医療ニュース

2009年10月5日(月) 昨年のインフルエンザワクチンの副作用は121人

 ワクチンをうって感染症を予防したい、けど副作用が心配・・・

 これは、ワクチン接種に関して誰もが思うことです。いったいどれくらいの割合でどんな副作用が起こるのか、これについては正確かつ迅速な公表が望まれます。

 昨年度(2008年度)に季節性インフルエンザワクチン接種の副作用が疑われた症例は121人、うち死亡は2人であったことを、厚生労働省は9月29日に公表しました。(報道は翌日の共同通信など)

 同省によりますと、2008年度にインフルエンザのワクチン接種を受けた人は4~5千万人で、主な副作用は、発熱(16件)、ギラン・バレー症候群(10件)などでした。

 死亡例は、10歳未満の女児と70代男性の2人です。女児はワクチン接種5日後に意識レベル低下、けいれんなどがおこり、2日後に死亡しています。70代男性は、直腸ガンや転移性の肺ガンなどを患っており、接種2日後に呼吸不全で入院し、その19日後にガン性リンパ管炎で死亡しています。いずれも、ワクチン接種との因果関係は不明だそうです。

 後遺症については、ワクチン接種との因果関係が否定できない症例が4件あります。ギラン・バレー症候群を発症した40~60代の男女3人と、急性散在性脳脊髄炎を発症した10歳未満の男児1人です。

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 死亡と後遺症を合わせると、因果関係が不明なものも含めて6人となります。重篤な副作用が起こる確率が6人/4~5千万人、一方インフルエンザで死亡する人が年間1万人程度(ただし高齢者が大半)ということを考えたときに、ワクチンを接種すべきかどうか・・・。私個人としては、特別な理由がない限りはやはり接種すべきかと思います。

(谷口恭)

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