医療ニュース

2013年8月11日 日曜日

2007年3月23日(金) 米国では刑務所内でC型肝炎ウイルスが蔓延

 3月15日のAP通信によりますと、刑務所内でのC型肝炎ウイルス(HCV)の蔓延が大きな問題になっているようです。

 刑務所内でのC型肝炎ウイルスの陽性率がどの程度なのかについては詳しい調査がおこなわれたことはないのですが、ある試算によると220万人の監獄者のうち、40%がこのウイルスに感染しているそうです。米国の全体のC型肝炎ウイルス陽性率は約2%ですから、40%というのは大変な感染率です。

 しかしそれだけではありません。もっと大きな問題は、C型肝炎ウイルスに感染している監獄者の大半が自身の感染に気づいていないということです。出所後に気づかぬままに他人に感染させていることが予想されるわけです。

 AP通信によりますと、これだけC型肝炎ウイルスが監獄者に流布している原因として、ドラッグユーザーの注射針の使いまわし、タトゥー、ボディピアスなどが考えられるそうです。

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 日本の刑務所内のデータについては聞いたことがありませんが、日本人全体では米国と同様2%程度、およそ200万人がこのウイルスに感染していると言われています。

 すてらめいとクリニックでも自覚症状がなく検査をしてC型肝炎ウイルスが陽性であったという患者さんは少なくないように思われます。感染ルートには性交渉もありますから、気になる人は一度検査をすることをおすすめいたします。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月23日(金) ダイエット用食品から未承認医薬品検出

3月21日の毎日新聞によりますと、福岡市は20日、インターネットで販売されているダイエット用健康食品「アメリカンビューティースリムダイエット」から、国内で未承認の医薬品成分「シブトラミン」などが検出されたことを発表しました。

 昨年12月から服用していた福岡市内の40代の男性が、貧血などの症状を訴え、1月下旬に医療機関を受診し、このダイエット食品を服用していることが発覚しました。医療機関から福岡市に連絡が入り、市は報道をおこないました。

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 「シブトラミン」は食欲抑制剤で、端的に言えば覚醒剤類似物質のようなものです。様々な副作用もありますし、海外では依存性も報告されています(覚醒剤に似ているのですから当然ですが・・・)

 インターネットで販売されている健康食品には大変危険な成分が混入していることが少なくありません。気になるものがあれば自分で試す前にかかりつけ医に相談するようにしましょう。

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2013年8月11日 日曜日

2007年3月26日(月) 周辺県に多い”いきなりエイズ”

 最近はHIVの検査が随分普及してきて、HIV感染が早期発見される機会が増えてきています。しかし、依然として、エイズを発症して初めてHIV感染が分かる症例(医療従事者はこれを”いきなりエイズ”と呼んでいます)が少なくないのも現実です。

 以前から、この”いきなりエイズ”は東京都や大阪府といった中心地よりも、その周辺県に多いことが指摘されていましたが、厚生労働省が3月22日に発表した集計でその傾向がよりはっきりとしました。(3月23日の共同通信が報道しています)

 昨年1年間で新たにHIV感染が判った人1,304人のうち、すでにエイズを発症していた”いきなりエイズ”の人は390人で、全体の29%に相当します。

 関東の”いきなりエイズ”をみてみると、東京都が21%なのに対し、茨城県50%、千葉県42%、埼玉県48%と周辺県での高い数字が目立ちます。

 東海では、愛知県が27%なのに対し、岐阜県53%、三重県83%です。

 関西では、大阪が19%なのに対し、滋賀県37%、奈良県53%、京都府27%、兵庫県43%と、やはり周辺県が高くなっています。

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 HIVにはすぐれた薬があるとはいえ、内服を開始しだすタイミングが遅ければ寿命を縮めることになりかねません。そうならないためにも、積極的に検査を受けるようにしましょう。

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2013年8月11日 日曜日

2007年4月2日(月) 新しい健診方法はメタボに重点

 厚生労働省の検討会は、糖尿病など生活習慣病の要因となるメタボリック症候群(内臓脂肪型肥満)に重点を置く新しい健診の方法を決めました。

 新しい評価方法を簡単にまとめると以下のようになります。

①腹囲(ウエストライン)が男性85センチ以上、女性90センチ以上、もしくは腹囲は基準値以下だがBMI(注)が25以上

②血糖:空腹時血糖値100mg/dL以上、もしくはHbA1Cが5.2%以上

③脂質:中性脂肪が150mg/dL以上、もしくはHDL(善玉コレステロール)が40mg/dL以下

④血圧:収縮期が130mmHg以上、もしくは拡張期が85mmHg以上

⑤喫煙:血糖、脂質、血圧の1つ以上に該当する場合のみ加える

 上記①から⑤までで2つ以上が該当すれば「積極的支援」、1つなら「動機づけ支援」となります。「積極的支援」に該当すれば、医師などが行動目標を示し、半年後に目標の達成度を評価することになります。

注:BMIは、体重(キログラム)÷身長(メートルの2乗)で計算します。例えば、体重88キロ、身長2メートルなら、88÷2の2乗=88÷4=22、となります。

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 厚労省は、来年4月からこの算定方法を施行するとしていますが、すてらめいとクリニックでは、すでにこの基準を考慮して生活指導をおこなっています。最近は、20代の人でも「積極的支援」に該当する人が少なくありません。体重もしくはウエストラインが気になる人はお気軽に受診してください。

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2013年8月11日 日曜日

2007年4月2日(月) 子宮けい癌見落としで3800万円の賠償命令

 3月27日の共同通信によりますと、2001年に子宮けい癌で死亡した福岡市の女性(当時29歳)の遺族が、診察で癌を見落とされ手遅れになったとして、福岡市のクリニックに損害賠償を求め、福岡地裁はクリニックの過失を認め、約3,800万円の支払いを命じました。

 この女性は不正出血を訴えて1999年にこのクリニックを受診しましたが、子宮けい癌は疑われずに検査をおこなっていなかったそうです。

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 子宮けい癌が原因で不正出血が起こることもありますが、まったく症状がなくても子宮けい癌の検査は定期的に受けるべきです。最近は20代前半で子宮けい癌に罹患する人も少なくありません。すてらめいとクリニックでは、20歳以上の女性には、1年に1度は子宮けい癌の検査を受けることをすすめています。

参考:不正出血
    子宮けい癌

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2013年8月11日 日曜日

2007年4月2日(月) 希望どおりの治療はわずか37%

 治療の選択に患者側の希望が生かされていると考えている医師は76%なのに対し、一般の人でそう考えているのはわずか37%しかない・・・

 このようなアンケート結果が発表され話題を呼んでいます(報道は3月30日の共同通信)。

 このアンケートは、今月大阪で開催される日本医学総会に向け、同会のホームページなどでおこなわれたもので、回答者は医師約5,400人、その他の医療従事者約2,100人、一般の人約19,000人です。

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 すてらめいとクリニックでは、できるだけ患者さんの意見を聞いて治療法を共に考えていくという方針をとっているつもりですが、この結果をみると、満足していない患者さんも少なくないのでは・・・、と思わずにはいられません。

 当たり前のことですが、患者さんが治療に満足できなければ医師も満足できません。すてらめいとクリニックのミッション・ステイトメントには「常に患者さんの立場にたって患者さんに接する」という項目があり、スタッフ一同常に意識しているつもりなのですが、今後はさらに徹底していきたいと思います。

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2013年8月11日 日曜日

2007年4月2日(月) 中国の梅毒蔓延が危機的に

 中国では梅毒が5大感染症のひとつに入るそうです。

 「現在、梅毒の蔓延が中国内で危機的な状況にあることはもっと注目されなければならない」

 南京の性感染症センターの研究者がチャイナ・デイリーの取材にそのようにコメントしています(報道は3月31日の同紙)。

 1990年代の初頭から比べると、中国では梅毒の罹患率は実に60倍にもなっています。2006年には人口10万人あたり13人が梅毒に罹患しています。しかし、この数字は中国全土の国立の性感染症クリニックのなかの26個の拠点クリニックのデータを集計したものに過ぎず、私立のクリニックや病院などを受診した人の数は含まれていません。したがって、実際にはこれよりも遥かに高い感染率であることが推測されます。

 中国の性感染症に従事するある医師は言います。

 「私の経験から言って、梅毒と診断される患者がひとり見つかると、他の検査を受けていない患者が7人から8人はいると推測される」

 中国では梅毒の母子感染も深刻化しており、1991年には10万人の新生児のなかで梅毒に感染して生まれるケースが0.01人だったのに対し、2005年には2,000倍の20人にまで増加しています。これは毎年約3,400人の梅毒に感染した赤ちゃんが生まれてくることを意味します。

 「もしも抜本的な梅毒対策が取られないなら、新生児の梅毒罹患が急増し国家は致命的なダメージを受けることになるだろう」、このような見方をする専門家もいます。

 梅毒は抗生物質で比較的簡単に治癒する性感染症です。中国では200元(約3,000円)程度で治療をおこなうことができます。しかしながら、もしも無治療で放置しておけば、性器の潰瘍、心血管や脊髄の障害、さらに脳にまで障害を与え、死に至ることもある感染症です。

 梅毒に罹患している相手と平均2回の性交渉をもてば感染するといわれています。

 中国で梅毒が特に深刻化しているのが沿岸の地域です。中国政府の公式データによりますと、トップは上海で人口10万人あたり55.3人、浙江35.9人、福建26.8人、北京24.9人、と続きます。

 どのような人に感染者が多いかというと、最もリスクが高いのが売春婦とその顧客です。顧客には、配偶者と離れる期間の長くなる地方からの出稼ぎ労働者が多いと言われています。また、都心に住むゲイたちの間でも感染率が急増しています。

 中国でこれだけ梅毒が急増している原因として、性交渉の低年齢化、多数のパートナーとの性交渉、低いコンドームの普及率などがあげられます。コンドームについては、中国産のものは品質が低すぎて使えない、との不満が売春婦たちからあがっているそうです。

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 梅毒に限らず、日本人が中国で性感染症に罹患するケースは最近急激に伸びてきているように思います。以前はタイでの感染の方が多かったと思われるのですが、現在では海外での感染はおそらく中国が1番でしょう。

 梅毒はコンドームを用いていても感染することがありますが、抗生物質の治療で比較的簡単に治ります。無症状だったけれどたまたま検査をしたら見つかった、という人も少なくありません。危険な性交渉のある人は一度検査を受けてみればどうでしょうか。

参考:梅毒

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2013年8月11日 日曜日

2007年4月7日(土) 札幌の高校生が結核に集団感染

 3月30日、札幌市は、市内の女子高生1人が結核を発症し、他に同じ高校の生徒ら70人が集団感染したことを発表しました。発病した女子高生は一時的に入院しましたが、現在は回復して退院しているようです。

 札幌市によりますと、昨年12月20日に女子生徒が結核と診断され、1月から3月にかけてその生徒と接触が多かったとみられる生徒ら計190人に胸部レントゲンやツベルクリン反応をおこなったところ、70人から陽性反応が出ています。

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 長引く咳、長引く微熱、寝汗、体重減少、などがある方は早めの受診を・・・。

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2013年8月11日 日曜日

2007年4月7日(土) 休肝日がないと死亡リスク倍増

 お酒をまったく飲まないいわゆる「休肝日」が週に2日以下の男性は、3日以上ある人に比べて死亡リスクが最大で1.8倍高い・・・

 このような疫学調査結果を厚生労働省研究班が4月6日に発表しました。研究は、全国8地域で40-69歳の男性約42,000人を対象とし、1990年から2003年まで追跡しています。

 日本酒に換算して週に13合以上の飲酒をおこなう人は特にリスクが高いという結果もでています。週に20合以上飲む人では、3日以上の休肝日をつくるかつくらないかで死亡リスクに1.8倍もの差があることが確認されています。

 研究者は、「飲酒量の多い人は、まず休肝日をつくり、その次に飲酒量を一日1~2合程度にまで減らすよう心がけて」、と呼びかけています。

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2013年8月11日 日曜日

2007年4月13日(金) 愛知県のホームページにAEDマップ

 心臓が止まっている人に自動的に電気ショックを与えることのできるAED(自動体外式除細動器)の設置場所をパソコンや携帯電話で探せる「あいちAEDマップ」が、愛知県のホームページ上に開設されたそうです。(報道は4月11日の毎日新聞)

 AEDは、医師以外の使用が認められた2004年7月以降普及が広がり、愛知県では2006年度末までに県立高校や県事務所などに約340台を置いています。民間でも、不特定多数が集まる百貨店や駅などで設置が進んでいます。しかし、届出の義務はないために県はどこに設置されているかが把握できていません。ホームページでは、設置者自らに登録してもらう方式をとっています。

 利用者は、ホームページから設置場所、施設名などのキーワードや地図上から場所を指定して検索します。携帯電話でも調べることができ、さらにGPS携帯であれば位置情報を入力する必要がなく、現在地から500メートル以内で設置されているかが分かります。

 4月10日時点でのAED登録数は125件です。ホームページはhttp://aed.maps.pref.aichi.jpです。

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 今後このような試みは全国に広がるでしょう。すてらめいとクリニックでも現在AEDの設置を検討しています。(値段がかなり高いのでいつになるかは未定です・・・)

参考:
メディカルエッセィ第48回(2007年1月号)「あなたはAEDが使えますか」

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