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2013年10月4日 女性も多量飲酒で脳卒中のリスクが増加

  ビール大ビン1本を毎日飲む女性は脳卒中のリスクが3倍近くに・・・

 これは大阪大学と国立がん研究センターの共同研究の結果で、同センターが2013年9月25日にウェブサイトで公表しています(注1)。大量飲酒で脳卒中になるという研究はこれまでにもありましたが、男性を中心としたものばかりで、日本人女性を対象とした大規模調査では今回の研究が初となるようです。

 研究の対象となったのは40~69歳の日本人女性約47,000人で、平均17年間の追跡調査がおこなわれています。アルコール摂取量を、「飲まない」、「時々飲む」、「週にエタノール換算で1-74g」、「週に75-149g」、「週に150g-299g」、「週に300g以上」の6つのグループに分けて検討されています。

 追跡期間中に1,864人が脳卒中になり、その内訳は、脳内出血532人、くも膜下出血338人、脳梗塞964人、その他12人とされています。これらを飲酒量により分析すると、「時々飲む」を基準としたとき、「週に300g以上」では全脳卒中のリスクが2.30倍、出血性脳卒中(脳内出血+くも膜下出血)で2.38倍、脳内出血では2.85倍、脳梗塞では2.03倍と増加が認められています。

 尚、心筋梗塞などの虚血性心疾患については292人が発症していますが、統計学的には発症例が少なく、飲酒との明らかな関係は認められなかったそうです。

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 同センターのサイト(注1参照)には、6つのグループの飲酒量ごとのリスクが棒グラフで分かりやすく示されています。これをみれば、300gで極端にリスクが上昇することがよく分かります。150-299gでもリスクが1.5倍になっていますから、脳卒中のリスクを減らすためには149g以下にした方がよさそうです(注2)。

 ただ、このグラフをよくみれば、「飲まない」グループの方が、「時々飲む」よりも脳卒中のリスクが高くなっています。昔からよく言われるように「健康維持にはほどほどの飲酒がいい」ということなのでしょうか。

(谷口恭)

注1:「女性における飲酒と循環器疾患発症との関連について」というタイトルで概要が紹介されています。下記URLを参照ください。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3310.html

また、この研究は医学誌『Preventive Medicine』2013年7月13日号(オンライン版)にも掲載されています。タイトルは、「Alcohol consumption and risk of stroke and coronary heart disease among Japanese women: The Japan Public Health Center-based prospective study」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0091743513002272

注2 150-299gでビール大ビン1~2本、300gで2本以上が目安です。日本酒なら150-299gで1~2合、300gで2合以上になります。(いずれも1日あたりの平均量)

参考:医療ニュース
2009年10月8日「酒飲みの女性は乳ガンになりやすい」
2009年12月28日「ビール週7本で乳癌のリスク急増」
2011年10月26日「女性は中年期の適量の飲酒で高齢期が健康に」
2010年4月8日「適度な飲酒は女性の体重増加を抑制」

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