医療ニュース

2010年2月1日(月) 日本脳炎ワクチン、不足で追加接種は見送り

 日本脳炎の新しいワクチンが、2010年からⅠ期については「積極的勧奨」となりそうだ、というニュースをお伝えしましたが(下記注参照)、Ⅱ期については、ワクチン不足のため2010年からの積極的勧奨は見送ることになりそうです。

 Ⅰ期というのは、生後6ヶ月から90ヶ月の間(標準的接種は3歳から4歳)に、まず1回目、1回目接種から4週以内に2回目、そして2回目からだいたい1年後に3回目を接種します。Ⅱ期は、9歳から13歳の間(標準は9歳から10歳)に1回のみ接種します。

 今回厚生労働省の小委員会が決定したのは、Ⅱ期の接種を2010年から「積極的勧奨」とするのは見送る、というものです。この理由はワクチン不足によるとのことです。今後Ⅰ期の接種状況やワクチンの供給量をみながら、Ⅱ期の接種の積極的勧奨開始時期を検討するそうです。

 小委員会の試算を報告しておくと、積極的勧奨の差し控えにより、接種機会を逃していた小児(2010年度に4~12歳になる小児)で1,560万回、4~7歳に絞っても817万回となるそうです。これに対し、接種が望ましい夏までの時期に追加接種用として供給できるワクチンは約180万回分しかないと説明しています。

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 以前にも紹介しましたが、ワクチン接種をしていなかったため、2009年8月には、熊本市の7歳の男児が日本脳炎ウイルスを発症しています。今後、ワクチンの供給体制に注意を払い、できるだけ早期に接種することを各自が検討すべきでしょう。

(谷口恭)

参考:医療ニュース2010年1月21日「日本脳炎ワクチン接種奨励再開の見込み」

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