医療ニュース

2009年1月27日(火) マレーシアでデング熱が急増

 一昨年(2007年)あたりから東南アジアや南米でデング熱が急増しており、その状況はこのウェブサイトでも何度か紹介しています。

 2009年に入ってからマレーシアでもデング熱が急速に広がり、すでに前年同期2倍の8人が死亡しています。(報道は1月21日の共同通信)

 マレーシア保健省の1月20日の発表によりますと、1月4日から17日までの2週間でデング熱感染者が3,211人にのぼり、これは前年同期1,514人の2倍以上になります。死亡者も感染者も昨年の2倍ということになりますが、いずれも半数以上が首都クアラルンプールと、隣接するスランゴール州で報告されています。

 保健省は、今回の流行拡大の原因として、雨期が長く続いて住居の周囲に水溜りができるなど不衛生な状態となり、感染源である蚊が大量に発生したことを挙げ、国民に対して家の周りから植木鉢や空き缶などを除去するなどの予防措置を取るよう呼び掛けています。

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 デング熱には特効薬もワクチンもありません。感染しても多くは数日間の発熱や倦怠感のみで終わりますが、なかには「デング出血熱」に移行するケースもあり、こうなると命にかかわる状態になることもあります。そして、デング熱は地球温暖化と共に北上しており、アジアで言えば現在台湾でも流行の兆しをみせています。

 薬もワクチンもないなら、最重要なのは予防です。長袖のシャツ、虫除けスプレー(クリーム)などは一般の旅行の際にも必要だと考えるべきでしょう。

参考:はやりの病気第60回「虫刺されにご用心」

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