医療ニュース
2011年3月11日(金) 日本の女子中学生の1.9%が摂食障害
女子中学生の100人に2人は治療が必要な深刻な摂食障害である・・・
これは厚生労働省の研究班が2011年3月1日に公表した内容です。(報道は3月2日の共同通信など)
研究班は、2009年~2010年、関東地方と中国地方の36の中学の男女生徒約8千人を対象として調査をおこなっています。体形や食事への意識など合計28項目を尋ね、5,161人から有効回答を得ています。(女子2,604人、男子2,557人)
その結果、女子の1.9%、男子の0.2%が、治療が必要な深刻な「摂食障害」と判断されたそうです。
やせることを目的とした行為を具体的にみていくと、「下剤の使用」が女子1.1%、男子0.7%、「口に手をつっこんで吐いた」が女子1.4%、男子0.9%、「食事を抜いた」が女子3.6%、男子2.6%、「過度の運動をした」が女子6.8%、男子3.8%となっています。(いずれも過去4週以内に2回以上という条件での回答です)
また、「むちゃな大食いを直近の4週間に8回以上した」女子は3.5%、男子は1.3%だったそうです。
研究者によりますと、「摂食障害」と判断された女子の特徴として、①夜遅くまで起きている、②家族との食事は楽しくない、③家族から「もう少し痩せたら」と言われる、④気持ちを本当に分かってくれる人は誰もいない、などに当てはまる傾向があるそうです。
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日本の摂食障害者の割合はときどき発表されていますが、1.9%というのは過去最高ではないでしょうか。この研究では中学生が対象とされていますが、私の印象で言えば、増えているのは中学生だけでなく、小学生や30代以降にも目立ちます。つまり、全体の総数が増えると同時に、低年齢化と高年齢化が同時に進行しているのです。
それにしても摂食障害は本当にむつかしい病だと思います。まず「治さなければならない」と認識してもらうのに時間がかかり、やっと治そうという意識ができて精神科クリニックを紹介しても、「やっぱりダメでした・・・」と言って戻ってくる患者さんがいかに多いか・・・。
摂食障害が怖いのは「死に至る病」だからです。最善の方法ではないかもしれませんが、小学校低学年のときに、「拒食症や過食症というのはとっても怖い病気なんですよ」ということを教育の現場で教えることが必要ではないかと私は考えています。
(谷口恭)
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