医療ニュース

2010年10月27日(水) 3つのワクチンの無料化は完全でない可能性

 先日、HPVワクチン、Hib(インフルエンザ桿菌b型)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの3つのワクチンが原則無料で接種できるようになることを政府が決定したとお伝えしました。(下記医療ニュース参照)

 この情報の元は10月13日の読売新聞(オンライン版)で、元の文章は下記のとおりです。

政府は8日、若い女性が発症する子宮頸(けい)がんや乳幼児の細菌性髄膜炎などを予防できる3種類のワクチンについて、希望者が原則無料で接種できるよう公費補助を行う方針を固めた。年内にも無料接種を開始する考えで、2010年度補正予算案に関連経費を盛り込む。費用は約2000億円と見込まれ、国と地方で折半する方向で調整する。無料とするのは、子宮頸がん、インフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)、小児用肺炎球菌の各ワクチン。

 しかし、どうも誰もが無料でワクチン接種できるようではないようです。

 10月26日の共同通信は下記のように報じています。

厚生労働省は26日、子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)、乳幼児の細菌性髄膜炎の原因となるインフルエンザ菌b型(Hib)と小児用肺炎球菌の3種類のワクチンについて、市区町村が接種を受ける人に費用を助成する場合、助成額の半分を国から出す事業として、2010年度補正予算案に1085億円を盛り込んだと明らかにした。接種を受ける人の負担額をいくらにするかは、各自治体が決定する。

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 10月13日の読売新聞では「年内にも無料接種を開始する考え」となっていますが、26日の共同通信では、「接種を受ける人の負担額をいくらにするかは・・・」とされています。

 26日の報道が正しいとすると、自治体によっては無料で受けられない場合もあるということになります。しかし、それぞれの自治体が「接種者負担は無料」という方針を決定してくれれば解決することですから、無料接種の地域が増えれば加速度的に無料の自治体が増えるのではないかと思われます。(楽観的すぎるでしょうか・・・)

(谷口恭)

参考:
医療ニュース2010年10月15日 「Hib、肺炎球菌、HPVワクチンの無料化決定!」
メディカル・エッセイ第90回 「理想のワクチン政策とは・・・」  
メディカル・エッセイ第89回 「日本は「ワクチン後進国」の汚名を返上できるか」
はやりの病気第77回(2010年1月) 「子宮頚ガンのワクチンはどこまで普及するか」  
はやりの病気第76回(2009年12月) 「インフルエンザ菌とそのワクチン」  
ginaコラム 「子宮頚ガンとHPVワクチン」

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