功した人も長続きせずに元の木阿弥に・・・、ということも少なくありません。
一方、「まごわやさしい」のようにバランスよく身体にいいものを食べるという方法には危険性がありませんし、長続きさせることも可能です。「まごわやさしい」は、伝統的な和食から摂取できるものばかりですし、実際に提唱者の吉村医師はそれを主張されているそうです。
2013年12月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により和食が「無形文化遺産」に登録されました。これは日本人としてもちろん喜ばしいことでありますが、最近の世界の医学界では日本料理が<健康食>ともてはやされたのはすでに過去の話であり、現在ではそれほど注目されていないような印象が私にはあります。
そして日本料理よりもずっと健康であると位置づけられているのが地中海料理です。その地中海料理についてはいずれ詳しく取り上げたいと思いますが、ここでは、和食と同様に材料に「ごまわやさしい」が豊富に使われていることと、ナッツ(豆類)については日本料理以上に使われていることを指摘しておきたいと思います。
前置きが長くなりましたが、今回お伝えしたいのは「豆類がコレステロールを下げる」ということです。
医学誌『Canadian Medical Association Journal』2014年4月7日(電子版)に掲載された論文(注1)に豆類がコレステロールを下げるという研究結果が掲載されています。もっとも、豆類のコレステロール低下効果については以前から指摘されていました。今回の研究では、過去に豆類摂取とコレステロール低下について調査された研究を総合的に分析(メタ分析)することにより検証がおこなわれています。
研究者は、これまでに発表されている合計26件の疫学調査を分析しています。対象者は合計1,037人です。豆類を摂取したグループ(摂取量の中央値は130グラム/日)は、摂取しなかったグループに比べてLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値が有意に低下していたそうです。グループ間でのLDLコレステロールの差は平均で6.58mg/dL(0.17mmol/L)だったそうです。
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豆やナッツは油分が多いので太るとか肌荒れをするとか言う人がいますが、おそらくこれらは都市伝説のようなものではないかと私はみています。少なくとも私自身は豆やナッツで肥満になるとか肌荒れを起こすとかいった科学的な論文をみたことがありません。しかし、アーモンドやピーナッツを食べ過ぎると翌日に必ず肌荒れをおこす、という人はけっこう多い印象があります・・・。
コレステロールを下げるには「スタチン」と呼ばれるグループの薬を使うのが最も一般的な方法で、副作用がないわけではありませんがスタチンの有用性はかなり社会に浸透してきており、欧米ではまだコレステロールが高くない人も予防的に内服すべきではないか、という議論もある程です。(いずれスタチンについても詳しく取り上げたいと思います)
しかし、スタチンがいくら安全で有用性の高いものであったとしても、食事でコレステロールを安定させることの方が重要なのはあきらかでしょう。日本料理でも地中海料理でも豆類やナッツを積極的に加えてみてはどうでしょう。
(谷口恭)
注1:この論文のタイトルは「Effect of dietary pulse intake on established therapeutic lipid targets for cardiovascular risk reduction: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials」で、下記のURLで概要を読むことができます。ちなみに「豆」の英語は一般的にはbeanを使いますが、「豆類」というときには(dietary) pulseと言います。私は以前このことを知らなくてpulseを「脈拍」もしくは「パルス療法(薬剤を大量の投与する治療法)」のことと思い込んで論文がまるで理解できなかったことがあります。
http://www.cmaj.ca/content/early/2014/04/07/cmaj.131727
参考:
医療ニュース2014年1月6日「ナッツを毎日食べると健康で長生き」
メディカルエッセイ第133回(2014年2月)「スタチンの功罪とリンゴのことわざ」
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|2014年4月14日 月曜日
2014年4月14日 妊婦・授乳婦・乳児のマクロライド系抗菌薬のリスク
前回は、妊婦さんがアセトアミノフェンを服用すると生まれてくる子どものADHDのリスクが上がるかもしれない、という研究結果をお伝えしましたが、今度は抗生物質(抗菌薬)のリスクについて最近発表された研究を紹介したいと思います。
妊婦や授乳婦、乳児がマクロライド系抗菌薬を使うと、幽門狭窄症に罹患するリスクが上昇する・・・
医学誌『British Medical Journal』2014年3月11日号(オンライン版)(注1)にこのような研究が報告されました。幽門狭窄症とは、胃の出口(十二指腸の手前)の筋肉が肥厚して内腔が閉塞し、食べたものがつまってしまう疾患です。食後の嘔吐で発覚されることが多く、徐々に進行することもあれば突然発症することもあります。治療は、飲み薬で治ることもありますが、手術になることが多いといえます。
研究では、1996年から2011年に出産した母親999,378人とその子どもが対象とされ、マクロライド系抗菌薬の使用と幽門狭窄症発症との関係が調べられています。これらの母親のうち30,091人(3.0%)が妊娠中に、21,557人(2.2%)が出産から分娩120日までにマクロライド系抗菌薬を使用し、6,591人(0.6%)の乳児が生後120日までに投薬されていたそうです。
妊婦・授乳婦・乳児のリスクは次のようになったそうです。数字は、マクロライド系抗菌薬を使わなかった場合に比べて幽門狭窄症に罹患するリスクが何倍になるかを示しています。
<乳児>
・生後0~13日に使用 29.8倍
・生後14~120日に使用 3.24倍
<授乳婦>
・分娩0~13日の使用 3.49倍
・分娩14~120日後の使用 リスクなし
<妊婦>
・妊娠0~27週の使用 1.02倍
・妊娠28週から分娩までの使用 1.77倍
この研究の対象となった母子に使われたマクロライド系抗菌薬は、エリスロマイシン、アジスロマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、スピラマイシンだったそうで、最も多く使われたのはエリスロマイシンだったそうです。
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抗菌薬は使わないに超したことはなく、ウイルス性の感冒ではもちろん使いませんし、細菌性のものであっても重症でなければ使うべきではありません。しかし、どうしても使わざるをえないケースもあります。例えば、乳児が百日咳に罹患すると、咳が重症化し呼吸が止まることもありますから抗菌薬が必要になります。百日咳にはマクロライドがよく効きますからこの場合は使わざるを得ないでしょう。百日咳はワクチンで防げる病気ですが、第1回目のワクチン接種は生後3ヶ月以降になります。
妊婦さんでときどき問題になるのが、クラミジア子宮頚管炎が妊婦健診などで発覚する場合です。地域にもよりますが、若い妊婦さんの10%近くが妊婦健診でクラミジアが発覚するという報告もあるくらいですから、決して珍しい感染症ではありません。そして、クラミジア子宮頚管炎が見つかった場合、マクロライド系抗菌薬を使わざるをえません。(クラミジアに有効で、かつ妊婦さんに使える抗菌薬はマクロライド系しかありません)
妊婦さんがクラミジア子宮頚管炎に罹患した場合、早期破水や早産のリスクになることが知られていますし、そもそもクラミジアという細菌が多数増殖した子宮のなかで赤ちゃんを育てるべきでないのは自明でしょう。しかし一方で、治療薬であるマクロライド系抗菌薬を用いると幽門狭窄症のリスクにつながる、というわけです。もちろん、一番いいのは妊娠する前にきちんと検査を受けておくことです。
(谷口恭)
注1:この論文のタイトルは「Use of macrolides in mother and child and risk of infantile hypertrophic pyloric stenosis: nationwide cohort study」で、下記のURLで全文を読むことができます。
http://www.bmj.com/content/348/bmj.g1908
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|2014年4月4日 金曜日
2014年4月4日 妊娠中のアセトアミノフェンがADHDを招く?
妊婦さんが風邪をひいて受診、妊婦さんが耐えられない頭痛で受診、ということは太融寺町谷口医院でもよくあるのですが、妊婦さんに対する薬にはいくら注意してもしすぎることはありません。妊婦さんに薬を処方することもありますが、「絶対に何も問題がありません」と言って出せる薬はありません。妊婦さんに処方することのある薬も、伝統的に妊婦さんにも使われていて特に副作用の報告がないようなものに限られます。
風邪をひいたときの発熱や咽頭痛に、あるいは慢性の頭痛や関節痛のある妊婦さんに処方できる薬といえばアセトアミノフェンになります。アセトアミノフェンは新生児にも使うことがありますし、あらゆる解熱鎮痛剤のなかでもっとも安全だと言われています。(アセトアミノフェンの詳細については下記コラム「鎮痛剤を上手に使う方法」を参照ください) アセトアミノフェン以外では漢方薬を用いることもありますが、インフルエンザを含む風邪症状によく用いる麻黄湯は動悸を生じることがあるため、妊婦さんには少し処方しにくいと言えます。葛根湯あたりであれば比較的処方されやすいですが、それでも動悸などの副作用がないわけではありません。
そのアセトアミノフェンについて、妊婦さんが内服すると出生児がADHD(注意欠陥多動性障害)を発症するリスクが上昇するという研究が米国UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のZeyan Liew氏らによりおこなわれ、医学誌『JAMA Pediatr』2014年2月24日(オンライン版)(注1)に掲載されました。
この研究は、デンマークの周産期母児合併症に関する調査(Danish National Birth Cohort)に参加した合計64,322人の妊婦さんが対象です。妊娠中のアセトアミノフェン内服と、出生児のADHDリスクとの関連性が検討されています。
調査の結果、まず妊婦さんの半数以上(56%)がアセトアミノフェンを妊娠中に内服していたことが判りました。妊娠中にアセトアミノフェンを内服していた場合、内服していなかった場合に比べて、子どもがADHDの診断を受けたり、薬物療法が開始されたりする割合が有意に高かったようです。(具体的には、出生児が多動性障害(hyperkinetic disorder、HKD)と診断されるリスクが1.37倍、ADHDの薬物療法が開始されるリスクが1.29倍、7歳の時点でADHDを疑う問題行動を生じるリスクが1.13倍とされています)
また、妊婦さんがアセトアミノフェンを内服した期間が長いほど、内服量が多いほど、これらのリスクは上昇したそうです。
このような結果に対し、研究者らは、アセトアミノフェンが胎盤関門を通過できることを指摘し、アセトアミノフェンに内分泌攪乱作用があり、性ホルモンや甲状腺ホルモンといった母体から分泌されるホルモンに影響を与えるのではないか、あるいはアセトアミノフェン自体が何らかの神経毒性があるのではないか、と考察しています。そして、「アセトアミノフェンを妊娠中の安全な薬と考えるべきではない」と述べています。しかし同時に、「さらなる研究が必要である」とも述べています。
この研究に対し、英国ウエールズのCardiff UniversityのMiriam Cooper氏は、同じ医学誌にコメントを載せています(注2)。Cooper氏は、妊娠中のアセトアミノフェンと神経発達異常との関連性について否定はしていませんが、「因果関係を断じるには時期尚早であり、現時点で臨床を変えてはならない、つまり、慎重さは必要だが従来通りアセトアミノフェンを必要な症例においては使用すべき」、という見解を述べています。
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激しい痛みや高熱を我慢すれば、その我慢が母体にストレスを与え胎児に影響を及ぼす可能性が出てきます。もちろん薬は安易に使うべきではありませんが、内服するメリットと薬の副作用のリスクをよく考えた上で、必要と判断されれば使うべきです。
今後のさらなる研究を待ちたいと思います。
(谷口恭)
参考:メディカルエッセイ第97回(2011年2月)「鎮痛剤を上手に使う方法」
注1:この論文のタイトルは「Acetaminophen Use During Pregnancy, Behavioral Problems, and Hyperkinetic Disorders」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1833486&resultClick=3
注2:この論文(論評)のタイトルは「Antenatal Acetaminophen Use and Attention-Deficit/Hyperactivity DisorderAn Interesting Observed Association But Too Early to Infer Causality」で、下記URLで一部を読むことができます。
http://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1833483&resultClick=3
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|2014年3月31日 月曜日
2014年3月31日 ビタミンCやEの摂りすぎで膝を悪くする
日本人はビタミン剤が大好きですが、なかでもビタミンCとビタミンEは「抗酸化作用」という言葉が一人歩きして、若さを維持できる、と思っている人がいまだに少なくないような印象があります。ビタミンEについては、最近は有害性がしばしば指摘されるようになり、以前に比べるとやみくもに摂取する人は減っているようですが、ビタミンCは依然人気があります。若さを維持する、だけでなく膝などの関節にもいいとする説が流布されており、たしかにそのようなことを主張する医学的意見が過去にあったのも事実です。しかし、最近次のような研究が発表されました。
ビタミンCとビタミンEの摂りすぎは、膝にいいどころか、むしろ変形性膝関節症のリスクを増大させる・・・
これは医学誌『Osteoarthritis and cartilage』2014年2月9日(オンライン版)に掲載された研究結果(注1)です。
この研究はUCSF(米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校)の研究者らが、多施設共同変形性関節症研究(Multicenter Osteoarthritis Study、MOSTと呼ばれます))の参加者(男女合計3,026人)を対象として、変形性膝関節症の発症とビタミンC及びビタミンEの血中濃度との関係を調べています。
研究開始時に変形性膝関節症がなかった対象者を分析した結果、ビタミンCの血中濃度が最も高いグループは、最も低いグループに比べ、変形性膝関節症の発症率が有意に高かったようです。ビタミンEについても同様の結果が出ています。
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この研究では、ビタミンCとビタミンEの摂取量を血中濃度で調べています。したがって摂取方法は、食事からの摂取なのか、サプリメントから摂ったのか、あるいは注射からなのか、といったことが分かりません。
冒頭でも述べましたが、ビタミンCやビタミンEの効果を盲目的に信じて驚く程多量のサプリメントを摂っている人がいます。水溶性だから摂りすぎても大丈夫、と言われていたビタミンCの有害性も最近は指摘されるようになってきており、この研究もその一例になると思います。
現代でもビタミンが不足している人は皆無とまではいえませんが、通常の食事をしていればビタミン不足になることはまずありえません。いずれ改めて述べたいと思いますが、ビタミンのサプリメントはほとんどの人が摂るべきではないと私は考えています。
(谷口恭)
注1:この論文のタイトルは「High plasma levels of vitamin C and E are associated with incident radiographic knee osteoarthritis」で、下記URLで概要を読むことができます。
http://www.oarsijournal.com/article/S1063-4584%2813%2901013-3/abstract
参考:医療ニュース
2014年1月28日「やはりビタミン・ミネラルのサプリメントは利益なく有害」
2011年11月14日「ビタミンEの発ガンリスク」
2012年3月13日「ビタミンE過剰摂取で骨粗しょう症に」
2011年8月26日「ビタミン剤で発ガンのリスク上昇」
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|2014年3月30日 日曜日
2014年3月30日 禁煙は心の健康にも有効
ここ数年で、禁煙をおこなう人が急増し、医療機関での禁煙治療も随分普及してきています。基本的にほとんどの医師は、”ほとんどすべての”患者さんに禁煙をすすめています。今私が、”すべての”でなく”ほとんどすべての”としたのは、禁煙を必ずしもすすめていないケースも医師によってはあるからです。
それは精神疾患を有している患者さんの場合です。精神疾患がある人に対する禁煙治療については意見が分かれるのです。最近では、禁煙すべき、という意見が増えてきてはいますが、例えば大病院のなかには、一般病棟は全面禁煙だけれども精神科病棟のみは喫煙室があるようなところもありますし、精神科専門病院では全面禁煙にしているところの方が今でも少ないのではないかと思われます。この理由は「精神症状の緩和に喫煙が役立っている」という意見があり、また「禁煙治療をおこなうことで精神症状が悪化する可能性」を指摘する声があるからです。
しかしながら、禁煙は、心疾患や悪性腫瘍のリスクを下げるだけでなく、どうやら精神症状をも改善してくれるようです。
禁煙すると、喫煙を続けた場合に比べ、うつ症状や不安症状、ストレス症状が有意に軽減し、肯定的な感情や精神的なQOLが有意に向上する・・・。
これは医学誌『British Medical Journal』2014年2月13日号(オンライン版)に掲載された研究結果です(注1)。
この研究は、これまでに公表された禁煙と精神状況に関する合計26個の研究を総合的に解析(メタ解析)することによっておこなわれています。対象集団は、一般人口に加え、慢性の身体性疾患を有する人、精神疾患を有する人も含まれています。年齢の中央値は44歳で性別は男性48%です。平均喫煙本数は1日あたり20本で、ニコチン依存度は中等度とされています。
その結果、禁煙をおこなったグループでうつ症状や不安症状が有意に改善し、肯定的な感情が芽生えやすくなり、精神的なQOLの向上につながったそうです。さらに、抑うつ症状や不安症状を有している人が禁煙すると、抗うつ薬を用いたときと同等かそれ以上の効果がある、と研究者らは述べています。
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さて、では問題はどのように禁煙をしていくかですが、承認されている禁煙補助薬で成功率の高いチャンピックス(一般名はバレニクリン)を考えたいところです。ただし、精神症状を有している人に対する禁煙治療は上にも述べたように反対意見があるのも事実です。
しかし最近は、精神症状を有する症例へのチャンピックスを用いての禁煙治療を推進するような研究発表が増えてきています。例えば、医学誌『Biological Psychiatry』2011年2月8日(オンライン版)(注2)では、チャンピックスを内服しても精神症状が悪化しないという結論が導かれていますし、医学誌『British Medical Journal』2013年10月11日号(オンライン版)(注3)にも、チャンピックス内服で自殺のリスクは増えないという研究結果が掲載されています。
太融寺町谷口医院では、他院(精神科)で抗うつ薬などを処方されている患者さんが禁煙治療目的で受診されたときは必ずその精神科の主治医に、チャンピックスを用いての禁煙治療をおこなっていいかどうかの確認をとるようにしています。以前は「禁煙治療は望ましくない」と言われることもあったのですが、ここで紹介した研究の影響もあるのかどうかは分かりませんが、ここ1年間くらいは積極的に禁煙治療を推奨する精神科医が増えてきているような印象があります。
(谷口恭)
注1:この論文のタイトルは、「Change in mental health after smoking cessation: systematic review and meta-analysis」で、下記URLで全文を読むことができます。
http://www.bmj.com/content/348/bmj.g1151
注2:この論文のタイトルは、「A Double-Blind Randomized Placebo-Controlled Pilot Study of Neuropsychiatric Adverse Events in Abstinent Smokers Treated with Varenicline or Placebo」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.biologicalpsychiatryjournal.com/article/PIIS000632231001276X/abstract
注3:この論文のタイトルは、「Smoking cessation treatment and risk of depression, suicide, and self harm in the Clinical Practice Research Datalink: prospective cohort study」で、下記のURLで全文を読むことができます。
http://www.bmj.com/content/347/bmj.f5704
参考:
トップページ 禁煙外来
はやりの病気第66回 2009年2月号 「メンソールの幻想と私の禁煙」
はやりの病気第56回 2008年4月号 「ついに登場! 飲む禁煙薬」
はやりの病気第32回 2006年5月第2週号「そろそろ本格的な禁煙を!① 」
はやりの病気第33回 2006年6月第1週号「そろそろ本格的な禁煙を!② 」
はやりの病気第34回 2006年6月第2週号「そろそろ本格的な禁煙を!③(最終回)」
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|2014年3月17日 月曜日
2014年3月17日 AGAにはプロペシアよりアボルブが有効?
現在AGA(男性型脱毛症)の治療に最も多く使われているのはプロペシアですが、数年前よりアボルブの方が有効ではないのか、という議論があり、最近興味深い研究が報告されましたので紹介したいと思います。
しかしその前にこの「アボルブ」について簡単にまとめておきたいと思います。アボルブは2009年に「前立腺肥大症の治療薬」として国内で処方できるようになった薬です。前立腺肥大症の薬には様々なものがありますが、アボルブは5αリダクターゼ阻害薬と呼ばれるものです。ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが前立腺肥大に関与していることがわかっており、5αリダクターゼ阻害薬はこのホルモンの合成を抑制するのです。
一方で、プロペシアも5αリダクターゼ阻害薬(注1)です。しかしプロペシアは初めからAGAの治療薬として開発され承認されたものであり、前立腺肥大症の薬としては承認されていません。その反対に、アボルブは前立腺肥大症に対して承認されているものでAGAに対しては承認が取得されていません。
しかし当局に「承認」されるかどうかというのは社会的な課題であり、AGAや前立腺肥大症に悩んでいる人たちからすれば、「承認なんてどうでもいいから効く方を処方してくれ」となるのは当然でしょう。
さて、プロペシアとアボルブのどちらがAGAに効くかというのは以前から研究者の間でも関心が持たれていました。小規模の比較検討しかなかったなかで、2006年に比較的大規模な研究結果が医学誌『Journal of the American Academy of Dermatology』に発表されました(注2)。この研究では合計416人の男性が、フィナステリド(プロペシアの一般名)5mg、デュタステリド(アボルブの一般名)0.05mg、0.1mg、0.5mg、2.5mg、プラセボ(偽薬)のいずれかに振り分けられ発毛の効果が比較検討されています。結果は、デュタステリド2.5mgが有意にフィナステリドより効果があった、というものでした。
ただ、この研究が残念なのが、デュタステリドが2.5mg、フィナステリドが5mgでの検討であるということです。実際の製品のアボルブは0.5mg、プロペシアは1mgです。これでは、アボルブがプロペシアより有効と断定することはできません。
同じ医学誌『Journal of the American Academy of Dermatology』2014年1月10日号(オンライン版)(注3)に、(私が知る限り)初めてのプロペシアとアボルブのAGAへの有効性を比較検討した大規模研究が報告されました。
この研究では合計917人の20~50歳の男性が、デュタステリド0.02mg、0.1mg、0.5mg、フィナステリド1mg、プラセボ(偽薬)のいずれかに振り分けられ半年後(24週後)に効果判定がおこなわれています。
結果は、デュタステリド0.5mg(つまりアボルブと同じもの)がフィナステリド1mg(プロペシアと同じもの)よりも有意に発毛効果があった、というものです。毛髪数、髪の太さのいずれもが有意に増大し、写真での評価もより改善していたそうです。また、副作用は同程度であったようです。
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この研究結果を受けて、現在プロペシアを服用している人のなかにもアボルブへの変更を希望する人が増えてくることが予想されます。アボルブの販売元のグラクソ・スミスクライン社は現時点ではAGAの承認を取得する予定はないそうですが、AGAで悩んでいる人たちのなかには、承認が取れているかどうかは関係ないと考える人もいるに違いありません。実際、太融寺町谷口医院の患者さんのなかにも2~3年前から、「プロペシアでなくアボルブを処方してほしい」という患者さんが少しずつ増えてきています。
(谷口恭)
参考:薄毛・抜け毛を治そう
Q6 アボルブがプロペシアよりもいいって聞いたんですが・・・
注1:もう少し詳しくいえば、5αリダクターゼには1型と2型があり、プロペシアは5αリダクターゼの2型のみ阻害しますが、アボルブは1型にも2型も作用します。
注2:この論文のタイトルは「The importance of dual 5α-reductase inhibition in the treatment of male pattern hair loss: Results of a randomized placebo-controlled study of dutasteride versus finasteride」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.jaad.org/article/S0190-9622%2806%2901287-4/abstract
注3:この論文のタイトルは「A randomized, active- and placebo-controlled study of the efficacy and safety of different doses of dutasteride versus placebo and finasteride in the treatment of male subjects with androgenetic alopecia」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.jaad.org/article/S0190-9622%2813%2901171-7/abstract
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|2014年3月3日 月曜日
2014年3月3日 麻疹(はしか)が増加中
昨年(2013年)と2012年は風疹が増加し、マスコミの報道や、行政が妊婦さんやその配偶者にワクチン接種の補助をおこなったことなどもあり、社会的な関心が高まり、抗体検査やワクチン接種をおこなう人が増えました。
一方、世間の関心が非常に低くなっているのが麻疹(はしか)です。麻疹は2007年に国内で流行し、修学旅行でカナダに旅行中の高校生が発症しカナダ当局により学生と教師が隔離されるという出来事があり、また米国では日本から遠征に来ている男子生徒が麻疹の感染源になっていることをCDCが公表し随分と問題になりました。世界中から「日本は麻疹の輸出国」と嘲笑され、日本の行政も麻疹のワクチンをきちんと接種するよう広く呼びかけました。(ちなみに先進国で麻疹が流行するような国は他にはなく、韓国では2006年にWHO(世界保健機構)から「麻疹撲滅国」と認定されています)
私の印象でいえば2009年の年明けくらいまではまだ麻疹に対する社会的関心はありましたが、ちょうど新型インフルエンザが流行りだした頃からピタッとなくなりました。太融寺町谷口医院でも、その頃から麻疹のワクチンを希望する人が激減していました。
風疹がじわじわと広がりだし、風疹ワクチンが底をつくと「MRワクチン」の需要が増え出しました。MRワクチンというのは麻疹と風疹の混合ワクチンであり双方に効果がありますから大変有用なものなのですが風疹単独ワクチンに比べて値段が高いのがネックになります。しかし風疹単独ワクチンがない状態であればMRワクチンを接種するしか風疹を防ぐ方法はありません。「麻疹も同時に防げるならMRワクチンの方がいいですね」と話す人もいましたが、大半の人は「風疹だけでいいんだけれどMRワクチンしかないなら高くても仕方ないですね」という感じでMRワクチンを”仕方なく”接種していたのです。
2013年秋頃より、長らく生産が追いついていなかった風疹ワクチンの供給が再開されました。すると再開されたとたんにMRワクチンの需要はすっかりと鳴りを潜め、谷口医院では風疹ワクチンを希望する人の半数以上が風疹単独ワクチンを選んでいます。
さて、前置きが長くなりましたが、現在麻疹が再び増加傾向にあるようです。国立感染症研究所の2014年2月7日のレポート(注1)によりますと、海外での感染が推定される輸入例が増加しているそうです。2013年11月25日から2014年1月26日の国内における麻疹報告数は61例で、前年同時期の26例と比べると2.3倍に増加しています。
61例の内訳をみてみると、感染者は男性32例女性29例で、輸入例が24例です。輸入元の内訳は、フィリピンが17例と最多、スリランカ2例、インドネシア2例で、グアム、インド、オーストラリアが1例ずつです。このうち、グアムとオーストラリアは国民全員がワクチン接種を適切にしているはずですから、観光客からの感染の可能性が強いでしょう。
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日本には「麻疹のようなもの」という慣用句があり、意味は「誰でも経験するささいなこと」といった感じです。しかし、実際には麻疹というのは死亡することもありますし、SSPEと呼ばれる認知症や植物状態となる大変やっかいな合併症もあります。(詳細は下記はやりの病気第46回を参照ください)
日本は多くの感染症でワクチン接種率が低いことがよく指摘されます。麻疹もその代表ですが、麻疹の場合は、単に国民の意識が低いからというだけでなく、この悪しき慣用句のせいで軽症のイメージが日本人の潜在意識にすり込まれているのではないか、と私はみています。
麻疹はワクチン接種(2回接種)をして抗体をつくっておけば100%防げる感染症です。ワクチンを2回接種していない人や不明な人は、一度抗体検査をしておくべきでしょう。
(谷口恭)
注1:このレポートは下記URIで読むことができます。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc/656-infectious-diseases/disease-based/ma/measles/idsc/idwr-topic/4359-idwrc-1404.html
参考:はやりの病気
第46回(2007年6月)「はしかの予防接種率はなぜ低いのか」
第119回(2013年7月)「VPDを再考する」
第109回(2012年9月)「これからの風疹対策」
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|2014年2月28日 金曜日
2014年2月28日 高齢女性の座りっぱなし、死亡リスクが上昇
数年前から、「長時間の座りっぱなしは生活習慣病の危険因子となり死亡リスクを上昇させる。そしてこの弊害は運動をしても解消されるわけではなく、危険性は喫煙に匹敵する」ということがしばしば指摘されています。
今回紹介する研究も似たような結論が導かれています。医学誌『American Journal of Preventive Medicine』2014年2月号(オンライン版)に掲載された論文(注1)によりますと、座って過ごす時間が長い高齢女性は、活動的な女性に比べ、早期死亡のリスクが有意に高いそうです。
この研究の対象は米国の閉経後の女性92,334人です。対象者は調査開始時点で50~79歳であり追跡期間の中間値は12年です。座りっぱなしで「非活動の時間」(注2)が、①4時間以下、②4~8時間、③8~11時間、④11時間以上の4つのグループに分けて死亡リスクが検討されています。
分析した結果、④の1日11時間以上座っている女性は、①の4時間以下の女性に比べると、全原因による死亡リスクが12%高いということが判ったそうです。疾患ごとにみてみると、脳血管疾患、心疾患、ガンによる死亡率が、それぞれ13%、27%、21%高かったようです。
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この研究でも、定期的な運動をしていたとしても長時間座りっぱなしのリスクを帳消しにはしてくれない、といったことが述べられています。これまで発表されている座りっぱなしが危険であることを示す研究は比較的大規模のものが多く、座りっぱなしが早期死亡のリスクになることはほぼ間違いないでしょう。我々ひとりひとりの対策が必要になります。
(谷口恭)
注1 この論文のタイトルは「Sedentary Behavior and Mortality in Older Women」で、下記URLで概要を読むことができます。
http://www.ajpmonline.org/article/S0749-3797%2813%2900594-1/abstract
注2:原文ではsedentary timeとされています。
参考:
メディカルエッセイ第129回(2013年10月)「危険な「座りっぱなし」」
医療ニュース2013年4月2日「座りっぱなしの生活がガンや糖尿病のリスク」
医療ニュース2010年7月30日「座っている時間が長い人は短命?」
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|2014年2月28日 金曜日
2014年2月28日 ビタミンDのサプリメントに有益性なし
ビタミン剤のサプリメントは健康にいいどころか危険性が多く、安易に使用されるべきでないことが指摘されるようになってきていますが(それでもいまだに過剰な宣伝は一向におさまらず使用者は多いようです・・・)、そのビタミン剤のなかで比較的有益ではないか、とされていたのがビタミンDです。
しかしそのビタミンDへの期待も”幻想”に過ぎなかったようです。
医学誌『Lancet Diabetes & Endocrinology』2014年1月24日号(オンライン版)に掲載された論文(注1)によりますと、ビタミンDのサプリメントによる健康上の有益性はほとんどないそうです。
この研究はニュージーランド、オークランド大学のMark J Bolland氏らによっておこなわれています。研究者は、これまでに発表されたビタミンDのサプリメントの効果を評価した複数の調査を総合的に分析(メタ分析)し、ビタミンDの有益性を改めて検討しています。
分析の結果、虚血性心疾患(患者総数48,647例)、脳血管障害(患者総数46,431例)、ガン(患者総数48,167例)、骨折(患者総数76,497例)におけるビタミンDのサプリメントの効果は、カルシウムの併用をしていてもしていなくても、有意な効果は認められなかったそうです。別の見方をすると、ビタミンDのサプリメントを摂取しても、これら疾患のリスクは15%以上は減少しないことが判ったそうです。
***************
ビタミンDのサプリメントの効果が「15%以上は減少しない」ということは「15%近くは減少する」ということでそれならば有益ではないか、という見方をしたくなりますが、これは効果を多く見積もって15%未満ということであり、実際は効果はほとんどないとみるべきでしょう。また、ビタミンDを過剰摂取したときの副作用にも注意しなければなりません。
ただしビタミンDは危険なものでは決してなく人間には必要なものです。肉や卵に豊富に含まれていますからバランスよく食事をしていれば欠乏することはないのですが、ベジタリアンの人たちは不足しがちになります(注2)。ですから、ベジタリアン(特にヴィーガン)の人たちは肉や卵が食べられないならサプリメントでの摂取も検討すべきです。
まとめると、ビタミンD欠乏症になればサプリメントも含めてビタミンDの積極的摂取を検討すべき、一方欠乏症でない人はサプリメントに有益性はほとんどないことを理解し、有害性に注意すべき、となると思います。
(谷口恭)
注1:この論文のタイトルは「The effect of vitamin D supplementation on skeletal, vascular, or cancer outcomes: a trial sequential meta-analysis」で下記の論文で概要を読むことができます。
http://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587%2813%2970212-2/abstract
注2:ベジタリアンについては下記も参照ください。
メディカルエッセイ第126回(2013年7月)「我々はベジタリアンの道を進むべきか」
参考:医療ニュース
2014年1月28日「やはりビタミン・ミネラルのサプリメントは利益なく有害」
2010年2月1日「ビタミンDの不足は大腸ガンのリスク」
2010年2月11日「ビタミンDが不足すると喘息が悪化」
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|2014年2月8日 土曜日
2014年2月8日 HPVワクチンの副作用は「心身の反応」のせい??
子宮頸がんや尖圭コンジローマのワクチン(以下、HPVワクチン)について、厚生労働省は、2013年6月、「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」というタイトルの注意勧告(注2)を出し、「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません」と記載されています。
なぜこのような注意勧告がおこなわれたかというと、HPVワクチンを接種した女子生徒に副作用の出現が相次いだからです。なかには持続的な痛みに悩まされ、日常生活もままならない生徒もいるそうです。しかし、一方ではHPVワクチンは世界の多くの国で定期接種に組み込まれるようになってきており日本だけが遅れるのはいかがなものか、という意見もあります。
2014年1月20日、厚生労働省の厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全調査会は合同会議を開き、HPVワクチンの副作用は、「心身の反応により惹起された症状が慢性化したものと考えられる」と結論付けて、これを公表しました(注1)。
*************
さて、ここから先は報道されていませんが、この結論が発表された直後から多くの反対意見が寄せられたことが推測されます。なぜならいったん発表したサイトが現在は閲覧できなくなっているからです。
毎日耐えがたい痛みと戦っている女子生徒やその親御さんからすれば、これだけの苦しみが「心身の反応」と言われて納得できるはずがありません。このような発表をするならば、たとえ心身の反応が原因であったとしても、被害者の方への配慮が絶対に必要です。被害にあった女子生徒の学校の友達はどう思うでしょうか。「な~んだ。ワクチンのせいで学校に来れなくなって気の毒だと思ってたけど、ずる休みだったのか」と誤解される可能性も考えられます。
私自身はHPVワクチンが普及することに賛成の立場です。ワクチンを接種しても絶対に子宮頚ガンにならないわけではなく定期的な検診が必要であることには変わりありませんが、それでも7割程度のガンは予防できるのです。それに4価ワクチン(ガーダシル)であれば尖圭コンジローマというやっかいな病気をかなりの確率で防ぐことができるわけです。私自身はHPVワクチンというのは医学の歴史に残る画期的なワクチンだと思っています。
しかし女子中学生全員に接種するという考えには同意できません。なぜなら性交渉を介してしかHPVは感染しないからです。中学を(あるいは高校を)卒業するまでカレシができてもプラトニックラブを通す(だからワクチンは不要)と考えている生徒がいるとすれば、その考えを尊重すべき、というのが私の考えです。
このサイトで何度も述べていますが、B型肝炎ウイルス(HBV)や水痘(みずぼうそう)や流行性耳下腺炎(これら3つはいずれも性交渉のような緊密なコンタクトがなくても感染します)のワクチン接種が不十分であるこの国の状況のなかで、なぜHPVだけを急いで全員に接種しなければならないのか、私にはその理由がどうしても理解できないのです。
(谷口恭)
注1:この発表のURLは下記のとおりでした。「でした」というのは現在見られなくなっているからです。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000035220.html%20target=
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