医療ニュース
2025年8月31日 日曜日
2025年8月31日 インフルエンザワクチンで認知症を予防する
本サイトでは2025年4月の医療ニュース「認知症予防目的に帯状疱疹ワクチン」で取り上げた「帯状疱疹ワクチンが認知症のリスクを下げる」という話は過去数か月でいろんなところで取り上げられている気がします。
なぜ帯状疱疹ワクチンが認知症を予防するのかについて、HSV(単純ヘルペスウイルス1型)が関与しているのではないかという話は、「はやりの病気」第262回(2025年6月)「 アルツハイマー病への理解は完全に間違っていたのかもしれない(後編)」ですでに述べました。
今回、改めて検討したいのは「インフルエンザワクチンが認知症のリスクを下げる」とした研究です。3つの論文を紹介しましょう。
1つはすでに、「はやりの病気」第258回(2025年2月)「認知症のリスクを下げる薬」で紹介済です。2022年6月に医学誌「Journal of Alzheimer’s Disease」に掲載された論文「インフルエンザワクチン接種後のアルツハイマー病発症リスク:傾向スコアマッチングを用いたクレームベースコホート研究(Risk of Alzheimer’s Disease Following Influenza Vaccination: A Claims-Based Cohort Study Using Propensity Score Matching)」です。この研究ではインフルエンザのワクチン接種で認知症発症リスクが、なんと40%も低減するとされています。研究の対象者は米国の65歳以上。インフルエンザワクチンを接種した935,887人と、未接種の同じ人数が比較されました。平均年齢73.7歳、追跡期間は46ヶ月です。この間にワクチン接種者では5.1%(47,889人)が、未接種者では8.5%(79,630人)が認知症を発症しました。この研究では「匿名化された保険請求データ」が用いられました。
メタアナリシス(これまで発表された質の高い研究をまとめなおして総合的に解析する方法)もあります。医学誌「Ageing Research Reviews」に2022年1月に掲載された「インフルエンザワクチン接種は認知症リスクを低下させる:システマティックレビューとメタアナリシス(Influenza vaccination reduces dementia risk: A systematic review and meta-analysis)」です。評価された論文は273件で、ベースライン時点で認知症のない高齢者292,157人(平均年齢75.5歳、女性46.8%)が対象とされました。平均9年間の追跡調査で、インフルエンザワクチン接種は認知症の相対リスクを29%低下させました。
そして、インフルエンザワクチンが認知症のリスクを下げるとした3つ目の論文は医学誌「Age and Aging」2025年7月号に掲載された「インフルエンザワクチン接種と認知症リスク:系統的レビューとメタアナリシス(Influenza vaccination and risk of dementia: a systematic review and meta-analysis)」で、こちらもメタアナリシスです。8件の質の高い研究がピックアップされ、対象者の合計は9,938,696人です。結果、対象者を「全人口」とすると、インフルエンザワクチンと認知症との間に関連性は認められなかったものの、認知症に「高リスク患者」に限定すると、インフルエンザワクチンが認知症リスクを低減することが分かりました。
興味深いことに、2~3回接種ではリスクが16%低下するのに対し、4回以上の接種では57%も下がるという結果がでています。
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では、なぜインフルエンザワクチンが認知症のリスクを下げるのか。これについてはどの論文も触れていません。
ならば自分で推測するしかありません。
おそらく、インフルエンザがもたらす、高熱、頭痛、倦怠感などで各臓器に炎症が生じ、結果、炎症性サイトカインが分泌されます。これらサイトカインが脳に作用をもたらし、結果として認知機能を損なうのでしょう。そして、(これは私の仮説に過ぎませんが)脳が炎症を起こしたときにHSVが関与して、その結果、アミロイドβやタウ蛋白が異常蓄積するのではないかと私は考えています。
上述のコラム「アルツハイマー病への理解は完全に間違っていたのかもしれない(後編)」でも述べたように、脳の外傷で認知症が起こるときにもHSVが絡んでいることが指摘されています。
ということは、認知症予防の目的で「脳のHSVを大人しくさせておく」、そのためには「あらゆる炎症を防ぐ」、さらに「感染症はできる限り防ぐ」が重要となります。
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|2025年8月28日 木曜日
2025年8月28日 悪玉コレステロール(LDL)を上昇させる真犯人
卵を食べるとコレステロールが上がるから控えるように言われています……。
谷口医院をオープンしてから、何人の患者さんにこのセリフを言われたか、たぶん千回は超えているでしょう。その度に私は「そんな必要ありません」と答えてきました。なぜか。私のそれまでの臨床経験から判断して「たしかに卵をたくさん食べてLDLコレステロールが上昇する人がいるが、上がらない人もいる。むしろ他の”犯人”が重要」だからです。
この私の考えに自信ができたのは2015年の米国のガイドラインでした。食事性コレステロールが「懸念される栄養素」から削除されたのです。このガイドラインにははっきりと「卵を食べてもいい」とは書かれていませんが、「食事性コレステロール」の代表が卵です。つまり、このガイドラインは「卵には健康上有害性がない」と断言したのです。
しかしながら、一方では、卵が血中コレステロールを上昇させ心血管系疾患のリスクになることを示唆する研究もあります。いったい、どちらが正しいのか。その答えは「個人差が大きく試してみるまで分からない」となります。ただし、私の個人的な臨床経験で言えば「卵を制限する必要はほとんどない」です。
医学誌「The American Journal of Clinical Nutrition」の2025年7月号に掲載された論文「卵と飽和脂肪酸由来の食事性コレステロールがLDLコレステロール値に与える影響:ランダム化クロスオーバー研究(Impact of dietary cholesterol from eggs and saturated fat on LDL cholesterol levels: a randomized cross-over study)」によると、飽和脂肪酸の摂取量を減らせば、むしろ卵を2個食べた方が卵を食べないときよりもLDLコレステロールが低下することが分かりました。
では、いったい何がLDLコレステロールを上昇させるのか。その「答え」はこの論文に書かれているように「飽和脂肪酸」です。当院の経験でいえば、飽和脂肪酸を多く含む食品のなかでも最もLDLコレステロールが上昇しやすいのは次の3つです。
・ポテトチップスを代表とするスナック菓子
・ケーキやシュークリーム
・揚げ物(フライドポテトやから揚げなど)
上記論文にも述べられているように、卵は「食物コレステロールは豊富で飽和脂肪が少ないユニークな食品」です。卵も極端に大量に食べればLDLが上昇するかもしれませんが、論文では「1日2個の摂取でLDLコレステロールが低下する」としているわけです。そして、卵は良質な蛋白質やアミノ酸がたくさん摂れます。一方、飽和脂肪酸は”諸悪の根源”なのです。
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診察室で患者さんから話を聞いていると、「卵を控えてこれまでの人生、随分損をしてきましたね」と言いたくなることがあります。もしも今も控えている人がいるなら、そんなルールは直ちに撤廃して卵料理を楽しみましょう。
しかし、なかには卵を増やして上昇する人がいるのは事実です。たとえば、卵が入ったお菓子を増やせばLDLコレステロールは上昇します。私の場合、夜中に大量の脂っこい料理の外食を続けた結果、LDLコレステロールが一気に上昇したことがあります(参考:はやりの病気第65回(2009年1月)「突然やってきた脂質異常症」)。
また、どのように食事を変更しても一向にLDLコレステロールが改善しない人もなかにはいます。卵をどのように増やしていけばいいのか、現在の食事内容に問題はないのか、などについて疑問がある人はかかりつけ医に相談しましょう。
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|2025年7月31日 木曜日
2025年7月31日 砂糖入りだけでなく「人工甘味料入りドリンク」もアルツハイマー病のリスク
「認知症のリスク」と言えば、2024年8月以降最も注目されているのが「LDLコレステロール」です。なにしろ、それまでほとんどノーマークだったこのありふれた項目が、血圧、喫煙、飲酒、糖尿などを差し置いて「アルツハイマー病の最大のリスクだ!」と言われるようになったのですから(参考:はやりの病気第253回(2024年9月) 「『コレステロールは下げなくていい』なんて誰が言った?」)。
ですが、アルツハイマー病はできるだけ回避したい疾患ですから他のリスク因子にも注意する必要があります。最近注目されているのが「甘い飲み物」で、医学誌「Aging & Mental Health」2025年6月13日号に掲載された論文「砂糖および人工甘味料入り飲料とアルツハイマー病リスクの関連性:前向きコホート研究の系統的レビューと用量反応メタアナリシス(The association between sugar- and artificially sweetened beverages and risk of Alzheimer’s disease: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies)」で紹介されています。ポイントは次の通りです。
・「砂糖入りドリンク」の摂取量増加とアルツハイマー病リスク上昇には有意な関連がある(相対リスクは1.49)。たくさん飲めば飲むほどリスクが上昇する
・「人工甘味料入りドリンク」も同様に相関する(相対リスクは1.42)
・砂糖も人工甘味料も入っていないドリンクではアルツハイマー病との関連はない
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砂糖または人工甘味料が加えられたドリンクは一切飲まないのが一番です。具体的には、缶コーヒー、砂糖の入った紅茶、コーラ、サイダー、ポカリスエットなどのスポーツ飲料水、果汁100%でないフルーツジュースなどです。さらに、栄養ドリンクも要注意です。
リポビタンDの場合、なぜか日本の製品やウェブサイトには記載されていませんが、タイのサイトには砂糖含有量が記されています。リポビタンD1本(100mL)あたりなんと18グラム! これはウェブサイトに誤った数値が書かれたわけではありません。その証拠にタイで販売されているリポビタンDの写真(下記)が掲載されています。この写真にはたしかに「炭水化物21グラム。そのうち砂糖が18グラム」と書かれています。一般に、角砂糖1個が3グラム程度とされていますから、リポビタンDを1本飲めばそれだけで角砂糖6個にもなります。
尚、人工甘味料についてはメルマガで好評だったために毎日メディカルで取り上げましたのでこちらもご参照ください(無料です)。
毎日メディカル2025年6月9日「カロリーゼロでも太る? やせたいなら、食べてはいけない『人工甘味料』」
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|2025年7月27日 日曜日
2025年7月27日 コロナワクチンが救ったのは1440万人ではなく250万人
2021年のあの狂乱を覚えているでしょうか。救世主のように登場した新型コロナウイルス(以下、単に「コロナ」)のワクチンを大多数の国民が奪い合うように求めていたあの異常な状態を。
その後、オミクロン株が流行し始めた頃あたりから、コロナワクチンの有効性を疑問視する声が増え始めました。しかし、それまでは有効であった、しかも劇的に有効であったことはいくつもの研究が示しています。よって、オミクロン株が日本で流行し始めたのは2022年の初頭くらいですから、「2021年には、つまりワクチンが登場した年には、高い効果を有していた」のは事実ということになります。ただし、「有効だと示した研究が正しければ」ですが……。
コロナワクチンが有効であることを示した論文は多数ありますが、最も有名な1つをここで紹介しましょう。「THE LANCET infectious diseases」2022年9月に掲載された「コロナワクチン接種1年目の世界的な影響:数理モデル研究(Global impact of the first year of COVID-19 vaccination: a mathematical modelling study)」です。下記のグラフを見れば一目瞭然です。
黒の実線が実際にコロナ関連で死亡したと考えられる人数で、赤の実線がワクチンをうっていなかったときの死亡者の予測数です。コロナワクチンが世界中の大勢の人々を救ってきたことが分かります。この論文によるとワクチンで救われた人は世界中に1440万人もいます。
この「ワクチンで救われた1440万人」という数字に聞き覚えのある人もいるかもしれません。数字の出処はおそらくこの論文です。この「1440万人を救った」という”事実”はWHOのサイトにも記載されています。
では、コロナワクチンは今でこそ効果が見劣りしてきているけれど、2021年の頃には大勢を救ったメシアのような存在だったのでしょうか。
実は最近、コロナワクチンはこれまで言われていたほどには効果が高くなかったのでは?と、有効性に疑問を呈する論文が発表されました。「JAMA Network」につい最近掲載された「2020年から2024年にかけてコロナワクチンで救われた命と生存年数の世界推定(Global Estimates of Lives and Life-Years Saved by COVID-19 Vaccination During 2020-2024)」です。
この論文によると、「世界の1440万人を救った」とするような初期に発表された論文では、コロナによる致死率の前提が悲観的と呼べるほど過度に高く、ワクチンの有効性は楽観的なほど過度に高く推定されていた、とのことです。では、この論文からポイントをまとめてみましょう。まず表を示します。
ポイントをまとめると次のようになります。
・コロナワクチンが救った命は1440万人(2020年12月8日から2021年12月8日の間)からはほど遠く、実際には2020年から2024年までで250万人
・ワクチンで救えた10人のうち9人は60歳以上(89.6%)。10人中7人は70歳以上。ワクチンで命を救えた20歳未満は(世界中で)わずか299人。全体の0.01%(ワクチンで救えた1万人のうち20歳未満は1人だけ)。20~30歳では1,808人で、全体の0.07%(ワクチンで救えた1万人のうち7人が20~30歳)(*注)
・5,400回ワクチンが接種され1人の命が救われた。30歳未満でみれば、1人の命を救うために10万回のワクチンが接種された
この論文よると、これまでコロナワクチンは世界中で合計136億4千万回使用されています。その結果、救えた命は250万人、30歳未満でみると2千人ちょっとです。その2千人に入った(かもしれない)人は胸を撫でおろしているかもしれませんが、では、ワクチンが原因で死亡した、あるいは重篤な後遺症を残した人はどれくらいいるのでしょうか。
年代ごとのデータは見当たりませんが、日本だけでも、厚労省の資料によると、2024年6月の時点でワクチン被害に対する厚労省の「進達受理件数」が11,305件です。「進達」の意味がよく分かりませんが、被害者が申請して受け取ったという意味だと思います。ということは受け取ってもらえなかった、あるいは初めから諦めて申請していない人は含まれていないわけです。
他国をみてみると、英国では17,500人以上が、ワクチン接種によって自身または家族が被害を受けたとして政府のワクチン被害補償制度に申請しています。
過去にも述べたことがありますが、国を挙げてコロナワクチンに狂乱していた2021年のあの夏、私はメディアに「コロナワクチンはうってもうたなくてもリスクがある」という旨のコラムを書きました。すると、このコラムが炎上し、「お前は非国民か!」と言わんばかりのクレームが多数寄せられました。しかも、匿名の医師からのものも複数ありました。
当時、ワクチン推進派の医師たちは「同居するおじいちゃんやおばあちゃんを守るためにワクチンをうとうね」などと子供に呼び掛けていました。彼(女)らはそんなことを言っていた自分の過去を今どのように考えているのか聞いてみたいものです。
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注:ワクチンで命を救えた20歳未満は表でも299人とされていますが、その内訳を合計するとなぜか298人になります。20~30歳もやはり表では1,808人とされていますが、内訳の合計は1,807人となります。この差の原因は論文を読んでも分かりませんでした。
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|2025年6月29日 日曜日
2025年6月29日 食物アレルギーがある人の搭乗、重症化したり拒否されたり……
国際航空輸送評価機関のSKYTRAXは毎年航空会社のランキングを発表しています。2025年の航空会社トップ10は次の通りです。
1位 カタール航空
2位 シンガポール航空
3位 キャセイパシフィック航空
4位 エミレーツ航空
5位 全日空
6位 ターキッシュエアラインズ
7位 大韓航空(Korean Air)
8位 エアフランス
9位 日本航空
10位 海南航空(Hainan Airlines)
シンガポール航空は「航空会社のランキング」では2位ですが、「客室乗務員ランキング」では世界一、「ファーストクラスランキング」でも世界一です。
では、そんなシンガポール航空の「ビジネスクラス」に登場すればどれだけのおもてなしを期待できるのでしょうか。
報道によると、2024年10月8日、ニューヨークの小児科医Doreen Benary氏はフランクフルト発ニューヨーク行きのシンガポール航空SQ026便のビジネスクラスに搭乗しました。氏は重度の甲殻類アレルギーを有しているために事前に客室乗務員にその旨を申告していました。ところがエビが入った機内食を出され、異変に気付いた氏が客室乗務員に質問したところ、客室乗務員はミスを認め謝罪しました。しかし様態は重症化し、緊急着陸が必要となり、氏はパリで救急搬送され、2つの医療機関で治療を受けました。
航空会社ランキング世界2位のシンガポール航空がこの対応では大変心許ないわけですが、では他のランキング入りしている航空会社なら安心できるのでしょうか。
英国のリアリティ番組「Love Island」の出演者Jack Fowler氏は、カタール航空搭乗時にナッツアレルギーであることを客室乗務員に申告していたのに、二度も機内食として出されあやうく死にかけたことを自身のSNSに投稿したことが報道されています。氏はカタール航空の客室乗務員に、ナッツにアナフィラキシー反応を起こすことを5回も伝え、食事が提供されるたびにナッツが入っていないことを保証してくれるようお願いしていました。しかし、搭乗直後に供されたペストリーにはナッツが使われていました。それを客室乗務員に伝えると、客室乗務員は謝罪したそうです。しかしその後、砕いたピスタチオが入ったアイスクリームを提供され、それには気付かず口にしてしまいました。幸いなことに、数秒以内に喉が詰まって舌が腫れ始めたためにすぐに吐き出して事なきを得たようですが、もしもある程度の量を飲みこんでいたら大変な事態になっていたでしょう。これは2023年の出来事です。
2024年、Jack Fowler氏に再び悲劇が襲いました。今度はカタール航空ではなく、エミレーツ航空です。やはり、食事前に客室乗務員にナッツアレルギーについて伝えていました。ところが提供されたチキンカレーを食べた直後に異変に気付き、客室乗務員に「息ができない」と伝え、食事にナッツが入っているかどうか尋ねました。客室乗務員は「食事にナッツは入っていない」と言いましたが、同乗していた友人がメニューを見てカレーにカシューナッツが含まれていることに気づきました。氏は着陸を急いでもらいドバイの空港に着陸後救急病院に搬送されました。氏は自身でエピペンを注射する動画と、酸素マスクを着用した写真をSNSに投稿しています。エミレーツ航空の広報担当者は、氏の体験について謝罪し「お客様の安全と健康を非常に真剣に考えています」と述べました。
優良航空会社とされているからこそ報道されるのかもしれませんが、シンガポール航空、カタール航空、エミレーツ航空と超一流とされている航空会社がこれだけの失態をおかしていることを考えると食物アレルギーを持っている人たちは不安でならないと思います。
一方、これらとは正反対の対応をして、そして非難をあびているのがLCCです。2018年に、イチゴアレルギーだからという理由で英国のLCC「トーマス・クック」の便への搭乗を拒否された19歳の英国人女性については過去の医療ニュース「イチゴアレルギーで搭乗拒否」で紹介しました。
トルコのLCC「サンエクスプレス」で似たような事件がありBBCが報道しています。2024年5月21日、BBCのフリーランスの気象キャスターGeorgie Palmer氏が家族と共にロンドン・ガトウィック空港発、(トルコの)ダラマン行きの便に登場し離陸を待っているときに、ピーナッツアレルギーをもつ12歳の娘Rosieさんにアレルギー症状が出始めました。乗客が食べているピーナッツが原因と考えたGeorgie Palmer氏と夫は乗務員に「(乗客に)ピーナッツを食べないようアナウンスしてほしい」と要請しました。ところが、客室乗務員と機長はその要求を受け入れず、結果、家族一同が飛行機から強制的に降ろされる事態となりました。
機内でピーナッツアレルギーを発症するのは空気中に浮遊しているピーナッツの粒子よりも、椅子やテーブルに付着しているピーナッツの破片を口にしてしまうことで発症するケースが多いと言われていますが、このアレルギーは一気に重症化する可能性があり、また機内は室内よりもずっと空気が乾燥していることからアレルギーを持つ当事者や保護者はやはり乗客がナッツ類を口にするのは避けてほしいと考えます。
実際、上記のBBCによると、ブリティッシュ・エアウェイズ、イージージェット、ライアンエアー、ジェット2などの航空会社は、乗客からの要望があれば客室乗務員がアナウンスを行いナッツを提供しないそうです。
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これらの情報をまとめると、超一流の航空会社では乗客が申告しているのにも関わらず、アレルギー物質が含まれるものを提供し、他方LCCでは搭乗に慎重になりすぎているような印象を受けます。実際には、このような出来事が報道されるのはごくわずかでしょうし、日々いろんなトラブルが生じているのでしょう。
英国からフランスへのフライト中に食物アレルギーで他界した15歳の少女は、空港内のサンドイッチ店で購入したバゲットに含まれていたゴマが原因でした。父親は娘にエピペンを2本打ちましたが助かりませんでした。父親はこうした悲劇を防ぐために、他界した娘の名前を付けた「The Natasha Allergy Research Foundation」を2019年に設立しました
食物アレルギーが怖いのは一気に重症化して命に関わることもあるという点です。そしてときに原因物質を偶発的に口にしてしまうこともあります。特に海外滞在時や飛行機への搭乗には注意が必要で、谷口医院ではエピペンの携帯だけでなく、英文の診療情報提供書をパスポートにはさんでおくよう助言しています。
参考:医療プレミア
2024年9月23日 エピペンは万能ではない 注意しすぎることはない食物アレルギー
2024年9月30日 死に直結する食物アレルギー 悲劇を繰り返さないため、注目したい二つの薬
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|2025年6月1日 日曜日
2025年6月1日 一度の採血でがんを診断し治療薬まで決められる「革命」
2025年5月30日から6月3日までシカゴで米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology’s Annual Meeting = Asco)が開催されています(本稿執筆は6月1日)。その学会の前夜にあたる5月29日、英国の画期的ながんの治療方針が発表されました。英紙The Telegraphは「革命(revolutionise)」という言葉を用いてこの発表を取り上げました。
その「革命」の解説の前に、最近の肺がんの治療の特徴をまとめておきましょう。
日本でも過去数年で肺がんの治療が大きく変わってきています。2017年8月、「EGFR遺伝子変異検出」が保険承認され臨床現場で使われるようになりました。「遺伝子検査」と聞くと、「その人がどんな遺伝子を持っているかを調べる検査」とイメージしがちですが、この遺伝子検査はそうではなく、誰もが持っている「EGFR遺伝子」に「変異」があるかどうかを調べるものです。肺がんを発症すると一部の患者さんに(日本人の肺がん患者の3~4割に)EGFR遺伝子に変異が起こります。
この検査は生検(がんの一部を採取する検査)した組織を使って実施します。単に「変異の有無」が分かるだけでなく、「どのような変異があるか」まで調べることができます。たとえば、「exon19欠失」(非小細胞肺がんでよくある変異)、「L858R変異」(肺腺がんによくある変異)といった感じで、どのような変異があるかが分かるのです。そして、その変異の起こり方でどの薬が効くかを予測することができます。
以前は(2017年までは)、肺がんの診断がついてもどの抗がん剤が有効かについてはおおまかなことしか分からず、そのため抗がん剤の効果が出ずに副作用に苦しめられるということが多々ありました。ところが、現在では、すべての肺がんで、というわけにはいきませんが、肺がん患者の3~4割はEGFR遺伝子に変異があり、その変異の内容を調べることで、あらかじめ効くと分かっている分子標的薬(従来の抗がん剤とは異なるカテゴリーの薬)を使えるようになったのです。残念ながら、そのうちに「耐性」ができ(つまり、それまで効いていた分子標的薬が効かなくなって)完治するまでには至らないことが多いのですが、それでも余命を大きく伸ばすことができるようになりました。
では、話を英国の「革命」に進めましょう。英国が発表したのは、この遺伝子検査を「生検したがんの組織」で調べるのではなく、「血液検査」で実施するというものです。これを「リキッドバイオプシー」と呼びます。生検はがん組織を直接取る検査で、気管支鏡を使うか、あるいは胸腔鏡下に直接取ります(手術のようなものです)。もちろん、どちらもそれなりに大変です。これらをせずに採血で済ませるというのですから、「革命」という表現もあながち大げさとは言えないでしょう。では、日本ではなぜ生検をするのか。それはリキッドバイオプシーだと精度に劣るからです。
ところが英国ではリキッドバイオプシーを広く普及させると言うのです。ということは、詳しいことはまだ分かりませんが、英国ではリキッドバイオプシーの精度向上に成功したということでしょう。The Telegraphによると、英国では今後リキッドバイオプシーが肺がんの標準検査となり、さらに女性の乳がんも対象とし、今年は2万人(肺がん15,000人、乳がん5,000人)に実施し、今後膵臓がん、胆嚢がんを含む合計6種類のがん患者を対象とする予定です。
驚くことはまだあります。なんと英国ではこのリキッドバイオプシーを「がんの早期発見」に使うというのです。つまり、現在の日本のように「遺伝子検査をがん治療の方針決定のためにおこなう」のではなく、「リキッドバイオプシーでがんの早期発見をする」というのです。そして、最終的には、「40歳以上のすべての人にリキッドバイオプシーをがんのスクリーニング検査として実施する」ことを計画しています。
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これが実現すればまさに「革命」でしょう。40歳になれば健康診断のひとつの項目に「リキッドバイオプシー」が加えられ、早期発見・早期治療ができるようになるというのですから。しかも、「採血→検査→薬剤投与」という流れになり、今後検査の質が上がって薬が改良されていけば、以前は「死に至る病」だったがんが、「採血と内服で完治する病気」になるかもしれません。
医療費も大きく減少します。The Telegraphは「リキッドバイオプシーの導入で、肺がん治療費が年間1100万ポンド(約20億円)削減される可能性がある」としています。
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|2025年5月30日 金曜日
2025年5月30日 若者の半数がネットのない世界を望み7割がSNSで病んでいる
「はやりの病気第257回(2025年3月)人生が辛いなら『スマホを持って旅に出よう』」では、若者が心を病んでいる最大の原因がSNSであることが自明なのに人類はもはやSNSの”魅惑”から逃げられない現実について述べ、ならばスマホを持ったまま旅に出て、画面上ではなく現実の非日常を求めてみてはどうか、という私見を述べました。
では、若者はSNSに対してどう考えているのでしょうか。最近、英国で若者を対象とした興味深い調査が実施され、The Guardianが報じました。
British Standards Institutionが16~21歳の1,293人の若者を対象に実施した調査で、結果は下記の通りです。
・46%が「インターネットのない世界で暮らしたい」と考えている
・68%がSNS利用で自己嫌悪感に苦しみ精神を病んでいる
・50%が午後10時以降のSNS利用を禁じる「デジタル禁止令」を支持している
・4分の1は1日4時間以上SNSを利用している
・42%はオンラインでの行動について両親や保護者に嘘をついている
・42%が年齢を偽ったことがある
・40%が偽アカウントや「使い捨て」アカウントを持っている
・27%が全くの別人になりすましたことがある
・27%が自分の位置情報を知らない人に教えたことがある
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冒頭のコラムを書いたとき、「まだアイデンティティが確立していない脆弱な発達段階でSNSに触れるのが危険であることに当事者の若者は気づいていないだろう」と私は考えていました。ところが、この英国の調査に鑑みれば、すでに若者自身がSNSの弊害を察しているようです。
だからといって実際にSNSと縁を切れる若者はほとんどいないでしょうし、現在英国が進めようとしている「午後10時以降のSNSへのアクセス禁止案」もそれほど効果がでるとは私には思えません。
しかし、誹謗中傷や他者の比較に辟易としている若者も増えてきているのでしょう。ならばSNSから完全に脱却できなくても、従来の(まともな)人間関係構築に向けた動きも広がっていくことを期待したいと思います。もちろん、日本も含めて。
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|2025年5月6日 火曜日
2025年5月6日 大気汚染は認知症のリスク
本サイトでは「大気汚染のリスク」を繰り返し紹介しています。大気汚染は「WHOが定める世界10大脅威」の1つであり、喘息や心血管疾患のリスクになることを「はやりの病気第185回(2019年1月)避けられない大気汚染」で述べ、大気汚染により血圧が上昇することは「医療ニュース2024年2月4日道路の空気汚染が血圧を上昇させる」で紹介しました。大気汚染があらゆる原因の早期死亡リスクの第6位であることは「はやりの病気第249回(2024年5月)健康の最優先事項はパートナーを見つけること」のなかで触れました。
また、大気汚染が認知症発症リスクの3%を占めることは「はやりの病気第253回(2024年9月)『コレステロールは下げなくていい』なんて誰が言った?」で紹介しました。
今回は「大気汚染が認知症のリスク」について少し掘り下げてみたいと思います。ちょっと古くなりましたが、科学誌「Nature」2025年1月14日号に掲載された記事「大気汚染と脳損傷:科学が示すもの(Air pollution and brain damage: what the science says)」に掲載されたポイントをまとめてみます。
・これまでに発表された多くの研究で、大気汚染が、認知症、うつ病、不安症、自閉症(発達障害)などのリスクとなることが示されている
・WHOが作成した2021年版の「WHO Global Air Quality Guidelines」(世界大気質ガイドライン)は、大気汚染の神経学的影響の重要性を強調している
・WHOは世界人口の99%が推奨レベルを超える大気汚染にさらされていると推定している
・2000年代後半から2010年代初頭にかけてメキシコシティで実施された研究で、大気汚染の深刻な都市に住む子どもは、大気汚染の少ない地域の子どもよりも、脳の各領域をつなぐ白質線維に病変を持つ子どもが多く、特に前頭前皮質が影響を受けやすいことが明らかとなり、都市部の子どもは認知課題の成績が低いことも判明した
・大気汚染は、自動車の排気ガスや工場による汚染に加え、調理用コンロ、山火事、砂漠の砂塵なども原因となる。窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素、オゾンなどが汚染の実態である
・2023年にUK Biobankを元に389,000人以上を対象とした分析により、大気中の粒子状物質、一酸化窒素、二酸化窒素への長期曝露がうつ病や不安症のリスクとなることが示された
・スコットランドの住民20万人以上を対象とした16年間の研究で、二酸化窒素への累積曝露量の増加が精神疾患や行動障害による入院の増加をもたらすことが明らかとなった
・認知症のリスクを検討したLANCETの論文で、フランス、米国、中国で行われた研究から「大気汚染が改善された地域では高齢者の認知症、認知機能低下、うつ病の発生率が低下していること」が示された
・大気汚染により海馬の容積が減少し認知機能低下を起こしていることを示す研究がある
・大気汚染は白質線維の発達を阻害して脳の各領域間でのコミュニケーションに変化をもたらす可能性を示した報告がある
・成長期のマウスに大気汚染の原因となる超微粒子を曝露させた研究は、超微粒子によって白質路と脳室が拡大し、衝動性が高まり、短期記憶が障害されていることを示した
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大気汚染といえば、自動車による排気ガスが著しい都市、焼畑農業のエリア、コンロを多用する地域など思い出しがちですが、PM2.5の被害が小さくないわが国でも他人事ではありません。PM2.5を浴びても無症状という人も、認知症のリスクを軽減する目的で、日々の大気汚染情報や黄砂情報をチェックした方がいいかもしれません。
海外渡航を考えるときには「IQAir」を利用してその地域のその時期の大気汚染の程度を参考にするのがいいでしょう。
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|2025年4月27日 日曜日
2025年4月28日 認知症予防目的に帯状疱疹ワクチン
「はやりの病気」第258回(2025年2月)「認知症のリスクを下げる薬」で、「帯状疱疹のワクチンが認知症のリスクを下げる」という話をしました。最近、それを補強する研究が公表されたこともあり、ここでもう少し詳しく掘り下げたいと思います。
科学誌「Nature」2025年4月2日号に掲載された論文によると、生ワクチンの接種で女性の認知症のリスクが約2割下がります。
この研究が興味深いのは英国ウェールズのワクチンプログラムに基づいているからです。通常「〇〇のワクチンを接種すると△△の発症リスクが下がる」と言われても、そのまま鵜呑みにはできません。なぜなら、そもそもワクチンを接種する人は日頃から健康意識が高いことが多く△△に対する予防行動もとっている可能性があるからです。
今回の研究で使われたワクチンプログラムは(拒否しなければ)該当者は誰もが(たぶん)無料で受けられるものです。 2013年、ウェールズ政府は1933年9月2日以降に生まれた人々に対し、弱毒生帯状疱疹ワクチンの提供を開始しました。この日付の直前と直後に生まれた人々を比較することで認知症のリスクを検討することができます。この研究では1925年9月1日から1942年9月1日の間に生まれた28万人以上の認知症診断が追跡調査されました。
女性については結果があきらかでした。研究者によると、認知症発症のリスクがおよそ2割減少しました。他方、残念ながら男性にはその効果が認められませんでした。
女性は生ワクチンを接種すれば認知症発症リスクが約2割低下する
男性は効果がない
もう1つ研究を紹介しましょう。冒頭で紹介した「はやりの病気」でも紹介した2024年7月に「nature medicine」で発表された研究です。
こちらの対象者は米国民です。米国では2017年に帯状疱疹のワクチンが生ワクチンから組換えワクチン(不活化ワクチンの一種)に全面的に変更されました。その前後で帯状疱疹の発生率のみならず、認知症の発症率がどの程度変化したかが調べられたのです。結果は下記グラフの通りです。
組換えワクチンに切り替わった2017年以降帯状疱疹発症率が低下した
2017年以降、認知症の発症も減少した
研究者によると、組換えワクチンは接種後6年間の認知症リスクが生ワクチン接種時よりも有意に低いことがわかりました。さらに女性の方が男性よりも効果が高かったとされています。
ただし、帯状疱疹ワクチンがなぜ認知症のリスクを下げるのか、その理由はいまだ解明されていません。
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なぜ、帯状疱疹のワクチンが認知症のリスクを予防するのか。ものすごく単純に考えれば「水痘帯状疱疹ウイルスが認知症の原因のひとつだから」となります。
しかし、現在認知症の原因は「アミロイドβ蛋白、またはタウ蛋白の蓄積」とされています。「それは間違っている。実は感染症が認知症の原因だ!」などと言えば馬鹿にされるだけです。しかし、私自身は認知症の一部は感染症によるものではないかと本気で考えています。いずれその考えを公開したいと思います。
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|2025年4月10日 木曜日
2025年4月10日 ビタミンAの過剰摂取に注意
2019年の国民健康・栄養調査では、日本人のビタミンAの摂取量は大幅に少ないことが明らかにされています。男性の摂取量の平均は552ugRAE/日、女性は518ugRAE/日です。必要量は、成人男性で850~900ugRAE/日、成人女性で650~700ugRAE/日ですから、男女ともかなり不足していることが分かります。
では、サプリメントで補えばいいのか、と考えたくなりますが、現在米国では大変な事態となっています。報道によると、テキサス州ではサプリメントの過剰摂取で「ビタミンA中毒」を起こして治療を受けている子供が増えているのです。
なぜ、このようなことが起こっているのか。麻疹(はしか)のワクチンをうたなくなったからです。ロバート・F・ケネディ・ジュニア(RFK Jr)保健相の影響を受けて、ワクチンを拒否する人たちが増え、現在テキサス州を中心に麻疹が流行しています。そこで、その予防や治療にビタミンAを内服する人たちが急増し、その結果ビタミンA中毒が相次いでいるというわけです。
たしかに、麻疹に感染するとビタミンAを治療に使います。ですが、摂取量が過剰になると、頭痛、吐き気、嘔吐、肝機能障害などが起こります。妊娠中に過剰摂取すると新生児の先天異常のリスクとなります(ビタミンAの外用薬が妊娠中に使えないのはそのためです)。
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栄養調査で「日本人は不足している」と言われ、「サプリメントなどで摂りすぎると危険」と忠告されればいったいどうすればいいのでしょうか。「適量を摂りましょう」とはよく言われるセリフですが、そもそも自身のビタミンAの摂取量は不足しているのか足りているのか、あるいは食事からすでに摂りすぎていないかなどについてはどうやって把握すればいいのでしょう。
それを調べるには血液検査しかありません。しかし、ビタミンAの血中濃度測定は保険適用がなく自費で実施するしかありません。そして、費用は安くありません(当院の場合3,300円)。ですが、健康の意識が高い人は受けています。これからの時代、ビタミンDや亜鉛などと共に、日本人に不足しがちな栄養素はお金をかけても定期的に調べるべきなのかもしれません。
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