医療ニュース

2013年8月3日 土曜日

2008年2月12日(火) タバコで年間800万人が死亡

 タバコに関連する世界の死者数が2030年までに年間800万人に上り、その80%が発展途上国だけで占められる恐れがある・・・

 これは、WHO(世界保健機関)が2月7日に発表した報告です。(報道は2月8日の共同通信)

 WHOによりますと、現在、世界で推定約500万人が死亡しています。世界の喫煙者は10億人以上で、約3割が中国、その後に、インド、インドネシア、ロシア、米国、日本と続いています。

 報告書によりますと、タバコの値段は国で大きく異なり、日本では1箱300円程度なのに比べ、イギリスでは5ポンド23ペンス(約1、090円)となっています。日本と米国の間には大きな差はないようです。

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 日本でもタバコを大きく値上げしてみればどうかと思います。イギリス並みに千円にしてみて、それでも喫煙者が減らなければ1箱1万円くらいにすればさすがに喫煙率は下がるのではないでしょうか。(そうなると闇タバコが登場するようになるかもしれませんが・・・)

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月13日(水) はしか(麻疹)が今年も大流行の兆し

 昨年、アウトブレイクしたはしか(麻疹)が今年も大流行する可能性が強くなってきました。

 1月1日から27日に全国の医療機関から国立感染症研究所に報告された患者数は659人にのぼっています。学級閉鎖をおこなうところもでてきて、例年よりも早く流行が始まる恐れがあります。(報道は2月10日の毎日新聞)

 報告によりますと、罹患者は、10~14歳が166人、15~19歳が135人と10代が中心となっています。報告された罹患者のおよそ6割は予防接種歴がないそうです。

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 昨年のアウトブレイクを受けて、すてらめいとクリニックにも大勢の方がはしかの抗体検査あるいはワクチン接種を受けに来られました。

 ワクチンを接種している人でも抗体ができていない人が数多くおられます。10代だけでなく20代、あるいは30代前半の人でも抗体のない人が少なくありません。

 報道には「早く流行が始まる」という表現が使われていますが、そもそも先進国にははしかはほとんどないわけで、”流行”があること事態が問題です。

 気になる方は一度抗体検査をされてはいかがでしょうか。大流行する前に・・・。

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月18日(月) 日本のHIV陽性者、またもや最多記録を更新

 厚生労働省のエイズ動向委員会が、2月12日、2007年に新たに報告されたHIV感染者及びエイズ発症者の数を発表しました。

 発表によりますと、2007年に新規にHIV感染がわかった人が1,048人、すでにエイズを発症していた人が400人で、合計1,448人となります。これは過去最多であり、感染者・発症者の合計報告数は2003年以降、5年連続で最多を更新し続けています。

 1,448人の内訳は、男性が1,336人、女性が112人。感染経路は同性間の性的接触が849人、異性間の性的接触が367人、薬物の乱用によるものは6人です。年代は、30代が568人と最多で、20代348人、40代292人と続いています。

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 報告から分かることは、日本のHIVの傾向として、男性同性愛者に多いことと、薬物の乱用が極端に少ないということです。

 しかし、ハイリスクの人すべてが検査を受けているわけではありません。特に薬物乱用がわずか6人というのは少なすぎるように思われます。

 いろんなところで指摘しましたが、日本は世界有数の”ドラッグ天国”です。また、私の印象で言えば、同性愛者に比べて異性愛者は性感染症に対する意識が低いように思えます。

 「男性同性愛者に多い」「薬物乱用者が少ない」ということを裏からみれば、「(リスクのある性行為をしている)異性愛者」と「薬物乱用者」の意識が低いという言い方ができるのではないでしょうか・・・。

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月18日(月) ニセ薬がインターネット上に大量に流通

 2月16日の日経新聞によりますと、バイアグラやタミフルなどの偽物がインターネットで大量に流通していることが分かりました。

 偽物の存在はFDA(米国食品医薬品局)の調査によって明らかにされ、日本向けサイトで「純正品のバイアグラ」とされているものも偽物であることが判りました。

 日本の厚生労働省もこういったサイトの存在を把握しているようですが、「(業者の)場所が分からないので手を出せない」(監視指導・麻薬対策課)というのが現状のようです。

 FDAが調査したサイトのなかで、インターネット上で流通しているダイエット薬に有効成分が入っていないことが確認されています。また、ED治療薬のシアリスの偽造品も確認されているようです。

 偽造医薬品問題に詳しい専門家は次のようにコメントしています。

 「専門家の指導で使うべき医薬品を個人で使うのは危険。外国語による使用法の説明や虚偽表示、日本語では誤記載があり、適正に使用できない。直接生命や健康にかかわる医薬品をネットで買うのはやめてほしい」

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 このウェブサイトでも過去に何度か指摘しましたが、インターネット上で流通している医薬品のおよそ半数が偽物という報告もあります。

 ”直接生命や健康にかかわる医薬品”ということをお忘れなく・・・

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月19日(火) タイでデング熱が急増

 タイ保健省によりますと、デング熱の罹患者が急増しており今年はすでに2,800人以上が感染し、そのうち4人は死亡しています。(報道は2月17日のBangkok Post)

 デング熱が日本で発見されるのは、タイをはじめとするアジア諸国から帰国後に高熱が続くような場合です。

 この感染症は、ネッタイシマ蚊と呼ばれる蚊によってデングウイルスが運ばれることによって発症します。したがって、東南アジアで蚊に刺されたときは要注意です。

 蚊が媒介する病原体としてはマラリアが有名ですが(マラリアを媒介するのはハマダラ蚊という別の蚊です)、デング熱はマラリアに比べると発生頻度が高くてタイに滞在する外国人が感染することはまったく珍しくありません。

 デング熱だけならそれほど大事にいたることはありませんが、「デング出血熱」という状態になれば命にかかわる事態にもなります。

 現在流行しているデング熱のおよそ70%はバンコクを含むタイ中部に集中しているようです。

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 「タイから帰国後発熱が続いて・・・」と言って、すてらめいとクリニックを受診される患者さんの多くはなぜかB型肝炎やHIVを心配しています。(これは”思い当たる行為”があるからでしょう・・・)

 アジアから帰国後発熱したときは、「蚊に刺されなかったか」をまず考えるようにしてみましょう。

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月19日(火) 喫煙が睡眠障害を引き起こす!

 喫煙はおそらくニコチン離脱症状のために睡眠の質を低下させる・・・

 このような報告が医学誌「Chest」2月号でおこなわれ話題を呼んでいます。(報道は2月11日のMedscape)

 この研究は喫煙者の脳波を測定することによっておこなわれています。

 喫煙者は非喫煙者と比べると、α波の割合が高く、δ波の割合が低いことが明らかにされています。これは、喫煙者では浅い睡眠の時間が長く、深い睡眠の時間が短いということを示しています。

 他の様々な要因を考慮した結果、研究者らは、「喫煙が、年齢、性別、人種、身体測定値、カフェイン・アルコール摂取、併発疾患、精神衛生状態とは無関係に睡眠構築を変化させる可能性がある」と結論づけています。

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 様々な喫煙の害が次々と明らかにされる中で、睡眠についての報告はこれまであまりなく、今回の発表がタバコをやめようとしている人のモチベーションにつながるかもしれません。

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月19日(火) 自らの首をしめて82人が死亡

 自分で自分の首を絞めると快感が得られるということをご存知でしょうか。

 私はこのことを医学部の学生の頃、法医学の授業で学んで衝撃を受けました。法医学者の仕事のひとつに変死体の死因究明がありますが、法医学者は自室で首を絞められた若者の死体に遭遇したときに必ずこの可能性を考えるそうです。

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 2月14日、米国CDC(疾病管理局)は、自分で首を絞めるなどして快感を得る遊びが原因で死亡するケースが近年急増し、1995年から2007年に米国内で少なくとも82人が死亡したことを発表しました。(報道は2月18日の共同通信)

 死亡者の大半は10代の少年で、CDCは「”首絞めゲーム”の存在を親が知らない例が多い」として、家庭でも子供の行動に注意するよう呼びかけています。

 CDCによりますと、死者は6-19歳で、特に11-16歳の少年に集中し、平均年齢は13歳となっています。経験者は「首を絞めることで高揚感が得られる」と話しており、絞めているうちに窒息してしまうといいます。

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 少し前に流行った渡辺淳一氏の小説『愛の流刑地』のなかで、ヒロインの女性が性行為の最中に主人公の男性に首を絞めるよう懇願するシーンがあります。(そして実際に首を絞められて死んでしまいます) おそらく元医師の渡辺淳一氏は、首を絞めることによって得られる快感を知っていたのでしょう。

 けれども、決してマネはしないように!!

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月19日(火) 不眠不休は脳にダメージ

 ラットをほとんど眠らせないで5日間活動させると、脳内の下垂体(ホルモン分泌を司る部位)の細胞の一部が死滅することが、大阪市立大学の研究であきらかとなりました。(報道は2月18日の共同通信)

 これは、強いストレスが過剰なホルモン分泌につながり、その結果細胞が働きすぎて死滅すると考えられるそうです。研究者らは、「人間にも同じホルモン分泌細胞がある」と指摘し、「徹夜勤務が続くなど過労が原因で起きる病気に関係しているかもしれない」とコメントしています。

 しかし、ストレスを加えたラットを2,3日休ませると、分泌細胞は元通りに再生するようです。研究者らは、「早めに休み、疲れを溜め込まないことが大切」としています。

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 私が就職活動をしていた1990年当時、「24時間働けますか」という言葉が流行語になっていました。あの頃は不眠不休で働くのが当たり前のような時代でしたが、その後バブル経済の崩壊と共に、「ゆとり」や「癒し」といった言葉が流行るようになりました。

 この研究からも分かるように、適度な休息をないがしろにしていると、身体を痛めることになりますし、仕事の効率も落ちるでしょう。

 「24時間働けますか」と問われていたあの頃よりも、勤務時間が長い今の私もやがて破綻してしまうのでしょうか・・・

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月25日(月) 出生数が再び減少

 2月20日に厚生労働省が発表した人口動態統計の報告によりますと、2007年の年間の出産数は、前年比1,341人減の1,120,937人であることが分かりました。

 2006年には出生数が6年ぶりに増加しましたが、再び減少したことになります。

 合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の人数の推計値)は、2006年の1.32から1.33程度に回復する可能性が高いようですが、これは、子供を産む年齢層の女性人口が減っているからです。

 死亡数は、前年比24,099人増の1,119,492人で、出生数から死亡数を引いた「自然増加」は、1,445人となります。

 婚姻件数は、前年比10,890組減の737,127組で、5年ぶりに増加した前年から減少に転じています。離婚件数は、前年比2,475組減の258,876組で、5年連続減少しています。

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 国が人口を維持するには、合計特殊出生率が2.1程度必要だと言われていますから、この統計をみても、日本は確実に人口減少の一途をたどっています。

 婚姻数に占める離婚件数の割合が35%を超えているのも驚きです。単純に考えれば、3組に1組以上が離婚する計算になってしまいます。

(谷口恭)

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2013年8月3日 土曜日

2008年2月25日(月) 禁煙すれば緑茶が胃癌の予防に

 緑茶をよく飲む女性は胃癌のリスクが3分の1に減少する・・・

 厚生労働省の研究班が、2月22日、このような報告をおこないました。(報道は2月22日の共同通信)

 この理由は緑茶のシブみ成分のポリフェノールにあるようです。今回の研究は、ポリフェノールの血中濃度を測定することによっておこなわれています。

 喫煙との関係をみると、「ポリフェノールの血中濃度が高い非喫煙者は胃癌の危険性が低いが、血中濃度が高い喫煙者は逆に危険性が上がる」という結果がでています。

 この調査は、岩手、秋田、大阪など9府県の40から69歳の男女約37,000人が対象となり平均12年の追跡がおこなわれています。この期間に胃癌になった人494人と、ならなかった人の血液を分析することによって研究がおこなわれました。
 
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 喫煙との関係を別の言葉で現すと、「タバコを吸っていれば、たとえ緑茶をたくさん飲んでポリフェノールを積極的に摂取しても胃癌になりやすい」ということになってしまいます。

 禁煙を考えている人は動機付けになりませんか?

(谷口恭)

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