医療ニュース
2010年9月26日(日) マグネシウムで糖尿病のリスクが低下
マグネシムの高摂取で糖尿病の発症リスクが半減する・・・
これは米国ノースカロライナ大学栄養学のKa He氏らの研究結果で、医学誌『Diabetes Care』2010年8月31日号に掲載されています。(詳細は下記参照)
これまでもマグネシウムの積極的な摂取が糖尿病を予防するのではないか、と言われることがありましたが、大規模調査で検証されたのは初めてではないかと思われます。
今回の研究では、研究開始時に糖尿病を発症していない18~30歳の米国人4,497人が対象とされています。マグネシウムの摂取量によって対象者を5つのグループに分け、糖尿病を発症するかどうかが調べられました。
20年間の追跡調査の結果、全対象者のなかで糖尿病を発症したのは330人でした。マグネシウムの摂取量で比べると、最も多くマグネシウムを摂取するグループは、摂取量が最も少ないグループと比べると糖尿病発症率は47%という低率であることが分かりました。つまり、マグネシウムをたくさん摂れば、少ない人に比べるとリスクが半減するということになります。
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この研究は対象者が多く、信憑性のある結果だと思われます。ただし、マグネシウムの摂取量が多ければなぜ糖尿病を起こしにくいか、というメカニズムについてはっきりとしたことが分かっているわけではありません。
この研究の興味深いことのひとつは、マグネシウムの摂取について食品だけでなくサプリメントも加えているということです。ということは、マグネシウムはサプリメントからでもOKということになるのかもしれません。
参考までに、マグネシウムを多く含む食品は、ナッツ類や魚介類、豆類などです。厚労省が発表している上限値は1日あたり300mgです。注意点としては、高摂取で下痢を引き起こすことがあります。それから、腎機能が低下している人はマグネシウムの摂り過ぎは大変危険ですから、サプリメントを摂るのであれば事前に主治医に相談すべきでしょう。
(谷口恭)
注:この論文のタイトルは、「Magnesium Intake in Relation to Systemic Inflammation, Insulin
Resistance, and the Incidence of Diabetes」で、下記のURLで概要を読むことができます。
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