医療ニュース

2010年1月23日(土) 携帯電話がアルツハイマーを予防?

 携帯電話がアルツハイマー病の予防になる・・・

 数日前からインターネットでこの一見信じられないようなニュースが流れているようですが、出所が分かりましたのでここに報告します。

 医学誌『Journal of Alzheimer’s Disease』のオンライン版1月号に掲載されている「Electromagnetic Field Treatment Protects Against and Reverses Cognitive Impairment in Alzheimer’s Disease Mice」というタイトルの論文です。(注参照)

 ウェブサイトでは要約しか読めませんが、まとめると次のようになります。

 アルツハイマー病が発症するように遺伝子操作をしたマウスに、携帯電話使用時に発せられる918MHzの電磁波を暴露させた結果、記憶や認知障害に改善が認められたそうです。そして、これらマウスの脳を解剖した結果、アルツハイマー病の原因とされているアミロイドβ蛋白が携帯電話の電磁波によって減少することが分かったとされています。

 この原因について、研究者らは、電磁波により脳内の温度が上がったことによるのではないかという仮説を立てています。

 さらに、携帯電話の電磁波によりアルツハイマー病を予防できるだけでなく、記憶の向上にもつながる可能性があることを研究者は指摘しています。

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 携帯電話の電磁波と言えば、脳腫瘍のリスクになるのではないかと言われていたことがあります。それを科学的に実証した研究は私の知る限りありませんが、一般的には携帯電話の長時間の使用は身体に(特に脳に)よくないと思われているのではないでしょうか。

 それが、今回の研究ではアルツハイマー病を予防・改善し、記憶力も高めるというのです。もしもこれが人間においても正しいなら歴史に残る画期的な発見となるかもしれません。今後の研究に注目したいと思います。

(谷口恭)

注:論文のURLは、
http://www.j-alz.com/issues/19/vol19-1.html です。(ただし要約しか読めません)

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