医療ニュース

2009年6月11日(木) 職場のストレスで「心の病」が過去最多

 職場でのストレスが原因でうつ病などの精神疾患になり、2008年度に労災認定を受けた人は269人・・・。

 これは6月8日に厚生労働省が発表した報告です。2007年は268人で過去最多でしたから、最多を更新したことになります。

 このうち、過労自殺(未遂も含む)は66人で、こちらは2007年度より15人減少していますが、依然高い水準を維持しており喜んではいられません。

 精神疾患で労災認定を受けた人を年代別でみてみると、最多が30代の74人、20代は70人、40代は69人で、20~40代で全体の約8割を占めることになります。

 職種でみてみると、SE(システムエンジニア)や医師などの「専門的・技術的職業」が69人で最多で、工場で働く労働者など「生産工程・労務作業者」が51人、「事務」45人と続きます。

 精神疾患を理由とした労災申請者数は927人で、こちらは前年度比25人減となっています。

 また、過労が原因として労災認定されたのは377人で、前年度比15人の減少です。過労死は前年度比16人増!の158人で、これは2002年度の160人に次いで多い数字となります。申請者数は889人で、前年度比42人減です。

 労災認定された377人のうち、長時間労働が主因とされたのは361人です。厚生労働省では、1ヶ月間の時間外労働が80時間以上のケースを「過労死ライン」として認定基準にしていますが、100時間以上が207人にものぼり、さらに160時間以上も24人となっています。

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 精神疾患が理由の労災申請も、過労が原因の労災申請も前年度比減となっています。これは実態を反映しているのでしょうか。それとも、過酷な労働を強いられているのに申請できない人が大勢いることを示しているのでしょうか・・・。

(谷口恭) 
 
参考:医療ニュース
2008年5月26日「過労自殺は過去最悪、精神疾患は3割増」

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