医療ニュース

2010年9月14日(火) 男性の睡眠不足は短命に・・・

 男性は睡眠時間が6時間以内になれば早死にしやすい・・・

 このような衝撃的な研究結果が医学誌『Sleep』2010年9月1日号で発表されました。(詳細は下記参照)

 この研究は、米国ペンシルバニア州立大学のEdward Bixler氏らによっておこなわれています。ペンシルバニア中心部に在住の1,741人の男女(平均年齢はそれぞれ50歳、47歳)を対象とし、男性は14年間、女性は10年間追跡されています。

 追跡期間中に男性の21%、女性の5%が死亡しています。男性の1日6時間以上眠れる「安眠グループ」では死亡率が9%だったのに対し、1日6時間未満の「不眠グループ」ではなんと半分以上の51%が死亡していたそうです。

 一方、女性では「安眠グループ」と「不眠グループ」との間に有意な差は認められなかったそうです。尚、この研究では、死亡に影響を与える様々な要因となる持病、肥満度、うつ状態にないか、喫煙や飲酒の影響などを差し引いて検討されています。

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 以前から睡眠不足は寿命を短くするのではないか、と言われていましたがそれを裏付けるひとつの研究となりそうです。有意な結果が男性だけでしか出ていないのは、女性の追跡期間が10年間と短いことと、女性は元々寿命が長いために研究開始時点の対象者の年齢が若すぎたことが理由かもしれません。

 睡眠不足には大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、眠りたいけれども忙しすぎて睡眠時間が確保できないタイプ、もうひとつは睡眠時間は確保できるけれど睡眠障害(不眠症)があって眠りたくても眠れないタイプです。前者は生活習慣の見直し、後者は適切な診察・治療が必要なのは言うまでもありません。

(谷口恭)

注:この論文のタイトルは、「Insomnia with Short Sleep Duration and Mortality: The Penn State Cohort」で、下記のURLで概要を読むことができます。

http://www.journalsleep.org/ViewAbstract.aspx?pid=27894

参考:睡眠関連の医療ニュース
2010年9月8日「5歳未満の睡眠不足は肥満になる」
2010年4月2日「睡眠障害の自殺リスクは28倍」
2008年6月30日「睡眠不足はダイエットの強敵!」

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