医療ニュース

2013年8月10日 土曜日

2007年5月14日(月) 緑茶が脳梗塞を予防する可能性

 緑茶を1日5杯以上飲むと脳梗塞の死亡リスクが、男性で42%、女性で62%も低下する・・・。

 このような研究結果を東北大学公衆衛生学教室が発表し話題を呼んでいます。

 同大学は、宮城県内の40歳から79歳の男女約4,5000人を1994年から追跡調査し、1日に緑茶を飲む量でグループに分けて分析をおこないました。
 
 その結果、脳や心臓など循環器系の病気の死亡リスクは、緑茶を飲む量が多いほど低下することが判りました。1日に1杯未満の人に比べ、5杯以上飲む人は、男性で22%、女性で31%低下しています。脳血管障害では男性で35%、女性で42%低下し、特に脳梗塞は男性42%、女性62%とリスクが大きく低下しています。

 一方、がんによる死亡のリスクとは関連はないという結果がでています。紅茶やウーロン茶を飲む量とこれらの病気の死亡リスクに関連はなかったようです。

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 脳梗塞のリスクが、男性35%、女性42%軽減というのは大変大きな数字だと思われます。「血をサラサラにする!」などとうたったサプリメントや健康食品が氾濫していますが、これだけ大きな予防効果のあるものが緑茶という身近なものであるであることは興味深いと言えます。

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2013年8月10日 土曜日

2007年5月14日(月) はしかが大阪でも大流行の兆し

 現在、関東地方で猛威をふるっているはしか(麻疹)が、大阪でも大流行しそうな勢いで増加しています。

 大阪府は、5月10日、府内ではしかの発症が増えていることを発表し、予防接種を呼びかけました。

 府によりますと、定点観測対象の医療機関214ヶ所で、毎週0-1人程度だった発症者が5月6日までの1週間で7人(1歳未満2人、1-15歳3人、15-19歳2人)に急増しています。これは、昨年1年間の約3分の1に上り、定点観測病院以外でも発症例が増加しているとの情報もあります。

 はしかは、ウイルスに感染後、10日前後の潜伏期間を経た後、高熱やせき、鼻水など風邪のような症状、さらに、全身に赤い発疹が広がります。感染すると4割は入院治療が必要となり、空気感染するために、感染者と同じ室内にいるだけでうつることもあります。

 府は予防接種が有効であることを訴え、原則無料で受けられる1歳と小学校就学1年前の子どもには早めに受けさせる、接種と罹患経験のない人はできるだけ受ける、などを推奨しています。

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 はしかは発症すると効果的な治療法がなく、最も有効なのは予防接種(ワクチン)です。あらかじめワクチンを接種しておくことが望ましいのですが、感染者と接してしまったらそれから3日以内に接種すれば、発症しても重症化が防げます。

 最近は、小さい頃に、予防接種を受けた人でも感染する例が多いですから、気になる人はまずは抗体検査を受けてみればいかがでしょうか。

参考:予防接種をしよう

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2013年8月10日 土曜日

2007年5月14日(月) 卓球ラバー用接着剤で意識不明

 厚生労働省は5月10日、「バタフライ」のブランド名で知られる卓球用品メーカー「タマス」が販売するラケットのラバー用接着剤を使った岡山県の40代男性が、アレルギー反応を起こし一時意識不明になったことを発表しました。(報道は5月11日の毎日新聞)

 同じ接着剤はこれまでに約12万本出荷されており、同社は製品回収を急いでいます。

 厚労省やタマスによりますと、男性は3月中旬、自宅でラケット本体にラバーを張り付けるため同社の接着剤「スーパーロング・チャック」(250ミリリットル入り)を付属品のはけで塗っていたところ、気分が悪化し、病院に着いたところで呼吸困難になり意識を失いました。2週間後に意識が回復し、現在は快方に向かっているそうです。

 厚労省は1973年から、家庭用品に含まれる有害物質が原因とみられる事故報告を都道府県から受けていますが、接着剤で重篤な症状が出たケースは初めてだそうです。

 ただ、この接着剤には、シクロヘキサンなどの有機溶剤が含まれており、健康への影響などを考慮し、国際卓球連盟が来秋からの使用禁止を決めていたそうです。

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2013年8月10日 土曜日

2007年5月22日(火) 中国製のせき止めで100人以上が死亡

 パナマで販売されたせき止め薬に中国製の有毒な原料が含まれており、服用した少なくとも100人が死亡していることが、今月になって海外のメディアで報道されています。

 これは、せき止めシロップに甘味料として使われるグリセリンの代わりに、中国の業者が安価な産業用のジエチレングリコールを用いたことが原因です。

 中国当局は、「無認可の業者が、医薬品として使えない化学原料を製造した」として中国企業の関与を認めています。

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 このような劣悪な医薬品が日本に輸入されていることはないでしょうが、海外では目にすることがあるかもしれません。海外旅行に行かれる方は充分注意をしましょう。

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2013年8月10日 土曜日

2007年5月22日(火) 栄養補助食品で苦情80件

 5月14日の共同通信によりますと、小林製薬が栄養補助食品として発売している商品で「体がかゆい」などの苦情が全国から80件寄せられており、同社は商品を自主回収し、代金を返す方針をとっています。

 この栄養補助食品は、肌に潤いを与えるとして2001年に発売を開始した「セラミド」と、アトピー症状の緩和に役立つとして2005年に発売した「アトなしヘルプ」です。いずれも、アレルギー物質として表示義務のある原料「カゼインナトリウム」の表示が欠落していたようです。

 小林製薬は発売から5年以上経過してからの回収について、「原因が分からず対応が遅れてしまった」と謝罪していますが、同社では苦情後も商品の成分調査を一度もしていなかったようです。

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 栄養補助食品のトラブルは決して少なくありません。皮膚のトラブル以外では、下痢、頭痛、倦怠感などがよくある症状です。気になる方はかかりつけ医に相談してみましょう。

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2013年8月10日 土曜日

2007年5月29日(火) 人口あたりの医師数、日本が最下位に?

 OECD(経済協力開発機構)が発表した2003年時点の人口あたりの医師数は、日本が加盟30か国中27位です。

 これが、2020年には最下位になるとの試算を日本福祉大学が発表し話題をよんでいます。

 同大学によりますと、2003年時点で日本より医師数の少ない3つの国、韓国、メキシコ、トルコは現在医師数が大きく伸びており、それぞれ、5.5%、3.2%、3.5%となっています。一方、日本は1.26%という少なさです。このまますすむと、2020年には日本はこれら3つの国に抜かれて最下位に転落するというわけです。

 今回の研究を発表した同大学の近藤教授は次のようにコメントしています。

 「政府は医療費を抑えるため、医師数を抑え続けてきたが、もう限界だ。少ない医師数でやれるというなら、根拠や戦略を示すべきだ」

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 私は、2003年1月に『偏差値40からの医学部再受験』という本を上梓し、そのなかで日本の医師は大幅に不足していることを指摘しましたが、当時厚生省のとっていた方針は「医師数の抑制」でした。

 今でさえ、日本の医療はすでに崩壊していると嘆く医療従事者は少なくありません。医学部定員の大幅な引き上げが早急に必要だと私は考えています。

参考:
メディカルエッセィ第25回 「日本の医師はこれだけ不足している!!」

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2013年8月10日 土曜日

2007年5月29日(火) 「普通」体形の子供が減り、中高年男性の50%がメタボに

 厚生労働省が5月16日に発表した国民健康・栄養調査によりますと、子供(小学生+中学生)の体形は、「普通」が男女とも57%で、「肥満」「やせすぎ」がそれぞれ2割前後となっています。特に男子中学生は、「普通」が半数以下の48%で、3人に1人が「やせぎみ・やせすぎ」となっています。

 また、40~74歳の中高年男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリック症候群の該当者か予備軍であることが分かりました。

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 すてらめいとクリニックを受診する患者さんをみていても、10代の男女はやせていて、中年男性には肥満が多いという傾向があります。

 私が子供の頃は、そんなに太った中年男性はいなかったように思いますし、子供はやせていたとしても筋肉はそれなりにあったと思うのですが、わずか二、三十年で日本人の体形が大きく変わってしまったのでしょう。

 これからの日本はどうなってしまうのでしょうか・・・

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2013年8月10日 土曜日

2007年5月29日(火) 女性長寿日本1位、男性は2位

 WHO(世界保健機関)が5月18日に発表した「2007年度版世界保健報告」によりますと、2005年の平均寿命が世界で一番長かったのは、男性はサンマリノの80歳、女性は日本の86歳でした。

 前回の統計までは男女とも日本が世界1位でしたが、今回の発表(2005年)では、男性平均寿命が79歳で2位でした。

 男性の平均寿命2位は、日本以外にも、オーストラリア、アイスランド、スゥエーデン、スイスなどが名前を連ねています。

 女性はモナコが85歳で2位、フランス、サンマリノなど計7ヶ国が84歳で3位となっています。

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 ところで、平均寿命が最も短いのは、男性がシェラレオネ、女性がスワジランドでともに37歳となっています。ちなみに、世界193ヵ国の平均寿命は、男性64歳、女性68歳です。

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2013年8月10日 土曜日

2007年5月29日(火) HIV感染がまたもや過去最多

 厚生労働省のエイズ動向委員会が5月22日に発表したHIV感染者の報告によりますと、2006年に国内で新たに報告されたHIV感染者は1,358人で、そのうち406人がすでにエイズを発症していることが分かりました。

 エイズ発症者が年間400人を超えたのは初めてです。

 新規感染者(エイズ発症者を除く952人)の内訳は、男性863人、女性89人。年代別では30代が390人、40代が164人と大きく上昇しています。感染経路は同性間の性的接触が63%、異性間の接触が23%となっています。

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 「いきなりエイズ」が約3割と低くない数字を示していることに注目しなければなりません。早期発見をすれば、HIV感染はすでに「死に至る病」ではないのです。

 すてらめいとクリニックのHIV検査は、抗体検査なら30分で結果が出ます。NATを利用すれば、危険な行為から2週間足らずで検査がおこなえます。

 気になる方は早めの受診を・・・

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2013年8月10日 土曜日

2007年6月11日(月) はしかの女子高生(日本)と結核の弁護士(米)

 4月に関東で勃発したはしか(麻疹)のアウトブレイクは、全国に広がり依然とどまる様子がありませんが、修学旅行でカナダ西部を訪れた東京都内の私立女子高生が、はしかの疑いで「隔離」されていたことが分かりました(報道は5月30日の共同通信)。

 報道によりますと、この女子高生がはしかが強く疑われるとのことで「隔離」をされ(”強く疑われる”とされているのは検査結果が報道時点で出ていないからだと思われます)、同行グループの41人が予防接種を受けています。

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 私は以前、米国の医師に、「日本では結核が少なくない」という話をしたところ、「日本は先進国ではないのか。先進国で結核が多いなどということはあり得ないではないか・・・」、と驚かれたことがあります。

 報道からは日本人に対する非難の声は上がっていないようですが、おそらく先進国のカナダからすると、「なぜ先進国の日本ではしかが流行しているのか・・・」と感じているのではないかと思われます。

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 一方、米国の弁護士がとんでもない行動をとり世界中から非難の声が殺到しています。

 6月1日のロイター通信によりますと、31歳の米国の男性弁護士が、薬に対して非常に強い耐性を持った危険な結核菌(XDR-TB)に感染し、米疾病管理局(CDC)から旅行しないようにとの助言を受けていたのにもかかわらず、自らの挙式のため、アトランタからパリ経由でギリシャに入国しました。

 この男性は、新婚旅行で訪れたローマで米疾病管理局から一般の飛行機に乗らないように警告されましたが、男性はプラハ発の飛行機でカナダに入り、車で米国に帰国しました。この帰国の際に拘束されるべきであったのに、その措置が取られなかったことが騒ぎをさらに大きくしているようです。

 男性は現在、1963年以来となる強制隔離命令を受けて入院しており、テレビにはマスクをつけた姿の録画で出演して謝罪しました。男性の周りにいた旅客は結核検査を受けるよう疾病管理局から求められているようです。

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 この弁護士は、他人への危険を考えない無責任な行動との批判に対して、当初「自分は高い教育を受けた頭の良い人間」などと自己正当化したことが火に油を注ぐことになりました。

 そういえば、2005年にはSARS(重症急性呼吸器症候群)に感染した疑いがもたれていた台湾人の医師が日本に入国したことが大きな問題になりました。
 
“高い教育を受けた頭の良い”弁護士や、医学知識のあるはずの医師がこのような無責任な行動に出るわけですから、報道されていないだけで似たような事件はいくらでもあるのかもしれません。

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