医療ニュース

2013年8月11日 日曜日

2007年3月5日(月) 花粉症の健康食品で意識不明

 2月27日の共同通信によりますと、和歌山県の40代の女性が花粉症に効くと宣伝されている健康食品を服用し、意識不明となりました。

 この女性は昨年から花粉症の治療目的で、この健康食品を内服しており、その副作用で呼吸困難、さらに気道が閉塞し呼吸不全となり意識が消失したようです。現在は快方に向かっているとのことです。

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 最近、健康食品の被害が相次いでおり、なかには死亡例もありますから、”たかが健康食品”と軽く考えずに、どのような健康食品・サプリメントでも服用前にはかかりつけ医に相談するようにしましょう。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月5日(月) ビタミンCは白内障を予防する

 ビタミンCを多く摂る人は、摂取量の少ない人に比べて老人性白内障にかかりにくい。

 厚生労働省の研究班がこのような疫学調査を2月27日に発表しました。(報道は同日の共同通信)

 研究班は、岩手・秋田・長野・沖縄の4県で、45歳から64歳の男女約35,000人を1995年から5年間追跡しました。白内障にかかった767人の食生活と、かからなかった人の食生活を調べたところ、ビタミンCを日本人の平均的な摂取量(1日110-120ミリグラム)の2倍近く摂る人は、半分程度しか摂らない人に比べ、男性で35%、女性で41%、白内障にかかりにくいことが判りました。手術が必要なほど重症化する危険度は、男女とも30%以上低くなっていました。

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 同様の研究は海外でも報告があり、ビタミンCの白内障に対する予防効果は確立されつつあるといえます。

 ビタミンEやベータカロチン、コエンザイムQ10などは、健康を促進するどころか、かえって病気になりやすいという研究や副作用の報告が少なくありませんが、ビタミンCについては、軽度の下痢や嘔気などを除けば有害性についてほとんど聞いたことがありません。

 風邪の予防やコラーゲン産生促進、また美白効果など、いいことづくしのビタミンCです。度を越さなければ積極的に摂取すべきでしょう。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月6日(火) はしか・風しん混合ワクチンの2回目接種率わずか30%

 以前にもお伝えしましたが、日本の予防接種率は諸外国に比べて極めて低いという特徴があります。インフルエンザもそうですし、B型肝炎ウイルスについては”驚異的に”低いといえます。また、いまや先進国ではほとんどみられないはしか(麻疹)にいたっては諸外国から「日本ははしかの輸出国」と揶揄されているくらいです。

 2006年6月から予防接種の方針が変わり、はしか・風しんの混合ワクチン(MRワクチン)の2回接種が始まりました。新しい方法では、1回目を1歳時、2回目を小学校入学までの1年間に受けることになっています。

 ところが、2回目の接種率がわずか30%であることが、国立感染研究所の全国調査で分かりました。今年ははしかの流行が懸念されていることもあり、同研究所は「入学式まであと1ヶ月。無料で受けられる3月31日までに接種を」、と呼びかけています。(報道は3月5日の毎日新聞)

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 はしか・風しんのワクチンは従来は1度でしたが、1回の接種では免疫がつかない子供もいますし、接種から数年がたてば免疫力が落ち発症する人もいます。従来から他先進国では2回接種が一般的でしたから、日本も世界水準に合わせてようやく昨年から2回接種になったという経緯があります。

 WHOによりますと、はしかによる全世界の死者は2005年に34万5千人で、WHOは日本を含む西太平洋地区で2012年までの「排除」を目指しています。日本は1歳児のはしか単独ワクチン接種率が2000年にはわずか45%でした。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月6日(火) HIVを他人にもっともうつしやすいのは感染初期

 HIVはまだ抗体検査で陽性と出ない感染初期が最も他人に感染させやすい・・・

 「Journal of Infectious Disease」という医学誌にカナダの研究者がこのような発表をおこないました(報道は3月5日のロイター通信)。

 研究者は、ウイルスの遺伝子解析をおこない、どのような経路で感染したかを調べた結果、49%の人が「感染してまもない」人から、(性行為などで)感染していることがわかりました。「感染してまもない」というのは、通常の抗体検査では検出されない時期(感染して2~3ヶ月以内)のことです。

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 以前より、感染初期はウイルスが急激に増殖してウイルス量が多くなるため、この時期が最も他人に感染させやすいのではないかと言われていましたが、今回の研究でその事実が検証されたというわけです。

 最近は、「抗体検査陰性でNAT検査陽性」という症例が増加しています。気になる人は抗体検査だけでなくNAT検査も受けるようにしましょう。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月9日(金) タイ、子宮けい癌のワクチンが5月から接種可能に

 米国、英国、オーストラリアなど、先進国では昨年から子宮けい癌のワクチンが認可されています。

 先進国かどうかは別にして、タイでも5月から子宮けい癌のワクチンが接種できることになりそうです。

 3月8日のThe Nation(タイの英字新聞)によりますと、国立シリラート病院で7日に開かれた会議で、保健省食品・医薬品委員会(FDA)の子宮けい癌ワクチン検討部会のメンバー、チャイヨット(Chaiyod Thirapakawong)助教授が、FDAが同ワクチンを5月までに認可する見通しであることを発表しました。

 現在、タイFDAでは2種類のワクチン(おそらくメルク社の「ガーダシル」とグラクソスミスクライン社の「サーバリックス」)の認可が検討されています。

 タイでは年間約6,200人に子宮けい癌が見つかっており、その半数が死亡しています。

 ワクチンは約1万2000バーツ(約3万8千円)(*1)とかなりの高額ですが、チョイヤット助教授によりますと、国からの補助は期待できないそうです。

 同助教授は言います。

 「私の経験から言って、この国では政府が予防医療に巨額の予算を投じるとは思えない。しかし、この病気の蔓延は国の重荷になるであろう・・・」

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 オーストラリアでは、来月から12歳から26歳の女性であれば、誰もがこのワクチンを無料で接種することができます。米国や英国でもいずれ国の負担で若年者の男女全員に接種できるような方向で検討がおこなわれています。

 タイ国の平均年収を考えると(地域にもよりますが、例えば東北地方(イサーン地方)ではひとりあたりの年間GDPが10万円以下です)、この高額なワクチンが普及するのはむつかしいと言えるでしょう。

 しかしながら、はしかやB型肝炎ワクチンの接種率が極めて低い日本では、現在このワクチンの臨床試験(治験)が進められてはいるものの、認可は早くても2009年頃になる見通しですし、無料化の案も出ていませんから、予防医学の領域においては、日本は先進国とは言えない状況です。

注1:The Nationの記事ではワクチンは12,000バーツとなっていますが、これは安すぎるように思われます。このワクチンは合計3回接種する必要があり、合計で10万円以上になるはずですから、12,000バーツは1回あたりの費用だと推測されます。

参考:子宮けい癌
    「米国、若い女性の3分の1がHPVに感染」

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月9日(金) 健診の項目にウエストラインの測定も

 厚生労働省の検討会は、3月6日、生活習慣病やメタボリック症候群の早期発見のため、職場健診など一般の健診時に測定する項目にウエストラインの測定を加えるべきとの報告をおこないました。(報道は3月7日の共同通信)

 報告書は「腹囲を把握することは、脳・心臓疾患を予防する観点から、労働安全衛生上必要なもの」と指摘しています。測定については対象者の協力を得やすいように、自己申告や着衣のままの測定など運用を柔軟にすることが望ましいとしています。

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 メタボリック症候群の診断基準のなかにウエストラインの値が入っていますし、費用のほとんどかからない検査ですから積極的に取り入れるべきだと思われます。

 すてらめいとクリニックでおこなっている健康診断では、すでにウエストラインの測定が項目のひとつになっています。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月9日(金) 3月8日は世界腎臓デー

 3月8日は、国際腎臓学会と腎臓財団国際連合が定める「世界腎臓デ-」です。(昨年から毎年3月の第2木曜日にすることが決められています)

 現在、慢性腎臓病(CKD)の患者数は全世界で約5億人になります。日本でも人工透析を要する人が急増しており、糖尿病を初めとする慢性腎臓病の発症、悪化予防が世界的な課題となっています。

 腎臓に関するデータを確認しておきましょう。

 まず、国内で新たに人工透析を始める人が毎年約12,000人。全体では25万人。人工透析に必要な医療費は1人あたり年間約500万円。全体では1兆2千億円。腎不全による死亡は第8位。人工透析を始める原因のトップは糖尿病性腎症。 

 腎臓病は糖尿病など生活習慣病の進行の結果であることが多いのですが、WHOのデータでは、世界の全死亡者数の約6割に当たる3,500万人が、悪性腫瘍(がん)や心血管疾患などの慢性疾患で死亡しています。

 腎臓病の早期発見に重要なのが健診などでおこなわれる尿検査です。専門機関の調査によると、学校や職場健診でたんぱく尿が見つかるのは受診者の3-4%ですが、このうち実際に再検査を受けるのは約半数とのデータがあります。再検査を受けていない人は「たいした異常だと思わない」と答えており、腎臓病に対する意識の低さが問題視されています。

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 すてらめいとクリニックの健康診断でもたんぱく尿が見つかる人がいて、再検査をお願いしています。数回にわたりたんぱく尿が陽性となった場合は、専用容器を持って帰ってもらい、24時間尿をためてもらう検査をします。それでも異常値が出た場合は専門医に紹介しますが、今のところ紹介にまでいたったケースはありません。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月14日(水) 運動は”脳力”をアップさせる

 3月12日のロイター通信によりますと、運動することによって脳細胞が新たにつくられ”脳力”がアップすることがわかりました。この研究は米国の研究者によりおこなわれ、新たに細胞がつくられる脳の領域は記憶や記憶損失に関する「歯状回」と呼ばれる部分です。

 歯状回とは、「海馬」と呼ばれる脳の領域の一部で、海馬が記憶に関連していることは以前から知られていました。海馬が関与するこの記憶は30歳ごろから衰えていくと言われています。

 その海馬のなかの歯状回で細胞が増生されることが分かったのは今回が初めてですし、運動が細胞の誕生を促していることが分かったという点で、この研究は注目度が高いと言えるでしょう。

 研究者らは、まずマウスを使って実験をおこない、その後11人の成人ボランティアの協力のもと、人に対して運動の前後でどのような脳内の変化があるかを、MRIを用いて調べました。今回ボランティアがおこなった運動は”有酸素運動”です。

 今回の研究の代表者である米国コロンビア大学のスコット・スモール(Scott Small)博士は言います。

 「我々の次の目標は、どのような運動がその人にとって最も効果的に記憶力を高めるかを解明することだ。これが分かれば、医師は患者に応じてオーダーメイドの運動プログラムを推薦できるようになるかもしれない」

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 運動は身体にいい影響を与えて様々な病気を防ぐだけでなく、記憶力までも高めてくれるようです。また、運動によってボディイメージがアップすると精神的にも健全になります。いいことづくしの運動です。日頃運動不足という人は、早速始めてみてはいかがでしょうか。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月16日(金) 健診で大腸がんの死亡率低下

 健康診断でおこなう大腸がんの便潜血検査をこまめに受ける人は、受けない人に比べて大腸がんで死亡する危険が低い・・・

 このような調査結果を厚生労働省研究班が3月14日に発表しました(報道は同日の共同通信)。

 研究班は岩手、秋田、長野、沖縄県で40-59歳の男女約4万人を1990年から13年間追跡し、受診経験と大腸がんとの関係を調べました。その結果、検査受診者はがんが進行してから見つかる危険性が未受診者に比べて半分で、大腸がんによる死亡率も未受診者の4分の1程度と大幅に低いことがわかりました。

 便潜血検査はがんなどから出る少量の血液の便への付着を調べるもので、他のがんと同様、早期発見が死亡のリスクを減らす大腸がんでは、この簡単な検査が非常に有用です。しかし、この検査の有用性はこれまで科学的に証明されておらず、今回の調査で初めて確認されたというわけです。

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 すてらめいとクリニックの健康診断でも便潜血検査を取り入れています。気になる方はお気軽にご相談ください。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月21日(水) 休日の寝すぎが不眠とうつ、そして自殺願望へ

 休日に寝すぎると、不眠やうつに・・・

 こんな調査結果を久留米大学が3月16日に発表し、翌日の毎日新聞が報道しています。研究者は、「良い睡眠を取る秘けつは、毎朝、同じ時間に起きること。平日と休日の睡眠時間の差は、2時間以内に抑えた方が良い」とコメントしています。

 この調査は昨年12月、35-59際の会社員男女を対象に実施され、男性5,420人、女性577人の合計5,997人(平均年齢44.8歳)から回答を得ています。

 結果は、平均睡眠時間は平日が6.1時間、休日が7.3時間となっています。平日と休日の睡眠時間の差が2時間未満の4,238人のうち、不眠の自覚がある人は26.4%、うつ症状がある人が4.3%でした。一方、睡眠時間の差が3時間以上(630人)では、不眠32.7%、うつ6.8%と、時間差が大きいほど不眠やうつ症状のある人の割合が増えています。

 不眠とうつが重なると4人に1人が自殺願望を抱く・・・

 このような結果も出ています。

 回答者のうち、不眠で悩んだ経験がある人は28%の1,668人、抑うつ状態がある人は5%の285人いました。

 不眠と抑うつの両方を訴える人は206人で、その26%が自殺を考えた経験を持っていたそうです。一方、抑うつでも不眠がない場合は16%で、両者が重なると自殺の危険が高まるという結果となっています。

 また、不眠や抑うつが起きる頻度は、平日の睡眠時間が7、8時間台のときに最も低く、それ以上でもそれ以下でも高まる傾向があります。

 さらに、交代勤務のある人の43%が不眠を、15%が抑うつを訴えたのに対し、交代勤務がない人ではそれぞれ27%と4%にとどまり、昼夜の逆転を伴うような勤務の悪影響が浮き彫りになっています。

参考:不眠を治そう

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