医療ニュース

2010年11月4日(木) 運動をすれば風邪をひきにくい

 よく運動する人は風邪(上気道炎)をひきにくくなる・・・

 これは、医学誌『British Journal of Sports Medicine 』2010年11月2日号に掲載された論文(注)で報告されている知見です。

 この研究は、18~85歳の男女1,002人(男性40%、女性60%)を対象とし、運動の程度と風邪の関係を調べています。調査期間は12週間です。

 その結果、週5日以上の有酸素運動を行っていた人では、12週の間に風邪に罹患した日数が、ほとんど運動しない人に比べ43%も少ないことがわかりました。また、運動に対する自己評価が高い人は、低い人に比べ46%風邪をひいた日数が少ないこともわかりました。

 さらにこれらの人(週5日以上運動をしている人や運動に対する自己評価が高い人)は、風邪の重症度も、そうでない人に比べて32~41%と大幅に低下していることが分かりました。

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 運動をするから自然免疫力が高まるのか、日頃から運動をしている人は健康に関心が高く手洗いやうがいをしっかりやっているから風邪をひきにくいのかは分かりませんが(おそらく両方でしょう)、運動には利点ばかりで害は一切ないと言ってもいいでしょう。

 「また運動の話しですか~」と最近は診察室で言われることが増えてきましたが、私は多くの患者さんに繰り返し運動の効能を話しています。運動とは副作用のない薬のようなものだと私は考えています。

(谷口恭)

注:この論文のタイトルは「Upper respiratory tract infection is reduced in physically fit and active
adults」で、下記のURLで概要を読むことができます。

http://bjsm.bmj.com/content/early/2010/09/30/bjsm.2010.077875.short?q=w_bjsm_ahead_tab

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