医療ニュース
2013年8月10日 土曜日
2007年5月14日(月) 卓球ラバー用接着剤で意識不明
厚生労働省は5月10日、「バタフライ」のブランド名で知られる卓球用品メーカー「タマス」が販売するラケットのラバー用接着剤を使った岡山県の40代男性が、アレルギー反応を起こし一時意識不明になったことを発表しました。(報道は5月11日の毎日新聞)
同じ接着剤はこれまでに約12万本出荷されており、同社は製品回収を急いでいます。
厚労省やタマスによりますと、男性は3月中旬、自宅でラケット本体にラバーを張り付けるため同社の接着剤「スーパーロング・チャック」(250ミリリットル入り)を付属品のはけで塗っていたところ、気分が悪化し、病院に着いたところで呼吸困難になり意識を失いました。2週間後に意識が回復し、現在は快方に向かっているそうです。
厚労省は1973年から、家庭用品に含まれる有害物質が原因とみられる事故報告を都道府県から受けていますが、接着剤で重篤な症状が出たケースは初めてだそうです。
ただ、この接着剤には、シクロヘキサンなどの有機溶剤が含まれており、健康への影響などを考慮し、国際卓球連盟が来秋からの使用禁止を決めていたそうです。
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|2013年8月10日 土曜日
2007年5月22日(火) 中国製のせき止めで100人以上が死亡
パナマで販売されたせき止め薬に中国製の有毒な原料が含まれており、服用した少なくとも100人が死亡していることが、今月になって海外のメディアで報道されています。
これは、せき止めシロップに甘味料として使われるグリセリンの代わりに、中国の業者が安価な産業用のジエチレングリコールを用いたことが原因です。
中国当局は、「無認可の業者が、医薬品として使えない化学原料を製造した」として中国企業の関与を認めています。
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このような劣悪な医薬品が日本に輸入されていることはないでしょうが、海外では目にすることがあるかもしれません。海外旅行に行かれる方は充分注意をしましょう。
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|2013年8月10日 土曜日
2007年5月22日(火) 栄養補助食品で苦情80件
5月14日の共同通信によりますと、小林製薬が栄養補助食品として発売している商品で「体がかゆい」などの苦情が全国から80件寄せられており、同社は商品を自主回収し、代金を返す方針をとっています。
この栄養補助食品は、肌に潤いを与えるとして2001年に発売を開始した「セラミド」と、アトピー症状の緩和に役立つとして2005年に発売した「アトなしヘルプ」です。いずれも、アレルギー物質として表示義務のある原料「カゼインナトリウム」の表示が欠落していたようです。
小林製薬は発売から5年以上経過してからの回収について、「原因が分からず対応が遅れてしまった」と謝罪していますが、同社では苦情後も商品の成分調査を一度もしていなかったようです。
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栄養補助食品のトラブルは決して少なくありません。皮膚のトラブル以外では、下痢、頭痛、倦怠感などがよくある症状です。気になる方はかかりつけ医に相談してみましょう。
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|2013年8月10日 土曜日
2007年5月29日(火) 人口あたりの医師数、日本が最下位に?
OECD(経済協力開発機構)が発表した2003年時点の人口あたりの医師数は、日本が加盟30か国中27位です。
これが、2020年には最下位になるとの試算を日本福祉大学が発表し話題をよんでいます。
同大学によりますと、2003年時点で日本より医師数の少ない3つの国、韓国、メキシコ、トルコは現在医師数が大きく伸びており、それぞれ、5.5%、3.2%、3.5%となっています。一方、日本は1.26%という少なさです。このまますすむと、2020年には日本はこれら3つの国に抜かれて最下位に転落するというわけです。
今回の研究を発表した同大学の近藤教授は次のようにコメントしています。
「政府は医療費を抑えるため、医師数を抑え続けてきたが、もう限界だ。少ない医師数でやれるというなら、根拠や戦略を示すべきだ」
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私は、2003年1月に『偏差値40からの医学部再受験』という本を上梓し、そのなかで日本の医師は大幅に不足していることを指摘しましたが、当時厚生省のとっていた方針は「医師数の抑制」でした。
今でさえ、日本の医療はすでに崩壊していると嘆く医療従事者は少なくありません。医学部定員の大幅な引き上げが早急に必要だと私は考えています。
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|2013年8月10日 土曜日
2007年5月29日(火) 「普通」体形の子供が減り、中高年男性の50%がメタボに
厚生労働省が5月16日に発表した国民健康・栄養調査によりますと、子供(小学生+中学生)の体形は、「普通」が男女とも57%で、「肥満」「やせすぎ」がそれぞれ2割前後となっています。特に男子中学生は、「普通」が半数以下の48%で、3人に1人が「やせぎみ・やせすぎ」となっています。
また、40~74歳の中高年男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリック症候群の該当者か予備軍であることが分かりました。
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すてらめいとクリニックを受診する患者さんをみていても、10代の男女はやせていて、中年男性には肥満が多いという傾向があります。
私が子供の頃は、そんなに太った中年男性はいなかったように思いますし、子供はやせていたとしても筋肉はそれなりにあったと思うのですが、わずか二、三十年で日本人の体形が大きく変わってしまったのでしょう。
これからの日本はどうなってしまうのでしょうか・・・
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|2013年8月10日 土曜日
2007年5月29日(火) 女性長寿日本1位、男性は2位
WHO(世界保健機関)が5月18日に発表した「2007年度版世界保健報告」によりますと、2005年の平均寿命が世界で一番長かったのは、男性はサンマリノの80歳、女性は日本の86歳でした。
前回の統計までは男女とも日本が世界1位でしたが、今回の発表(2005年)では、男性平均寿命が79歳で2位でした。
男性の平均寿命2位は、日本以外にも、オーストラリア、アイスランド、スゥエーデン、スイスなどが名前を連ねています。
女性はモナコが85歳で2位、フランス、サンマリノなど計7ヶ国が84歳で3位となっています。
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ところで、平均寿命が最も短いのは、男性がシェラレオネ、女性がスワジランドでともに37歳となっています。ちなみに、世界193ヵ国の平均寿命は、男性64歳、女性68歳です。
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|2013年8月10日 土曜日
2007年5月29日(火) HIV感染がまたもや過去最多
厚生労働省のエイズ動向委員会が5月22日に発表したHIV感染者の報告によりますと、2006年に国内で新たに報告されたHIV感染者は1,358人で、そのうち406人がすでにエイズを発症していることが分かりました。
エイズ発症者が年間400人を超えたのは初めてです。
新規感染者(エイズ発症者を除く952人)の内訳は、男性863人、女性89人。年代別では30代が390人、40代が164人と大きく上昇しています。感染経路は同性間の性的接触が63%、異性間の接触が23%となっています。
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「いきなりエイズ」が約3割と低くない数字を示していることに注目しなければなりません。早期発見をすれば、HIV感染はすでに「死に至る病」ではないのです。
すてらめいとクリニックのHIV検査は、抗体検査なら30分で結果が出ます。NATを利用すれば、危険な行為から2週間足らずで検査がおこなえます。
気になる方は早めの受診を・・・
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|2013年8月10日 土曜日
2007年6月11日(月) はしかの女子高生(日本)と結核の弁護士(米)
4月に関東で勃発したはしか(麻疹)のアウトブレイクは、全国に広がり依然とどまる様子がありませんが、修学旅行でカナダ西部を訪れた東京都内の私立女子高生が、はしかの疑いで「隔離」されていたことが分かりました(報道は5月30日の共同通信)。
報道によりますと、この女子高生がはしかが強く疑われるとのことで「隔離」をされ(”強く疑われる”とされているのは検査結果が報道時点で出ていないからだと思われます)、同行グループの41人が予防接種を受けています。
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私は以前、米国の医師に、「日本では結核が少なくない」という話をしたところ、「日本は先進国ではないのか。先進国で結核が多いなどということはあり得ないではないか・・・」、と驚かれたことがあります。
報道からは日本人に対する非難の声は上がっていないようですが、おそらく先進国のカナダからすると、「なぜ先進国の日本ではしかが流行しているのか・・・」と感じているのではないかと思われます。
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一方、米国の弁護士がとんでもない行動をとり世界中から非難の声が殺到しています。
6月1日のロイター通信によりますと、31歳の米国の男性弁護士が、薬に対して非常に強い耐性を持った危険な結核菌(XDR-TB)に感染し、米疾病管理局(CDC)から旅行しないようにとの助言を受けていたのにもかかわらず、自らの挙式のため、アトランタからパリ経由でギリシャに入国しました。
この男性は、新婚旅行で訪れたローマで米疾病管理局から一般の飛行機に乗らないように警告されましたが、男性はプラハ発の飛行機でカナダに入り、車で米国に帰国しました。この帰国の際に拘束されるべきであったのに、その措置が取られなかったことが騒ぎをさらに大きくしているようです。
男性は現在、1963年以来となる強制隔離命令を受けて入院しており、テレビにはマスクをつけた姿の録画で出演して謝罪しました。男性の周りにいた旅客は結核検査を受けるよう疾病管理局から求められているようです。
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この弁護士は、他人への危険を考えない無責任な行動との批判に対して、当初「自分は高い教育を受けた頭の良い人間」などと自己正当化したことが火に油を注ぐことになりました。
そういえば、2005年にはSARS(重症急性呼吸器症候群)に感染した疑いがもたれていた台湾人の医師が日本に入国したことが大きな問題になりました。
“高い教育を受けた頭の良い”弁護士や、医学知識のあるはずの医師がこのような無責任な行動に出るわけですから、報道されていないだけで似たような事件はいくらでもあるのかもしれません。
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|2013年8月10日 土曜日
2007年6月11日(月) 危険な輸入健康食品
先日、中国製のせき止めで100人以上のパナマ人が死亡したというニュースをお伝えしましたが、今度は中国製の健康食品で被害者が出たという事件が話題になっています。今回の被害者は日本人の幼児です。(報道は6月1日の共同通信)
この健康食品は、アトピー性皮膚炎に効くとされており、名前を「適応源(てきおうげん)」と言います。ベタメタゾンというステロイドが入れられており、このためこの健康食品を摂取した茨城県の幼児が、顔が丸くなる、体毛が濃くなるといった、ステロイドの副作用で苦しんでいるようです。
入手については、この幼児の母親がインターネットを通して上海の業者から個人輸入したそうです。
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危険な健康食品は中国産だけではありません。
6月2日の毎日新聞によりますと、名古屋市内の30代の女性がインターネットを通してタイから個人輸入したダイエット製品「MDクリニックダイエット」から、国内未承認のシブトラミンが検出されたようです。
この女性は、11,000円でこのダイエット製品を購入し服用していたところ、頭痛やめまいといった症状が出現し、市に相談したことで今回の事件が発覚しました。
厚生労働省のホームページによりますと、タイのインターネットから個人輸入されたダイエット製品に関して、2002年から2006年に全国で合計6件の健康被害が報告され、そのうち2005年6月には服用した神奈川県の女性が死亡しています。
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「シブトラミン」は、食欲を抑える働きがありますが、これは覚醒剤に類似した物質だからです。海外では、ダイエット用の医薬品として承認されているところもありますが、極度の肥満症の人に対して医師が厳格な管理をおこなうという条件でのみ認められています。
したがって、個人輸入をおこない自分の判断で服用するなどということは危険極まりない行為なのです。
個人輸入は医薬品であっても現在の日本の法律では合法ですが、危険性を考えれば安易に手をだすべきではありません。死亡するのは極端な例だとしても、まがいものをつかまされたり、危険な成分に苦しめられたりする可能性は少なくないのです。
参考:
ネット販売薬の半分はニセモノ 2007年2月20日
ダイエット用食品から未承認医薬品検出 2007年3月23日
中国製のせき止めで100人以上が死亡 2007年5月22日
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|2013年8月10日 土曜日
2007年6月11日(月) 善玉コレステロールは運動で増加する!
すてらめいとクリニックの患者さんの年齢層は比較的若いという特徴がありますが、特に20代・30代の男性の間で高コレステロール血症の患者さんが少なくないことにしばしば驚かされます。
中性脂肪が運動で比較的簡単に低下するのに対し、コレステロールの値を低下させるには食餌療法が適していると言われています。
しかし、コレステロールには善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)があり(正確にはさらに細かい分類がありますが、ここでは「善玉」と「悪玉」に単純に分類します)、悪玉を下げて、善玉を上げるのが健康によいことが分かっています。
医学誌「Archives of Internal Medicine」5月28日号に掲載された論文によりますと、有酸素運動によって善玉コレステロールが有意に上昇することが分かりました。
この研究は東京大学の研究員らによっておこなわれ、これまでに発表されている25件の研究データを解析することによって今回の結論が導かれています。対象となった被験者はおよそ1,400人です。
研究者らは、善玉コレステロール値の改善には30分以上の運動が必要と結論しています。また、運動の強さは、今回の研究結果には影響を及ぼさないことが分かりました。すなわち、被験者が激しい運動を行ったかゆっくりとしたペースで運動したかは重要でないということです。
善玉コレステロールの増加が最も大きかったのは、肥満でない人と総コレステロールが高値の人だったようです。
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高コレステロール血症の診断基準が変わり、すてらめいとクリニックでは、コレステロール高値が疑われる人に対しては、初めから善玉コレステロールと悪玉コレステロールの値を測定するようにしています。
悪玉を食餌療法で減少させ、善玉を運動で増加させる・・・
程度にもよりますが、薬に頼る前にまずはこの治療法を試すべきでしょう。
参考:脂質異常症
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