医療ニュース

2009年10月13日(火) 「太りすぎ」が長生き?

 以前も、「太っている人はやせている人よりも長生きする」という一見常識から矛盾したような研究を紹介しましたが(下記ニュース参照)、またもや同様の研究結果が発表されました。

 東北大学公衆衛生学教室の研究グループが発表しています。(報道は10月10日の日経新聞)

 研究グループは、宮城県内の40~79歳の男女約44,000人を1995年から2006年まで追跡調査し分析しています。

 その結果を厚生省が2009年6月に発表したデータと比較してみたいと思います。(下記の数字は40歳時点での平均余命です。例えば、厚生省のデータでBMI18.5未満の男性は、40歳の時点で平均余命が34.54年となります)

BMI       厚生省のデータ(男/女)  東北大学のデータ(男/女)
18.5未満  34.54 /  41.79  33.8 / 41.1
18.5~25     39.94  /  47.97   38.7 / 46.3
25~30  41.64  /  48.05  40.5 / 47.0
30以上  39.41  /  46.02  37.9 / 44.9

 どちらのデータも同じように、男女ともBMIが25~30のグループが最も長生きとなっています。

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 BMIが25以上30未満のグループを、厚生労働省は「太り気味」と呼び、東北大学は「太りすぎ」と呼んでいます。「太り気味」と「太りすぎ」では随分イメージが異なるように思われますが、東北大学があえて「太りすぎ」と命名したのは何か理由があるのでしょうか。

 どう呼ぶかはいいとして、両者ともBMIが25~30が最も長生きと結論づけていることはやはり注目に値します。

 これら2つの研究はいずれも宮城県を対象としています。他の地域の研究も待ちたいと思います。

(谷口恭)

参考:医療ニュース
 2009年6月11日「やはり長生きするのは太り気味か…」
 2009年4月30日「太った方が長生きする!?」

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