医療ニュース
2016年5月13日 金曜日
2016年5月13日 「味の素」で大腸がんの予防
先月の「はやりの病気」で、AICR(米国がん研究協会、American Institute for Cancer Research)が発表した「大腸がんの半数を減らすことのできる6つの習慣」を紹介しました(注1)。その6つをざっと振り返ると、①太らない、②運動する、③食物繊維を摂る、④加工肉NG、⑤アルコール控える、⑥ニンニクたっぷり、です。
今回お伝えしたいのは、「グルタミン酸が大腸がんの予防になる」とする研究で、医学誌『Cancer』2016年3月15日号(オンライン版)に掲載されています(注2)。
この研究の対象者は「ロッテルダム・スタディ」と呼ばれる疫学調査に参加した55歳以上のオランダ人5,362人で、調査開始は1990年です。調査期間中242人が大腸がんを発症しています。分析の結果、調査開始時のグルタミン酸摂取量と大腸がんの発症には相関関係があることがわかりました。つまり、グルタミン酸を多く摂っていれば、大腸がんのリスクが減らせるというわけです。
総蛋白摂取量に占めるグルタミン酸の割合が1%増加すれば相対リスクが0.78に、つまり発症のリスクを22%下げることができるとされています。さらに、この傾向は体重によって異なるようです。BMIが25以下、つまり適正体重であれば相対リスクが0.58で、これは42%もリスクが減るということを意味します。
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太っていればグルタミン酸の効果が減るというのは、AICRの「6つの習慣」のひとつでもある、上記①太らない、と関係があるのかもしれません。つまり太っていることによるリスクがグルタミン酸の効果を差し引くということです。
適正体重であればグルタミン酸摂取で大腸がんの相対リスクが0.58になるというのは、センセーショナルな結果であり、世界中で取り上げられてもいいと思うのですが、今ひとつ話題になっていません。私の分析では、この理由は以下の3つです。
(1)オランダという比較的小さな国での研究である。(これが米・英、あるいは日本ならもっと大きく取り上げられたかもしれません)
(2)「総蛋白摂取量に占めるグルタミン酸の割合」というものがそんなに簡単に計測できるのか、という疑問がある。(私自身も、この計測の正確さに疑問を持っています)
(3)グルタミン酸の有害性を指摘する声もある
ところで、我々日本人が「グルタミン酸」と聞いてまず思い出すのが「味の素」です。というより、この論文を読めばほとんどの日本人が「じゃあ、味の素をしっかり摂ればいいのだろうか」と思うでしょう。
私は個人的には「味の素は健康に寄与できる」ということがもっと強調されてもいいと感じているのですが、味の素株式会社はその点で消極的なようです。少なくとも味の素を効果的に使うことによって、塩分摂取を大幅に減らすことが可能です。さらに大腸がんの予防効果があるとなると、PRしないのはもったいないという気がするのですが・・・。
私の推測ですが、上記(3)、つまり、グルタミン酸≒味の素の有害性を強調する声があるために、あまり味の素の良さが味の素株式会社からもアピールされないのではないかという気がしています。どのようなものも摂取しすぎるのは良くありませんが、私の経験上、少なくともタイ、マレーシア、インドネシアといった東南アジアの人たちに比べると日本人の味の素の摂取量がかなり少ないのは間違いありません。以前タイのある地域で、ソムタム(タイのパパイヤサラダ)をつくっているのを見たとき、味の素をあまりにも大量に入れているのを見て驚いたことがあります(注3)。一皿に大さじ2~3杯は入れられていました。ちなみに、タイでも味の素は「アジノモト」と呼ばれています。
グルタミン酸≒味の素の有害性については過去に指摘されたことがありますが、現在は少なくとも信憑性の高い否定的なデータはほとんどありません。もしも味の素が健康を害するものなら、日本より摂取量が多いと思われるタイを初めとする東南アジアで何らかの被害が生じると思うのですが、そういう話も聞きません。現在WHOはグルタミン酸の上限を設けておらず安全なものとしていますから、私自身はそれほど過敏になる必要はなく、美味しいと思える範囲でどんどん摂取すればいいと思っています。ただ、どのようなものも摂りすぎには注意する必要がありますが(注4)。
注1:下記を参照ください。
はやりの病気第152回(2016年4月)「大腸がん予防の「6つの習慣」とアスピリン」
注2:この論文のタイトルは「Baseline dietary glutamic acid intake and the risk of colorectal cancer: The Rotterdam study」で、下記URLで概要を読むことができます。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cncr.29862/abstract
注3:詳しくは下記を参照ください。
マンスリーレポート2013年8月号「この夏の暑さと塩と味の素」
注4:味の素も多量に摂りすぎると中毒症状を呈することがあります。「味の素中毒」(中華料理店症候群)については下記を参照ください。
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|2016年5月6日 金曜日
2016年5月6日 怒りやすいのは寄生虫が原因の可能性
些細なことですぐに怒り出す人はどこの社会にもいますから、文化の違いはあるにせよ、「そういった人もいての世の中」と考える必要があります。ただし、怒りの程度が一線を越えてしまえば「病気」と認識すべきです。
ちょっとしたことで突然声を荒げ、暴力的行為を働き、実際に他人に損傷を負わせる、あるいは他人のモノを壊す、となれば、それが10分程度で治まったとしてもやはり「病気」であり治療の対象となります。(必ずしも治療は上手くいきませんが)
すぐに怒り出す(すぐにキレる)というエピソードは、いくつかの精神疾患、例えば、パーソナリティ障害(特に、反社会性パーソナリティ障害や境界性パーソナリティ障害)、統合失調症、躁病、ADHD(注意欠陥多動性障害)などでも起こりえます。しかし、これら疾患では説明がつかない、より重症の「すぐに怒る病気」があり、「間欠性爆発性障害(以下IED)」と呼ばれています。
IEDはこれまで、脳の疾患であるとする説が有力で、実際に脳MRIを撮影すると異状が認められるとする報告もあります(注1)。今回新たに報告されたものは従来の説を根底から覆すもので、その原因は感染症とされています。
医学誌『The Journal of Clinical Psychiatry』2016年3月23日号(オンライン版)に掲載された論文(注2)によれば、IEDの原因はトキソプラズマという原虫です。
研究の対象者は成人358人。IEDの診断がついているグループ、IED以外の精神疾患を持つグループ、精神疾患のないグループの3つのグループに分け、トキソプラズマ抗体(IgG抗体)が調べられています。抗体陽性率は、IEDグループで22%、他の精神疾患グループで16%、精神疾患のないグループで9%だったそうです。また、トキソプラズマ抗体の陽性者と陰性者を比べると、陽性者の「怒り・攻撃性のスコア」は有意に高かったそうです。
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トキソプラズマといえばAIDS患者に発症するものと一般には思われており、実際免疫能が低下した場合に感染し発症します。ネコの糞から感染するのが一般的な感染ルートです。症状としては、発熱、リンパ節腫脹、肝機能異常などが主で、重症化すると、筋炎、肺炎、網脈絡膜炎(目の炎症)、さらに重症化すると全身の多臓器不全をおこします。また、妊娠中に初感染すれば(HIV感染に関係なく)、胎盤を介して胎児に感染することがあります。すると胎内死亡、流産・早・死産が生じやすくなり、出生すると、脳内石灰化、水頭症(小頭症)、網脈絡膜炎、精神・運動発達遅滞などをきたします。妊娠するとネコに注意、と言われるのはトキソプラズマの初感染を防ぐためです。(すでに感染したことのある人は気にする必要はありません)
さて、この研究はトキソプラズマでIEDのすべての説明がつくわけではありません。それに、先にも述べたように、怒りというのは誰にでも起こりうる反応ですから、怒りっぽい性格の人全員が検査をする必要はもちろんありません。ただ、以前と性格が変わってしまい、些細なことで周囲を驚かせるくらいに怒ってしまうという人はかかりつけ医に相談してもいいかもしれません。
注1:この論文は医学誌『Biological Psychiatry』2016年1月号(オンライン版)に掲載されており、タイトルは「Frontolimbic Morphometric Abnormalities in Intermittent Explosive Disorder and Aggression」。下記URLで概要を読むことができます。
http://www.biologicalpsychiatrycnni.org/article/S2451-9022%2815%2900007-5/abstract
注2:この論文のタイトルは「Toxoplasma gondii Infection: Relationship With Aggression in Psychiatric Subjects」で、下記URLで全文を読むことができます。(全文が読めるのは一定期間内となる可能性もあります)
http://www.psychiatrist.com/JCP/article/Pages/2016/v77n03/v77n0313.aspx
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|2016年4月27日 水曜日
2016年4月27日 ダイエットには充分なタンパク質を
最近、水が最強のダイエット飲料であるという情報を紹介しました(注1)。これは、ほとんどコストゼロでできる簡単で(度を超さなければ)安全なダイエット法であり、体重が気になる人はすぐにでも実践すべきでしょう。今回お伝えするのも、比較的簡単にできて、しかも苦痛を伴わない方法です。
タンパク質の豊富な食事は満腹感を早くに得られる・・・
医学誌『Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics』2016年3月3日号(オンライン版)にこのような研究結果が報告されています(注2)。
この研究は、米国インディアナ州Purdue大学のRichard D. Mattes氏らによっておこなわれました。研究の方法は、新たに被験者を募ったわけではなく、これまでに発表されている多くの論文を総合的に解析するというものです。(これをメタ解析と呼びます)
結果、タンパク質を豊富に取れば、タンパク質が少ないときよりも満腹感が早く得られることが分かったそうです。この理由について、研究者は、タンパク質がいわゆる「満腹ホルモン」の分泌を促しているのではないかと推測しています。どのくらいのタンパク質を摂取すれば満腹感を得られるのかについては、はっきりと言及していません。
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体重が気になる人がいればすぐにでも試してみるべきかもしれません。水が有効という研究もあるわけですから、食事前にまず水を飲み、その後野菜のみならずタンパク質も積極的に摂るようにして、満腹ホルモンの分泌が終わってから、少量の脂肪、最後に少量の炭水化物という流れがダイエットには理想ということになります。
注1:下記を参照ください。
医療ニュース2016年4月4日「最強のダイエット飲料は「普通の水」」
注2:この論文のタイトルは「The Effects of Increased Protein Intake on Fullness: A Meta-Analysis and Its Limitations」で、下記URLで概要を読むことができます。
http://www.andjrnl.org/article/S2212-2672%2816%2900042-3/abstract
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|2016年4月26日 火曜日
2016年4月26日 睡眠不足で食欲亢進はカンナビノイドが原因
睡眠時間が短いとダイエットの効果が乏しくなるという研究を以前お伝えしたことがあります(注1)。この研究は、同じ食事量でも睡眠不足があるとやせにくい、とするものです。そして、睡眠不足がダイエットに不向きな理由はまだあります。睡眠時間が短いと食欲が亢進することを実感したことのある人は多いのではないでしょうか。今回お伝えしたい研究はそのメカニズム解明につながるかもしれない興味深いものです。
睡眠不足になるとカンナビノイドが増加する・・・
カンナビノイドと聞いて分からないという人もいるかもしれませんが、これは誰もが知っている物質です。それは「大麻」です。多幸感をもたらす大麻の成分がカンナビノイドなのです。(正確にはカンナビノイドにもいくつかの種類があり、多幸感と無縁のものがありますがここではその説明に踏み込みません)
大麻は日本では今も違法であり、世界各国でも前世紀までは一部の国と地域を除いて違法でしたが、ここ10年くらいで合法とする国が一気に増えました。南米、ヨーロッパでは多くの国が合法になり、アメリカでもいくつかの州ですでに合法です。また、日本を含む違法の国であっても入手するのはそうむつかしくありませんから、興味本位で試したことがあるという人もいるでしょう。大麻には依存性もありますし(大麻推進派は「ない」と言いますが、ないわけではありません)、副作用も少なくありませんから安易に手を出すべきではないと私は考えています。そして大麻フリークの人たちも「これだけは困る・・・」と口をそろえて言う”副作用”があります。それが「食欲亢進」です。
今回紹介する研究は米国シカゴ大学が運営している『SCIENCE Life』と名前のウェブサイト(注2)に報告されています。
この研究の対象者は20代の健常なボランティア男女14人です。最初の4日間は8.5時間、残りの4日間は4.5時間の睡眠時間が与えられました。(実際の平均睡眠時間は7.5時間と4.2時間) 全日程において1日3食の食事が与えられ、定期的な血液検査がおこなわれました。
結果、睡眠時間が短ければ、血中カンナビノイド値が、充分な睡眠時間のときに比べて33%も上昇していました。さらに、睡眠時間が充分なときは、血中カンナビノイドは昼食後にピークとなり、その後次第に下降していくのですが、睡眠不足があれば、血中カンナビノイド値の立ち上がりが遅く、午後の遅い時間から上昇し、夕方から夜遅い時間まで高値を維持したままであることが分かりました。
そして、実際に血中カンナビノイドが高いままの睡眠不足になると、空腹を訴え続け、差し出されたスナック菓子を、睡眠時間が充分なときに比べ2倍近い量を食べたそうです。そして、カロリー摂取量は睡眠時間が充分なときに比べ50%も上昇し、摂取脂肪量にいたっては2倍にもなったそうです。
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睡眠不足があれば、同じカロリー摂取であっても太りやすいだけでなく、食欲が大幅に亢進するというわけです。
現在、日本でも大麻を解禁すべきという意見が増えてきているようですが、太ることに敏感な日本人の性格を考えると、太るなら大麻なんていらない、という声が上がり、意外にも世論が「大麻解禁反対」となるかもしれません。
それにしても多幸感をもたらすカンビノイドが体内で合成されるというのは興味深いと言えます。ヘロイン(麻薬)やメタンフェタミン(覚醒剤)も、なぜ多幸感や興奮をもたらすかというと、これらに似た物質が体内でつくられるからです。ならば、いわば天然の大麻、麻薬、覚醒剤などを思いのままに脳内で作り出せることができれば随分精神状態が安定するのではないか、というのは私が長年考えていることです。いずれ、このことについても詳しく述べたいと思います。
注1:はやりの病気第139回(2015年3月)「不眠症の克服~「早起き早寝」と眠れない職業トップ3~」の中で紹介しています。
注2:このレポートのタイトルは「Sleep loss boosts hunger and unhealthy food choices」で、下記URLで読むことができます。
https://sciencelife.uchospitals.edu/2016/02/29/sleep-loss-boosts-hunger-and-unhealthy-food-choices/
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|2016年4月25日 月曜日
2016年4月25日 ノロウイルスの有効な予防法
毎年冬から春にかけてノロウイルスを代表とする感染性胃腸炎(注1)が流行します。ノロウイルスには一応は周期があるとされており、たしかに統計学的な数字をみれば流行したのは2002年、2006年、2010年と規則性があるように見受けられます。しかし、私の実感としては少なくともここ数年間は「数年毎の流行」ではなく、「毎年の流行」のような印象があります。
なぜノロウイルスがやっかいなのか。それは感染力が非常に強く、通常のアルコール消毒では効果が不十分だからです。ただし、アルコールがまったく無効というわけではありません。しかし、アルコールはまったく無効と考えている人が(医療者の中にも)います。実は、アルコールの効果に対する考え方は少しずつ変わってきており、厚労省の正式な文章でも表現が改訂されています。また、ノロウイルスに対して有効と思われる新しい消毒液が発売されましたので、これについても紹介したいと思います。
2004年2月4日に厚労省が発表した「ノロウイルスに関するQ&A」(注2)には、「ノロウイルスの失活化には、エタノールや逆性石鹸はあまり効果がありません。ノロウイルスを完全に失活化する方法には、次亜塩素酸ナトリウム、加熱があります」と書かれています。これを素直に読めば、アルコール(エタノール)は使うべきでなく、ノロウイルスの対策には化学薬品としては次亜塩素酸ナトリウム以外にはない、となります。
このQ&Aは2015年6月30日に改訂(注3)されました。消毒については「一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウムや加熱による処理があります」、とされています。「(エタノールには)あまり効果がありません」という文言が消えています。
2004年の表現と2015年の改訂文書は似ているようにみえるかもしれませんが全く異なります。先に述べたように2004年の文書では「アルコールは効果なし」と読めるのに対し、2015年版では「アルコールは完璧ではないですが使うべきです」と解釈できるからです。
実は、アルコールに対する効果が過小評価されていないか、ということは以前からしばしば指摘されていました。実際には、アルコールはノロウイルスにもある程度は有効です(注4)。ノロウイルスの予防に最も有効なのは「徹底的な手洗い」です。石けんについては、他のウイルスほど有効ではありません。一般に、エンベロープといって”殻”のようなものを持つタイプのウイルス(インフルエンザウイルスやHIVが代表です)には石けんは有効ですが、エンベロープを持たないタイプのウイルスは効果が劣ります。しかし石けんはアブラを落とすのが得意ですから、アブラに付着したノロウイルスを洗い流すことはできます。ですから石けんは効果が不十分とはいえ使った方がいいのです。
アルコールに話を戻すと、病原体の予防を考えたとき、(特に日本人は)「完璧さ」を求めます。このため、「アルコールで完全に死滅させることができないならもっと強力なものはないのか」と考えたくなります。そして、その「もっと強力なもの」が次亜塩素酸ナトリウムです。実際、次亜塩素酸ナトリウムであれば、ほとんどすべての微生物を完璧に防ぐことができます。
しかし、欠点もあります。まず刺激が強すぎて皮膚に直接付けることができず手洗いには使えません。金属に塗布すると腐食するという欠点もあります。木材や有機物と接触すると消毒のパワーが減弱することも指摘されています。このため、木製の椅子や手すりなどの消毒には不十分となる可能性があります。パルプを原料とした紙も同様で、以前は、嘔吐物に新聞を載せてその上から次亜塩素酸ナトリウムをかけることが推薦されていましたが、最近はこの方法を疑問視する声もあります。
最近、ノロウイルスを効果的に予防することのできる改良型の消毒薬が相次いで登場してきています。価格が高いことなどもあり、現時点ではまだそれほど普及していませんが、医療機関のみならず一般企業や家庭でも今後使われるようになっていくかもしれません。下記はその一例です。
〇ルビスタ(R)(キョーリンメディカルサプライ社)
http://www.rubysta.jp/
〇ラビショット(健栄製薬株式会社)
http://www.kenei-pharm.com/medical/344/
〇ザルクリーン (健栄製薬株式会社)
http://www.kenei-pharm.com/medical/336/
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注1:ノロウイルスに感染しているかどうか調べてほしい、という要望がときどきありますが、原則として成人の場合は保険適用もなく現実的ではありません。ノロウイルスは成人であればほとんどのケースで入院は不要ですし、そもそも特効薬がありませんから、検査することにあまり意味がありません。一方、小児や高齢者で入院が必要になる場合は院内感染のリスク管理の意味もあり検査がおこなわれることが多いといえます。
注2:下記URLを参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/dl/040204-1.pdf
注3:下記URLを参照ください。
注4:消毒に用いるアルコールには「エタノール」と「イソプロピルアルコール」があります。ノロウイルスを含むエンベロープを持たないウイルスにはイソプロピルアルコールでは有効性が乏しいため、エタノールを用いるべきです。
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|2016年4月4日 月曜日
2016年4月4日 最強のダイエット飲料は「普通の水」
普通の水(plain water)こそが最強のダイエット飲料だ・・・
医学誌『Journal of Human Nutrition and Dietetics』2016年2月22日号(オンライン版)に掲載された論文が主張していることです。
この研究の対象者は米国在住18歳以上の合計18,311人です。対象者が飲食したものとその量を分析した結果、普通の水の摂取量を1%増やすと、1日の総摂取カロリーが8.58Kcal減少し、さらに脂肪0.21グラム、砂糖0.74グラム、塩9.80ミリグラム、コレステロール0.88グラム、それぞれの摂取量が減少するという結果が出ました。
これは、対象者の人種・民族、教育レベル、収入、体重に関わらず同じように言えることのようです。女性や高齢者より、若年から中年の男性に顕著に認められたようです。
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普通の水を1%増やしたときの数字が算出されていますが、これではわかりにくいと思います。そこで例を挙げて考えてみましょう。毎日朝食前にコップ1杯の水を飲む人がいたとして、この人が夕食前にも飲んだとしましょう。水の摂取量は100%の増加となります。論文の数字にあてはめてみると、総摂取カロリーは8.58キロカロリーx100=858キロカロリー減少、塩は9.8ミリグラムx100=980ミリグラム≒1グラムの減少となります。
もしもコップ1杯の水を増やすことでこれだけ摂取カロリーが低下し、塩分を減らすことができるなら、世の中のほとんどの肥満と高血圧がなくなることになります。いくらなんでもそこまでの効果はないだろうと思えますが、比較的大規模な調査ですからこの研究は注目に値します。そして「普通の水」なら低コスト(日本ではほぼ無料)であり、度をこさなければ安全です。
ところでこの研究の恩恵に最も預かれる国はどこでしょうか。それは日本を含む水道水が飲める国です(注2)。この研究はアメリカ人を対象としています。アメリカではほとんどの地域で水道水が飲めませんから、おそらくこの研究でいう「普通の水(plain water)」とはコンビニやスーパーで売られているミネラルウォーターのことを指していると思われます。
海外に行けば誰もがすぐに実感することですが、日本のように食堂や喫茶店に着席した時点で無料の飲料水を持ってきてくれる国はほぼありません。しかも日本の水は軟水で味もいいのです。(ヨーロッパの一部の国では水道水が飲めますが、硬水であることが多く、美味しくありません。ただし北欧の水は日本よりも美味しいという声もあります)
これからは、たとえばファミリーレストランに着席したときは、まず出されたコップ1杯の水を飲みながらメニューを眺め、水を飲み終えてから注文するような習慣を身につければどうでしょう。
注1:この論文のタイトルは「Plain water consumption in relation to energy intake and diet quality among US adults, 2005-2012」で、下記のURLで概要を読むことができます。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jhn.12368/abstract
注2:水道水が飲める国というのはほとんどありません。しかも美味しく飲めるとなると、日本を除けば、ニュージーランドと北欧くらいだと思います。国土交通省が公表している平成16年度の「日本の水資源」のなかに報告あります(下記URL参照。ページ40)。(平成26年度版ではなぜか言及されていません)
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/h16/1.pdf
参考:
メディカルエッセイ第94回(2010年11月)「水ダイエットは最善のダイエット法になるか」
医療ニュース2016年2月29日「水道水には多数の「良い細菌」」
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|2016年3月29日 火曜日
2016年3月29日 帯状疱疹予防にワクチンを
一般財団法人阪大微生物病研究会(通称「ビケン」)が製造する水痘(みずぼうそう)のワクチンが、2016年3月18日より50歳以上の帯状疱疹予防のために接種することができるようになりました。
帯状疱疹は、治療開始が遅れた場合、あるいは早期に開始した場合でも、その後長年にわたり強烈な痛みに苦しめられる「帯状疱疹後神経痛」という疾患に悩まされることがあります。原因は水痘(みずぼうそう)のウイルスで、新たに感染するのではなく、子供のとき(成人の感染も珍しくはありません)に感染して体内に潜んでいるウイルスが活性化することによって起こります。
ウイルスが活性化するのは免疫状態が低下するからです。ならばワクチンを接種してウイルスに対する抵抗力を上げるという考えは理にかなっており、米国などでは随分前から水痘ワクチンによる帯状疱疹の予防が普及しています。高齢になると免疫状態が低下しますから、厚労省が50歳以上に接種を認めたことは適切です。
しかし、です。免疫力が低下するのは加齢だけではありません。疲労、睡眠不足などでも低下します。実際、太融寺町谷口医院の患者さんの例でいえば、帯状疱疹の患者さんは50歳以上よりもむしろ40代に多いですし、30代でも珍しくありません。なかには20代の患者さんもいます。
ということは、50歳まで待たなくてももっと早い段階で接種すべきと考えられます(注1)。(実際、私も少し前に接種しました) ただ、50歳未満でワクチンを接種して何らかの副作用(副反応)がでた場合に補償されないという問題はあります(注2)。
帯状疱疹を起こすような免疫力の低下として、「免疫力を低下させる疾患」があります。悪性腫瘍が多いのですが、谷口医院の例でいえば、若い患者さんの場合は膠原病とHIVが多いようです。したがって、膠原病やHIVがある人は年齢が若くても積極的にワクチンをうつべきです。(ただし、HIVのコントロールが不良な場合や膠原病でステロイドの内服を続けている場合は接種できません)(注3)
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注1:帯状疱疹の予防以前に、水痘にかかったことのない人は、早急にワクチン接種をすべきです。水痘は子供のときに罹患すれば、大多数は後遺症もなく治癒しますが、成人になってから感染すると、命にかかわるような状態にはならないものの、醜い皮膚症状が残り、なかには人目が気になり外出できなくなる人もいます。
注2:よく誤解されるのは、厚労省が承認すれば保険適用になる、というものです。「承認」というのは、保険適用になるわけではなく、ワクチンの被害がでたときに補償の対象になるということです。
注3:これら以外には、臓器移植後や重症のアトピー性皮膚炎などで免疫抑制剤を内服している場合も接種できません。
参考:
はやりの病気第71回(2009年7月)「帯状疱疹とヘルペスの混乱」
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|2016年3月28日 月曜日
2016年3月28日 900万人以上もいる「隠れメタボ」に注目すべき
肥満でないのに高血圧や高血糖などの異常を複数持つ「隠れメタボリックシンドローム」の患者が全国で914万人に上ることを厚生労働省研究班(代表=下方浩史・名古屋学芸大教授)がまとめた。
これは、2016年3月7日の読売新聞(オンライン版)の報道です。隠れメタボがあると、ない人に比べて心臓病を発症するリスクが1.23倍になるそうです。(なぜか他の全国紙、朝日、毎日、日経、産経などでは報道されていません)
「隠れメタボ」とはどのようなものなのか。簡単にまとめておきます。通称「メタボ」、正式名称「メタボリック症候群」は、一言でいえば、「肥満の程度や健診の数値はたいしたことがないけれど、将来心筋梗塞や脳梗塞といった心血管系疾患にかかりやすい状態」のことをいいます。
具体的な診断基準として、まず「腹囲」をみます。男性は85cm以上、女性は90cm以上の腹囲があれば「メタボの可能性あり」とされます。そして、①血圧、②血糖値、③中性脂肪またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)のうち2つ以上で軽度でも異常(注1)があればメタボの確定診断となります。
今回厚労省研究班が発表した「隠れメタボ」とは、腹囲の基準を満たしておらず、BMI(体重÷身長の2乗)(注2)が25未満であるものの、上記①②③の2つ以上が該当している状態のことを指します。研究班によれば隠れメタボは全国で914万人にも上るそうです。
この報道、あまり盛り上がっていないようですが(読売新聞以外は報じていません)、私は非常に重要な「問題提起」だと考えています。
メタボリック症候群という概念を普及させることの意味はたしかにあります。行政としては何らかの診断基準を示して国民に注意を促す必要があるからです。しかし現状は正確な情報が伝わっておらず誤解が蔓延しています。
最も問題だと思われるのが腹囲の基準です。メタボの基準には「身長」が加味されません。身長を考えずに腹囲だけで判断するわけですから当然正確さは劣ります。次に筋肉量が考えられていないことが問題です。たとえば、同じ腹囲85cmだったとしても、おなかだけポッコリでている人と柔道選手ではまったく異なるわけです。身長も筋肉量も考慮しない「腹囲」にどれだけの意味があるのか、というのが日々生活習慣病の患者さんを診ている私の実感です。
メタボリック症候群は元々「内臓脂肪症候群」と呼ばれていました。それほど見た目には肥満でなくても内臓脂肪が蓄積し、血圧や血糖などに軽度の異常が伴えば心血管疾患を起こしやすいことから命名された病名であり、重要なのは「内臓脂肪を減らすこと」です。
内臓脂肪を的確に評価するには腹部CTが適しています。しかしCT撮影で大量の被爆をしてまで計るべきではありません。そこで代替として「腹囲」が採用されているのです。しかし腹囲を絶対視しすぎると内臓脂肪の正確な評価ができなくなります。
さらに輪を掛けてここ数年私が問題だと考えているのは「ちょいメタボが長生きする」という誤解です。これについては過去のコラムで述べたように大変危険な考えです。少し太っている方が長生きというのは西洋人を対象としたものです。実際、ADA(米国糖尿病学会)は、糖尿病のスクリーニング検査を推奨するBMI値を従来は25としていましたが、「アジア系アメリカ人」の住民については23に設定しなおしています。これは、多くのアジア系米国人が一般的なアメリカ人に比べると、BMIが低くても糖尿病を発症していることを示すデータがあるからです。
大切なことは「診断基準にとらわれない」ということです。行政はいつも国民全体に目を向けていますから最大公約数としての指針を示します。国民ひとりひとりのことを考えているわけではありません。あなたにとって大切なのは国が発表する基準ではなく、あなた自身とあなたの家族の健康です。腹囲にとらわれない、ちょいメタボが長生きするといったデマにだまされない、今回の発表にあったように隠れメタボが900万人以上もいる、といったことを理解して、気になることがあればかかりつけ医に相談するのが最善です。
注1:正確には、①血圧が収縮期130mmHg以上または拡張期85mmHg以上、②血糖値110mg/dL以上、③中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満、です。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が含まれていないことに注意してください。LDLコレステロールは他の値がすべて正常であったとしても、つまり単独で高いだけでも心血管系疾患のリスクとなります。
注2:体重はkg(キログラム)、身長はm(メートル)で算出します。たとえば身長2メートル、体重88kgの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。一般的には25以上を過体重としますが、本文で述べているように、日本人の場合はこれよりも少ない基準で考えるべきです。
参考:医療ニュース2015年1月31日「やはりアジア人は太るべきでない」
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|2016年3月7日 月曜日
2016年3月8日 コーヒーを毎日飲めば膀胱がんのリスクが低下
このサイトでは過去10年以上にわたり、コーヒーがいかに健康に良いかということを繰り返し伝えています。これは私がコーヒー好きだからではなく(それもあるかもしれませんが)、一流の医学誌に掲載されたきちんとした研究を紹介している結果です。もちろん否定的な研究が報告されればそれも伝えていますが、おしなべて言えば、コーヒーは多くのがんや生活習慣病の予防に有効であることを、いくつもの大規模調査が示しています。今回紹介するのは「コーヒーが膀胱がんのリスクを低下させる」というものです。
研究は日本の学者によりおこなわれています。宮城県の住民を対象とした2つの大規模調査のデータを解析しコーヒーが膀胱がんのリスクを低下させるという結論が導かれています。論文は医学誌『European journal of cancer prevention』2016年2月12日号(オンライン版)に掲載されています(注1)。
2つの大規模調査とは「宮城コホート研究」と「大崎コホート研究」で、それぞれの追跡期間は17.6年、13.3年です。対象者は合計73,346人、調査期間中に膀胱がんを発症したのは274人です。
コーヒーを時々飲む人、1日1~2杯飲む人、1日3杯以上飲む人は、まったく飲まない人に比べて、膀胱がんの発症リスクが、1.22、0.88、0.56という結果です。これは、コーヒーを時々飲めば22%リスクが上昇するものの、毎日1~2杯飲めば12%低下し、3杯以上飲めば44%も低下するということを意味します。
尚、膀胱がんの最大のリスクのひとつに「喫煙」がありますが、この調査は喫煙の有無を考慮して解析しても同様の結果となっているようです。
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研究ではコーヒーをときどき飲めば逆にリスクが高くなっています。この理由は分かりませんが、3杯以上で44%もリスクが下がっていたというのは注目に値します。コーヒー好き(私も含めて)には嬉しい結果です。紅茶や日本茶との関係も気になるところであり、今後そういった研究も待ちたいと思います。
注1:この論文のタイトルは「The association between coffee consumption and bladder cancer incidence in a pooled analysis of the Miyagi Cohort Study and Ohsaki Cohort Study.」であり、下記URLで概要を読むことができます・
参考:
はやりの病気
第22回(2005年12月)「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」
第30回(2006年4月)「コーヒー摂取で心筋梗塞!? 」
メディカルエッセイ
第105回(2011年10月)「お茶とコーヒーとチョコレート」
医療ニュース
2015年8月28日「コーヒーが悪性黒色腫を予防」
2014年8月22日「コーヒーで顔のシミも減少」
2014年6月30日「コーヒーで基底細胞癌のリスクが43%も減少」
2013年9月2日「コーヒーの飲み過ぎで死亡リスク増加?」
2013年4月18日「コーヒーでも緑茶でも脳卒中のリスク低減」
2013年1月8日「コーヒーで口腔ガン・咽頭ガンの死亡リスク低下」
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|2016年3月7日 月曜日
2016年3月7日 「睡眠12箇条」の指導手引きが公開
不眠を訴えて受診される患者さんは少なくありません。そのなかの、全員とは言いませんが多くの方は、「不眠の対処法」について誤った考えを持っています。その代表は「眠くならなくても同じ時間にベッドに入るべき。眠れなくても横になっているだけで健康に良い」というもので、これは間違いです。
「健康日本21推進全国連絡協議会」という民間の団体をご存知でしょうか。この協議会は、2000年に国が開始した「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の趣旨に賛同した民間団体が集合した協議会です。この協議会が2016年2月2日、「健康づくりのための睡眠指針2014 ~睡眠12箇条~ に基づいた保健指導ハンドブック」というものをウェブ上で公開しました(注1)。
このハンドブックは、2014年3月に厚労省が「健康づくりのための睡眠指針2014」というタイトルで公表していた睡眠の指針をイラストやグラフをふんだんに取り入れて分かりやすく解説したものです。序文に、「この手引きは、 保健師等、睡眠の保健指導に携わる方々が、健康相談や健康教育などの機会に活用することを想定して作成されている」と書かれていますが、かなり分かりやすく編集されているので、指導に携わる人でなく、指導を受ける人、つまり不眠に悩んでいる人が直接読んでも充分に役立つものです。
手引きのメインは「睡眠12箇条」で、下記のとおりです。
第1条 良い睡眠で,からだも心も健康に
第2条 適度な運動,しっかり朝食,ねむりとめざめのメリハリを
第3条 良い睡眠は,生活習慣病予防につながります
第4条 睡眠による休養感は,こころの健康に重要です
第5条 年齢や季節に応じて,ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を
第6条 良い睡眠のためには,環境づくりも重要です
第7条 若年世代は夜更かしを避けて,体内時計のリズムを保つ
第8条 勤労世代の疲労回復・能率アップに,毎日十分な睡眠を
第9条 熟年世代を朝晩メリハリ,昼間に適度な運動で良い睡眠
第10条 眠たくなってからふとんに入り,起きる時刻は遅らせない
第11条 いつもと違う睡眠には,要注意
第12条 眠れない,その苦しみをかかえずに,専門家に相談を
***************
12箇条は「当たり前じゃないの?」と言いたくなるような内容のものもありますが、最後の3つは重要です。特に第10条は注目に値します。冒頭で述べたように、眠れないのにベッドに入り不眠と戦っている人は少なくありません。眠れないときはベッドから起き上がり、好きなことをするべきです。そして眠くなってから眠り、睡眠時間がかなり短くなったとしても翌朝は同じ時間に起きるのが基本です。
第11条も要注意です。以前にはみられなかった激しいいびきや呼吸停止、手足のぴくつき、足のむずむず感、また眠れているはずなのに日中に眠気や倦怠感が継続する場合は早めに受診した方がいいでしょう。
最後に、睡眠薬の不適切な使い方をしている人が少なくない、ということを強調しておきたいと思います。多くの睡眠薬は「依存性」と「反跳性不眠」(睡眠薬を飲むことによって飲み始める前よりも不眠の程度が悪化すること)があります。
注1:このハンドブックは下記URLを参照ください。
http://www.kenkounippon21.gr.jp/kyogikai/4_info/pdf/suiminshishin_handbook.pdf
参考:
はやりの病気第148回(2015年12月)「不眠治療の歴史が変わるか」
トップページ 「不眠を治そう」
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