医療ニュース
2013年7月7日 日曜日
2011年8月26日(金) ビタミン剤で発ガンのリスク上昇
ビタミン剤を飲むとガンのリスクが上昇する・・・
8月25日、このような意外な調査結果が国立がん研究センターから発表されました。(報道は同日の共同通信、日経新聞など) この研究は、1990年~2006年、40~69歳の男女約63,000人を対象とし、調査はアンケート方式でおこなわれています。調査期間にガンに罹患した人は4,501人だったそうです。
週に1日以上、1年間以上ビタミン剤を摂取した経験のある人は、まったく摂取したことがない人に比べて発ガンのリスクが17%も高かった、という結果がでています。ただし、サプリメントの作用と発がんとの因果関係は明らかにはなっていません。
この調査ではガン以外に、心筋梗塞などの循環器疾患についても調べられています。男性ではビタミン剤摂取に差は出なかったものの、女性では摂取している人はしていない人の6割程度にリスクが低下した、という結果がでています。
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ビタミン剤を飲んでいる人で発ガンのリスクが上昇するのは、ビタミン剤のせいではなく、元々不健康な人がビタミン剤を飲んでいるからではないか、という意見があるようですが、それならば、なぜ循環器疾患のリスクが下がるのかを説明できません。
やはり、未知のメカニズムで、ビタミン剤がガンのリスクになっている可能性がある、と考えるべきでしょう。異論があるものの、βカロチンやビタミンEが肺ガンのリスクを上昇させるという報告もありますし、さらなる研究を待ちたいところです。
最も重要なことは、ビタミンは食事から積極的に摂るべき、ということです。日々の食事をおろそかにして安易にビタミン剤に頼ろうとすると痛いしっぺ返しを受けるかもしれない、と考えるべきでしょう。
(谷口恭)
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|2013年7月7日 日曜日
2011年8月29日(月) タバコの危険性は男性より女性
タバコを吸う女性が心臓発作を起こすリスクは25%高く、肺ガンのリスクは2倍・・・。
これはアメリカでおこなわれたいくつかの研究をまとめたもので、医学誌『Lancet』2011年8月11日号(オンライン版)に掲載されています(注)。
この調査では、喫煙者と非喫煙者の心疾患リスクを検討した過去研究のデータを収集し、メタアナリシスと呼ばれる分析方法を用いてすべてのデータを検討し直しています。対象者は合計3,912,809人で、そのうち心疾患を有していたのが約67,000人となっています。男女差を検討すると、喫煙する女性は男性に比べて心臓発作を起こすリスクが25%高いことが判明したそうです。女性の喫煙期間が1年延長するごとに、同じ期間喫煙する男性に比べてリスクが2%増大するという結果もでたそうです。
また、喫煙女性では肺ガンによる死亡リスクが男性の2倍にもなることも明らかになったそうです。
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同じタバコでも女性の方が不利・・・、と言われると不平等のような気もしますが、大規模調査でこれだけはっきりとした結果がでているのですから、男女間の生理学的な差異が原因となっていると考えるべきでしょう。
もちろんこの結果は、男性は喫煙してもOK、というものではありません。ここ数年間は世界規模で禁煙運動が盛んになり、その反動からか、愛煙家の権利を奪うな、という意見も散見されますが、私自身としては医師としても元愛煙家としても、すべての人に禁煙をすすめたい、と考えています。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは、「Cigarette smoking as a risk factor for coronary heart disease in women
compared with men: a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies」で下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960781-2/abstract
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|2013年7月7日 日曜日
2011年8月30日(火) テレビの見過ぎで寿命が短く
1日6時間以上テレビを見ると寿命が5年短くなる・・・
オーストラリアでおこなわれたこのような研究が医学誌『British Journal of Sports Medicine』2011年8月15日号(オンライン版)に掲載され話題をよんでいます(注)。以前にもオーストラリアで同じ様な研究がありましたが(下記医療ニュース参照)、同国ではよほどテレビに依存する人が多いのでしょうか。
今回の研究では「オーストラリア糖尿病・肥満・生活習慣研究」と命名された研究に参加した25歳以上の男女約11,000人のデータが用いられ、調査内容には1週間のテレビ視聴時間が含まれています。
調査結果を要約すると、1日に6時間以上テレビを見る人が全体の1%で、この人たちは、まったくテレビを見ない人に比べると4.8年も寿命が短縮される、となっています。また、テレビを見る時間が1時間増えるごとに寿命は21.8分ずつ短くなるとも試算されています。
なぜテレビの見すぎが寿命と関係しているかについて、研究者らは、テレビの前から動かないことで、間食が増え運動不足となり生活習慣病のリスク上昇になっている可能性を指摘しています。
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イギリスでおこなわれた別の研究では、テレビの見すぎは心臓病のリスクとなり、しかも運動をしてもリスクは軽減されないとの結果がでていました。(下記医療ニュース参照)
私の知る限り日本人を対象とした同様の研究はないのですが、日本人にも同じことが言えるのでしょうか。また、日本を含む世界中でインターネット中毒者が増えていますが、やはり寿命が短くなるのでしょうか。今後の研究を待ちたいと思います。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは、「Television viewing time and reduced life expectancy: a life table
analysis」で、下記のURLで概要を読むことができます。
参考:医療ニュース
2010年1月25日「テレビの見すぎが寿命を縮める?」
2011年1月14日「2時間以上のテレビやパソコンは心臓病のリスク」
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|2013年7月7日 日曜日
2011年9月2日(金) チャンピックス服薬者の意識障害
厚生労働省は8月30日、禁煙補助薬のチャンピックス(一般名はバレニクリン)を服薬した人が意識障害を起こした事例が2008年5月から2011年4月の間に6例報告されたことを発表しました。6例は40~70代の男女であり、そのうち3例は車を運転中に事故を起こしていたと発表されています。
同省は、チャンピックス販売元のファイザー製薬に対し、使用上の注意の重大な副作用欄に「意識障害」を加えるよう指示した、と報道されています。(報道は8月31日の毎日新聞、共同通信など)
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チャンピックスによる意識障害は、日本発売前から海外では発生例が報告されており、そのため米国ではパイロットは服用してはいけないことになっているはずです。
太融寺町谷口医院にも、因果関係ははっきりしないものの、チャンピックスでぼーっとしたような気がする、という患者さんがおられたため使用を中止してもらったことがあります。(ファイザー製薬にも報告しています)
これまで日本でチャンピックスを服用した人はおよそ414,000人だそうです。このなかの6人に起こったということですから、意識障害は10万人に1~2人に起こりうる、という計算になります。この数字は大きくはないでしょうが、やはり車の運転などをおこなう人は充分注意すべきでしょう。太融寺町谷口医院の患者さんにもさらに注意を促していきたいと思います。
(谷口恭)
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|2013年7月7日 日曜日
2011年9月5日(月) イソフラボンは骨密度にも更年期にも無効
大豆イソフラボンのサプリメント(以下イソフラボン)は、女性ホルモンに似た働きをしてかつ安全であるという理由から、骨粗しょう症の予防や更年期障害の症状軽減を目的として幅広く摂取されています。ところが、骨粗しょう症に対しても更年期障害に対しても治療にも予防にもならない、という研究結果が医学誌『Archives of Internal Medicine』2011年8月22日号(オンライン版)に発表されました(注)。
この研究では、研究開始時点で骨密度が正常の45~60歳の女性248人が対象とされています。対象者を2つのグループにわけ、一方にはイソフラボンのサプリメントを服用(1日200mgを2年間)してもらい、もう一方にはプラセボ(偽薬)を服用してもらっています。尚、対象者は自分の服用するものがイソフラボンなのか偽薬なのか分からないようになっています。
2年後に対象者の骨密度を測定したところ、2つのグループ間に差は認められなかったそうです。
さらに、更年期障害の症状を聞き取りしたところ、顔面紅潮以外は症状にグループ間の差は認められていません。しかも、その顔面紅潮もイソフラボンを服用していたグループに多かったのです。(イソフラボン服用者の48%以上、プラセボ群の約32%に認められています) また統計学的な有意差はないものの、イソフラボンのグループの方が便秘を訴える人が多かったそうです。
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骨粗しょう症の予防や更年期障害の治療にホルモン補充療法というものが注目されていた時代がありました。しかし、有用性と副作用について検証されたWHI(Women’s Health Initiative study)と命名された大規模調査で否定的な結論が出てから見方が変わりました。その否定的な結論とは、「浸潤性乳ガンのリスク上昇と、乳ガン診断が遅れる危険性」です。それでも症例によっては積極的に検討すべきという意見もあり、完全に否定されているわけではありませんが、この調査の結果が発表されてからは、かつてほどホルモン補充療法が積極的におこなわれなくなってきているのは事実です。
その影響も受けて、「天然の女性ホルモン」とも言われるイソフラボンが一躍脚光を浴びだしたという経緯があります。しかし、今回のこの研究ではイソフラボンの有益性は否定されており、今後女性の骨密度対策や更年期障害対策の見直しが必要となるでしょう。
それにしても、サプリメントの有益性を検討した研究では、残念ながら大半が否定的な結果が出されているような印象があります・・・。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは「Soy Isoflavones in the Prevention of Menopausal Bone Loss
and Menopausal Symptoms」で、下記のURLで概要を読むことができます。
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|2013年7月7日 日曜日
2011年9月10日(土) 適度な飲酒がアルツハイマーを予防
適度な飲酒、特にワインは、アルツハイマーを含む認知症のリスクを軽減させる・・・
このような嬉しい研究結果が医学誌『Neuropsychiatric Disease and Treatment』8月号(オンライン版)に掲載されました(注)。
論文によりますと、研究チーム(米国Loyola大学シカゴ校Stritch医学部)は、1977年以降に実施された合計143個の研究を分析しています。対象者は365,000人以上にのぼるそうです。
その結果、適度の飲酒をする人は、アルツハイマーを含む認知症を発症するリスクが23%低いということが判ったそうです。その一方で、大量の飲酒は、逆に認知症のリスクを増大するとの結果もでています。(しかしこれは統計学的に有意なものではなかったそうです)
なぜ、飲酒が認知症を予防するのかについて、研究チームは、アルコールが脳の血流や脳代謝を改善させる可能性を指摘しています。また、少量のアルコールで脳細胞に小さなストレスが与えられ、認知症の原因となる大きなストレスに対処する能力が向上するという説もあるそうです。
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「適度」とはどれくらいかというと、論文では、「男性で1日2杯、女性で1日1杯」としています。認知症のリスクが上がるかもしれない「大量」は「1日3~5杯」とされています。また、お酒の種類では、「ビールや蒸留酒に比べてワインに高い効果があった」とされています。
この手の研究で最も注意しなければならないのは、これは疫学であり個人には必ずしもあてはまるわけではない、ということです。つまり、すべての人が飲酒によって認知症のリスクが23%低下するわけではないのです。ある人は、飲酒でアルツハイマーを防げるかもしれませんが、別の人はまったくお酒に影響を受けない、ということもあるわけで、全体でみてみれば23%リスクが下がっていましたよ、という話です。
ですから、お酒は楽しんで飲むことには私も賛成ですが、まちがっても認知症予防のみを目的とした飲酒はすべきではありません。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは「Moderate alcohol consumption and cognitive risk」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.dovepress.com/articles.php?article_id=8067
参考:医療ニュース
2010年8月23日「飲酒が関節リウマチに有効?」
2010年5月21日「飲酒によりリンパ系腫瘍のリスクが低減」
2010年4月8日「適度な飲酒は女性の体重増加を抑制」
2009年10月8日「酒飲みの女性は乳ガンになりやすい」
2009年5月26日「「孤独な酒」は脳卒中の危険性2倍」
2009年5月15日「お酒弱いのに飲酒・喫煙で食道ガンのリスク190倍」
2008年3月3日「お酒は憂さ晴らしに逆効果?!」
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|2013年7月7日 日曜日
2011年9月26日(月) 中国でポリオが発生
中国の厚生省が同国でポリオウイルスが検出されたことをWHO(世界保健機構)に通知し、これを受けたWHOは2011年9月1日に公表しました(注)。
中国で検出されたポリオウイルスは合計4例で、いずれも新彊ウイグル自治区内の同一の県で確認されています。4例は生後4ヶ月から2歳の小児で、7月3日~27日の間に麻痺症状を呈しています。検出されたウイルスは、いずれもポリオウイルスの1型で、遺伝子検査により、これらのウイルスはパキスタンに常在するタイプとの関連が明らかになっているそうです。
中国ではポリオウイルスの野生株が最後に報告されたのは1999年でそのときはインドからの輸入症例だったそうです。また、同国内にもともと存在する野生株の最後の発症は1994年だったそうです。
今回の報告を受けて、国際調査チームが同国に派遣され、接触者の検体採取やワクチン接種の状況の調査をおこなう予定だそうです。
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日本では、ポリオウイルスの野生株が最後に検出されたのは1993年です。しかし、ワクチンの副作用でポリオウイルスに感染したときと同じような麻痺症状が出現することは(非常に稀ですが)あり得ます。(下記医療ニュースも参照ください)
このために現在おこなわれている「生ワクチン」ではなく、安全性の高い「不活化ワクチン」の導入が待望されています。成人には生ワクチンは危険性が高く接種できないために必要な人は不活化ワクチンを接種しなければならないのですが、現在日本では販売されていません。
ところで、生ワクチンはどれだけの期間有効なのでしょうか。現在もポリオウイルスの野生株が見つかるのはインドやその周辺国のパキスタンなどです。こういった地域に渡航するのであれば、日本を発つ前にまず抗体検査をおこない、抗体がなければ(小児期に接種したワクチンの効果が消えていれば)不活化ワクチンを接種すべきということになります。
いったいどれくらいの人が抗体が消えているのかというデータは見たことがないので、私自身が最近自分自身の抗体を調べてみました。結果は、ポリオウイルスの2型には抗体が形成されていたものの1型と3型は陰性でした。私が幼少時に接種したポリオワクチンの効果はすでに切れているというわけです。もしも私が新彊ウイグル自治区やインド、パキスタンに渡航すれば、ポリオウイルスに感染するかもしれないということになります。
現在議論されている不活化ワクチンが早急に承認されることを願いたいと思います。
(谷口恭)
注:この発表は下記のURLで読むことができます。
http://www.who.int/csr/don/2011_09_01/en/index.html
参考:医療ニュース
2010年2月22日 「神戸の9ヶ月男児がポリオを発症」
2011年5月30日 「不活化ポリオワクチンがついに導入か」
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|2013年7月7日 日曜日
2011年9月29日(木) 四半期で新規エイズ発症者が過去最多
2010年は年間エイズ発症者が過去最多となったということを以前お伝えしましたが(下記医療ニュース参照)、この傾向は続いているようです。
2011年9月27日、厚生労働省のエイズ動向委員会は、2011年4月~6月(正確にいうと3月28日~6月26日)に、HIV感染に気付かずにエイズを発症した症例(いきなりエイズ)が、136人に上ったことを報告しました。これは、1984年の調査開始以来、3ヶ月ごとの集計では過去最多となります。(ちなみに2位は2010年4月~6月の129人です)
一方で、同時期に発覚した、まだエイズを発症していないHIV感染者は217人で、これは直前の3ヶ月(2011年1月~3月)と比較して減少傾向にあります。前年同期と比べると46人の減少となります。
感染経路をみてみると、(まだエイズを発症していない)HIV新規感染者の感染経路は、同性間の性的接触が148件で全体の68.2%、異性間の性的接触が39件で18.0%となっています。一方、すでにエイズを発症した症例(いきなりエイズ)では、同性間の性的接触が68件で50.0%、異性間の性的接触が43件で31.6%となっています。
同時期の保健所など公的機関で実施しているHIV抗体検査件数は31,553件で、前年同期の32,011件から減少しています。相談件数も38,784件で前年同期の40,181件から減っています。
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検査件数、相談件数の減少の原因として、関係者らは「3月の東日本大震災の発生が影響している可能性がある」とコメントしているようですが、果たしてそれだけでしょうか。
以前にも指摘しましたが、太融寺町谷口医院の患者さんをみてみても、発熱、下痢、皮疹などで受診して、患者さん自身がまさかHIVとは思ってもみなかった、という症例が増えてきています。2008年頃までは、当院でHIVが発覚した症例の半数以上は、患者さん自身がHIVを疑って受診した、というケースでしたから、東日本大震災とは関係なく、全国的にHIVに対する社会的関心が低下している、というのが私の考えです。
上の数字をみれば分かるように、まだエイズを発症していないケースでHIV感染が発覚している場合と比べ、いきなりエイズで発覚する症例は異性愛者の割合が多いという特徴があります。これは、すなわち同性愛者よりも異性愛者の方がHIVに無関心であることを示しています。そしてこの傾向は太融寺町谷口医院の患者さんにも当てはまります。つまり、異性愛者で危険な性交渉の経験がある人はもっと自覚を持たなければならない、ということです。
(谷口恭)
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|2013年7月7日 日曜日
2011年9月30日(金) RSウイルスがアウトブレイク
今年は「風邪」が多い年で、この傾向は年末まで続きそうです。このサイトで、リンゴ病(伝染性紅斑)と手足口病が過去最多の報告があるということを紹介しましたが、RSウイルスも過去最多を更新しているようです。
国立感染症研究所感染症情報センターの発表によりますと、RSウイルス感染症の小児科定点医療機関(全国に約3千ヶ所あります)からの患者報告数は6月下旬頃から増加傾向が続き、調査を開始した2003年以降で最多となっているそうです。
同センターの速報値では、9月12~18日の週の報告数は1,414人で、同時期で過去最多だった2008年の993人を大きく上回っています。都道府県別で見ると、大阪の205人が最多で、以下、宮崎160人、東京126人、福岡100人と続いています。
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RSウイルスは冬の風邪の代表的な病原体のひとつです。新生児では重篤化することもありますが、小学生以降の子供や成人ではさほど重症化しません。しかし特効薬があるわけではなく、特に日ごろ不摂生をしているような人が感染すると長期化することもあります。
RSウイルスには迅速診断キットがあるのですが、一般の診療所では保険適用がないために症状から疑うことになります。特効薬はなく、解熱剤、咳止めなどの対症療法しかありません。
ワクチンはありませんが、予防用の抗体はあります。ただし、適用は、早産で生まれた新生児や先天性心疾患を持つ小児に限られます。
(谷口恭)
参考:医療ニュース
2011年7月29日 「手足口病の勢い止まらず」
2011年6月25日 「リンゴ病が過去10年で最多」
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|2013年7月7日 日曜日
2011年10月6日(木) 禁煙で記憶力アップ!
昨年(2010年)の10月1日にタバコが大幅に値上げされ、その前後には禁煙治療希望者が一気に増え、全国的に禁煙治療薬のチャンピックスが品切れとなりました。しかし、この禁煙ブームの盛り上がりは次第に冷めてきたようで、年明け(2011年1月)あたりから禁煙治療希望者は減少傾向にあります。
現在禁煙を検討している人に対して朗報があります。
禁煙のメリットにはいろんなことがありますが、医学誌『Drug and Alcohol
Dependence』2010年12月1日号(オンライン版)に掲載された論文(注)によりますと、記憶力も向上することが明らかとなったそうです。
この研究は英国Northumbria大学により実施されています。喫煙者27人、元喫煙者18人、喫煙未経験者24人が対象となり記憶テストがおこなわれています。テストでは、対象者に与えられた課題を思い出してもらい記憶力を測定しています。その結果、元喫煙者は課題の74%、喫煙未経験者は81%を記憶していたのに対し、喫煙者で課題を記憶していたのは59%にとどまったそうです。
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この研究では、対象者の数が少ないように思われますが、それでも注目すべき内容でしょう。研究者によると、禁煙による記憶力への効果を検討した研究は今回が初めてだそうです。(過去にあってもよさそうな研究のように思われますので調べてみたのですが、私が調べた範囲では確かに記憶力と禁煙に関する研究は見当たりませんでした)
現在喫煙している人は、この研究結果を充分に吟味してみればどうでしょうか。この情報の記憶がなくなる前に・・・。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは、「Smoking and everyday prospective memory: A comparison of
self-report and objective methodologies」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0376871610002383
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