医療ニュース

2013年7月30日 火曜日

2008年5月26日(月) 過労自殺は過去最悪、精神疾患は3割増

 2007年度に過労や職場のストレスが原因でうつ病などの精神疾患にかかり自殺(未遂を含む)した人が前年度を15人上回る81人にのぼり、2年連続で過去最悪になっていることが厚生労働省の調査で明らかとなりました。(報道は5月24日の日経新聞)

 また、自殺を含む精神疾患の認定者は268人で、これは前年比3割増しです。

 申請数をみてみると、2007年度の精神疾患の労災申請は前年度比16.2%増の952人となっています。一方、脳・心臓疾患の申請は前年比0.7%減の931人で、調査開始以来、初めて過労による精神疾患の申請が、脳・心臓疾患を上回ったことになります。

 精神疾患の労災認定者を年齢別にみると、30代が100人でトップです。以下、20代が66人、40代が61人と続きます。

 業種別では、「製造業」が59人で最多となっています。また、職種は医師やエンジニアなど「専門的・技術的職業従事者」が精神疾患にかかるケースが目立っています。

 認定された人のなかで、1ヶ月の平均残業時間が80時間以上だった人が111人です。一方、20時間未満も72人いましたが、厚生労働省は、「長時間労働だけでなく職場のいじめや過剰なノルマなどで精神疾患になるケースも出ている」と指摘しています。

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 すてらめいとクリニックを受診する「職場のストレスが原因で元気がない人」も、男性の場合は30代が多いといえます。(女性は20代に多いような印象があります)

 こういうケースはときに周囲の理解に乏しいことがあります。「最近、何かおかしい・・・」と感じるようなことがあれば、医療機関の受診を考えてみてもいいかもしれません。

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年5月26日(月) 禁煙薬で意識消失!

 日本では「チャンピックス」という名称で販売されている禁煙補助薬の服用後に、視覚障害やけいれん、意識消失といった副作用が、米国で相次いで報告されていることがわかりました。

 これを発表したのは米国の民間団体「安全な薬物治療のための研究所」で、発表は5月21日におこなわれています。(報道は5月22日の共同通信)

 同団体はFDAに報告された副作用情報を分析し、意識消失・障害による事故や転倒が173件、視覚障害が148件、深刻なけいれんが86件など、全部で1000件以上あったことを公表しました。

 この報告を受けて、米国連邦航空局(FAA)は、「航空機の操縦士にはこの薬の使用を禁止する」との発表をおこなっています。

 チャンピックスは日本では今月に発売になったばかりです。

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 すてらめいとクリニックでも、今月からチャンピックスの取り扱いを開始していましたが、実際にはまだ一例も処方していません。(チャンピックスを希望する患者さんも何名かいましたが、まずは歴史のあるニコチンパッチの方から開始してもらっています)

 通常、薬を処方するときには重大な副作用について説明をおこないますが、今後チャンピックスを希望される方には、このニュースについても話すようにする予定です。

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年6月1日(日) タバコと酒のコンビネーションが肺がんのリスク

 日本酒換算で1日2合以上飲む喫煙者は、時々たしなむ程度の喫煙者に比べ、肺がんを発症するリスクが1.7倍も高い。しかし、非喫煙者では飲酒と肺がんの関連性はない・・・

 これは、5月30日に厚生労働省が発表した報告です。(報道は5月30日の毎日新聞)

 研究班は、岩手県など10府県に住む40~69歳の健康な男性約46,000人を対象に調査しています。飲酒量を、①ほとんど飲まない、②時々(月に1-3回)、③日本酒で1日1合未満、④1日1-2合、⑤1日2-3合、⑥1日3合以上、の6グループに分類し、2004年までの約14年間追跡しています。

 その結果、喫煙者では、⑤の1日2-3合飲むグループと、⑥の3合以上のグループは、②の時々のグループに比べ、肺がん発生率がともに1.7倍高いことが分かりました。

 この理由について、研究班は、アルコール分解酵素がたばこの煙に含まれる発がん物質の働きを活発化することなどが原因と考えているようです。

 この研究でもうひとつ興味深いのが、①の飲まないグループも、②の時々のグループに比べて肺がん発生率が1.6倍高いという結果がでていることです。これについて、研究班は、「(①の人たちは)もともと肺がんリスクが高く、飲めなくなっていた人が含まれていた」とみているようです。

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 尚、日本酒1合は、ビールなら大瓶1本、ワインならグラス2杯に相当します。

 タバコを吸う人は、酒の量を減らすのではなく、禁煙を試みるべきでしょう。

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年6月1日(日) 心疾患の予防にはビタミンB6

 ビタミンB6の摂取量が少ない人は、多い人に比べ心筋梗塞の危険性が2倍になる・・・

 厚生労働省研究班がこのような発表をおこないました。(報道は5月27日の共同通信)

 研究班は、岩手、秋田、長野、沖縄の4県で、40-59歳の男女約4万人を11年間に渡り追跡しました。ビタミンB6、B12、葉酸の摂取量と、虚血性心疾患との関連を調べています。

 その結果、3種類の摂取量が多いほど虚血性心疾患のリスクは低下し、特に心筋梗塞でこの傾向が大きいことが判明しました。さらに詳しく調べたところ、B6の関連が特に強く表れました。

 一方、3種類のうち1つだけの摂取が多くても、ほかの2つが少ないとリスクは上昇傾向にあることが分かり、研究班は「3栄養素のバランスが必要だ」と話しています。
  
 研究班によりますと、日本人では白米がビタミンB6の最大の摂取源ですが、茶碗1杯には1日の摂取基準量の約2%しか含まれていません。これでは、不足になるのは当然ですから、ほかにビタミンB6を多く含む魚やレバーの摂取が推奨されます。

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 心疾患の予防にはビタミンB6が最も重要だけども、B12と葉酸も大切・・・。ならば、結局のところ、バランスのとれた食事をこころがけなければならいということになりそうです。

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年6月1日(日) 大阪が3分の1、献血のHIV

 2008年1月から3月に献血した人からHIVが発見されたケースが28人にも上り、過去最悪だった去年のペースを上回るペースで推移していることがあきらかとなりました。(報道は5月28日の医療タイムス)

 都道府県別では大阪が9人と、全国の約3分の1を占めています。

 1月から3月に献血をおこなった人は約124万人で、そのうちHIV陽性であることが分かったのは28人です。10万人あたりの陽性者は2.259人で、過去最悪だった昨年1年間の2.065人を上回っています。

 1位の大阪に続くのは、東京で4人、以下、3位が千葉の3人、4位が福岡の2人となっています。

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 当たり前のことですが、HIV感染の可能性がある人は献血の前に検査を受けるようにしましょう。

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年6月1日(日) 中国製精力剤で意識消失

 中国製の錠剤「七鞭粒(しちべんりゅう)」を服用した横浜市内の70代の男性が4月中旬に意識消失で入院していたことが明らかとなりました。(報道は5月26日の共同通信)

 横浜市衛生研究所が錠剤の成分を調査したところ、バイアグラの主成分と血糖を下げる作用のある糖尿病治療薬の2つが確認できているようです。

 横浜市によりますと、この男性は中国を訪れた友人に依頼して錠剤を購入し、4月中旬に自宅で1錠を服用したところ、意識をなくしたそうです。

 尚、この錠剤はインターネットでも簡単に購入できるようで、横浜市は使用を控えるよう警告を発しています。

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 こういうニュースが一向に減らないことを考えると、いかに多くの人が”いかがわしい”薬品を入手しているかが分かります。

 70代の男性が精力剤を服用、と聞くと微笑ましい気もしますが、命取りになることもあるので注意が必要です。バイアグラも医師の指導の下で服用すればこわい薬品ではありません。”精力剤”が必要な人はまずは医療機関を受診するようにしましょう。

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年6月1日(日) 百日ぜき、過去10年で最多

 昨年あたりから百日咳が急激に増えていますが、国立感染症研究所の報告によりますと、5月12日から18日は過去10年間で最多の325人を記録しています。(報道は5月27日の毎日新聞)

 最近の百日ぜきは、小児だけでなく成人にも増えているのが特徴で、この週の報告も成人患者が113人と全体の35%を占めています。

 2008年の5月18日までの累積報告数は2,177人で、そのうち成人は38%の817人です。過去10年の同期比で最多だった2000年の累積報告数は1,365人ですから、今年は記録を更新しそうな勢いです。

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 成人の百日ぜきは、小児のものに比べると、症状も検査データもはっきりとしないことが多く、また気管支炎などで処方される抗生物質で治癒することも多いので、実際には報告数よりもずっと多い可能性があります。

 長引く咳で悩んでいる方がおられたら早めに医療機関を受診するようにしましょう。

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年6月6日(金) まめな動きが長生きにつながる!

 身体をまめに動かしている人は、そうでない人に比べ、死亡リスクが30-40%低い・・・

 これは、厚生労働省の研究班が6月4日に発表した研究結果です。(報道は同日の共同通信)

 この調査は、岩手から沖縄までの10都府県の45~74歳の男女計約8万3000人が対象となっています。1995年以降の追跡期間中に約4500人が死亡しています。

 研究班は、筋肉労働やスポーツ、歩いたり立ったりしている時間などをアンケートし、対象者の1日当たりの平均身体活動量を算出し、その量に応じて4グループに分け、活動量と死亡との関連を調べています。

 その結果、活動量が最多のグループは、最少グループに比べて男性で約30%、女性では約40%、死亡リスクが低いことが分かりました。

 疾患別にみると、男性では、最多グループが、がんで死亡するリスクが約20%、心疾患による死亡リスクが約30%低下していました。女性ではがん死亡のリスクが約30%低下していました。

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 興味深いのは「身体を動かす」というのは、仕事・余暇のいずれでもいいということです。ということは、わざわざ身体を動かす時間をつくらなくても、日常のちょっとした時間に工夫をすることで長生きできるかもしれません・・・

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年6月6日(金) 自殺者が再び3万人超え

 日本の自殺者は2003年から3万人を超えていましたが、2006年は3万人を下回っていました。ところが昨年(2007年)には再び3万人を超えていたことが明らかとなりました。

 厚生労働省が6月4日に好評した人口動態統計によりますと、2007年の自殺者は30,777人と、前年より856人増えています。

 年代別では、50代後半が3,802人で最多、次いで60代前半が2,893人です。

 全体の死因別では、がん、心疾患、脳血管疾患が1~3位でしたが、20代と30代では自殺がトップを占めています。

 人口10万人当たりの自殺者数を都道府県別にみると、最多は秋田の37.5人で、宮崎の34.6人、青森の33.3人と続きます。最も少なかったのは奈良の18.0人で、愛知の19.7人、三重の19.9人と続きます。

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 尚、自殺者の発表は厚生労働省以外にも警察庁がおこなっています。警察庁のデータでは、1998年以降10年連続で3万人を超える見通しだそうです。

 自殺が少ない3つの県が、奈良、愛知、三重と地理的につながっているのが気になります。この地域には何か特徴的なものがあるのでしょうか・・・

(谷口恭)

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2013年7月30日 火曜日

2008年6月6日(金) 出生率が2年連続上昇

 2007年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子供の数)が2年連続で上昇し、1.34になったことが厚生労働省より発表されました。

 ただし、出生数は1,089,745人と、前年より約3千人減少しています。

 出生率が減少したのは、15歳から49歳の出産期の女性人口が減少したことが原因であり、少子化の傾向が変わってきたわけではなさそうです。

 出生数は2006年に増加となりましたが再び減少したことになります。

 死亡数は1,108,280人で、前年より約2万4千人増加しています。出生数から死亡数を差し引いた自然増加数は、マイナスおよそ1万9千人です。2005年に減少した後に2006年は増加しましたが再び自然減となっています。

(谷口恭)

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