医療ニュース
2011年8月1日(月) 女性の寿命は5年ぶりに短く、男性は過去最高
年々記録を更新している日本人の平均寿命ですが、昨年(2010年)は、女性では5年ぶりに短くなったようです。7月27日に厚生労働省が公表しています。
同省によりますと、平均寿命が短くなった理由として「2010年は猛暑で体力が弱った高齢者が多くなくなったためではないか」と分析されているようです。尚、2005年に平均寿命が短くなったのはインフルエンザの大流行によるものとされています。
数字を詳しくみてみると、2010年の日本人女性の平均寿命は86.39歳で、2009年の86.44歳から0.05歳短くなっています。2008年は86.05歳、2007年は85.99歳です。男性は、79.64歳でこちらは5年連続で過去最高を更新しています。2009年は79.59歳、2008年は79.29歳、2007年は79.19歳です。
死因についてみていくと、三大死因(ガン、心疾患、脳卒中)で死亡する確率は男性53.97%、女性50.8%で、ほぼ半分を占めていることになります。2010年の特記すべき事項としては、熱中症があげられます。熱中症で死亡した人は過去最多の1,718人(女性は798人)にもなり、そのうち約8割が65歳以上だったそうです。2009年と比べると、心疾患や肺炎などの病気で死亡するケースも夏場を中心に大きく増加し、このことも平均寿命を縮める方向に影響したとみられています。
しかし、女性の平均寿命が短くなったとはいえ、それでも26年連続で世界一を維持しています。2位は香港(85.9歳)、3位はフランス(84.8歳)です。男性は2009年の5位から4位に上がっています。1位は香港(80.0歳)、2位はスイス(79.8歳)、3位はイスラエル(79.7歳)となっています。
***********
平均寿命を別の角度からみてみましょう。「75歳まで生きる割合」を考えたとき、男性72.1%、女性86.5%となります。「95歳まで生きる割合」でみると、男性8.0%、女性23.0%となります。女性のおよそ4人に1人が95歳まで生きる、と聞くと改めて人類がかつて経験したことのない高齢化社会が到来していることを認識させられます。
私がこの報道を聞いて意外に感じたのが、猛暑のせいで心疾患や肺炎が夏に増えた、ということです。私の勤務医の頃の経験から、こういった疾患は冬に多いという印象があったからです。高齢者の方や高齢者と一緒にお住まいの方は、”節電”をほどほどにして快適な環境に気を配るべきでしょう。
(谷口恭)
参考:医療ニュース
2010年7月28日 「日本人の寿命がさらにさらに長く」
2009年7月18日 「日本人の寿命がさらに長く」
2008年8月4日 「長寿記録更新!女性は23年連続世界一」
最近のブログ記事
- 2024年11月22日 アメリカンフットボール経験者の3分の1以上がCTEを自覚、そして自殺
- 2024年11月17日 「座りっぱなし」をやめて立ってもメリットはわずか
- 2024年10月24日 ピロリ菌は酒さだけでなくざ瘡(ニキビ)の原因かも
- 2024年10月11日 幼少期に「貧しい地域に住む」か「引っ越し」がうつ病のリスク
- 2024年9月19日 忍耐力が強い人は長生きする
- 2024年9月8日 糖質摂取で認知症のリスクが増加
- 2024年8月29日 エムポックスよりも東部ウマ脳炎に警戒を
- 2024年8月4日 いびきをかけば認知症のリスクが低下?
- 2024年7月15日 感謝の気持ちで死亡リスク低下
- 2024年6月30日 マルチビタミンで死亡率上昇?
月別アーカイブ
- 2024年11月 (2)
- 2024年10月 (2)
- 2024年9月 (4)
- 2024年8月 (1)
- 2024年6月 (2)
- 2024年5月 (2)
- 2024年4月 (2)
- 2024年3月 (2)
- 2024年2月 (3)
- 2024年1月 (1)
- 2023年12月 (2)
- 2023年11月 (2)
- 2023年10月 (2)
- 2023年9月 (2)
- 2023年8月 (1)
- 2023年7月 (3)
- 2023年6月 (2)
- 2023年5月 (2)
- 2023年4月 (2)
- 2023年3月 (2)
- 2023年2月 (2)
- 2023年1月 (2)
- 2022年12月 (2)
- 2022年11月 (2)
- 2022年10月 (2)
- 2022年9月 (2)
- 2022年8月 (2)
- 2022年7月 (2)
- 2022年6月 (2)
- 2022年5月 (2)
- 2022年4月 (2)
- 2022年3月 (2)
- 2022年2月 (2)
- 2022年1月 (2)
- 2021年12月 (2)
- 2021年11月 (2)
- 2021年10月 (2)
- 2021年9月 (2)
- 2021年8月 (2)
- 2021年7月 (2)
- 2021年6月 (2)
- 2021年5月 (2)
- 2021年4月 (4)
- 2021年3月 (2)
- 2021年1月 (2)
- 2020年12月 (3)
- 2020年11月 (3)
- 2020年9月 (2)
- 2020年8月 (2)
- 2020年7月 (1)
- 2020年1月 (2)
- 2019年12月 (2)
- 2019年11月 (2)
- 2019年10月 (2)
- 2019年9月 (2)
- 2019年8月 (2)
- 2019年7月 (2)
- 2019年6月 (2)
- 2019年5月 (2)
- 2019年4月 (2)
- 2019年3月 (2)
- 2019年2月 (2)
- 2019年1月 (2)
- 2018年12月 (2)
- 2018年11月 (2)
- 2018年10月 (1)
- 2018年9月 (2)
- 2018年8月 (1)
- 2018年7月 (2)
- 2018年6月 (2)
- 2018年5月 (4)
- 2018年4月 (3)
- 2018年3月 (4)
- 2018年2月 (5)
- 2018年1月 (3)
- 2017年12月 (2)
- 2017年11月 (2)
- 2017年10月 (4)
- 2017年9月 (4)
- 2017年8月 (4)
- 2017年7月 (4)
- 2017年6月 (4)
- 2017年5月 (4)
- 2017年4月 (4)
- 2017年3月 (4)
- 2017年2月 (1)
- 2017年1月 (4)
- 2016年12月 (4)
- 2016年11月 (5)
- 2016年10月 (3)
- 2016年9月 (5)
- 2016年8月 (3)
- 2016年7月 (4)
- 2016年6月 (4)
- 2016年5月 (4)
- 2016年4月 (4)
- 2016年3月 (5)
- 2016年2月 (3)
- 2016年1月 (4)
- 2015年12月 (4)
- 2015年11月 (4)
- 2015年10月 (4)
- 2015年9月 (4)
- 2015年8月 (4)
- 2015年7月 (4)
- 2015年6月 (4)
- 2015年5月 (4)
- 2015年4月 (4)
- 2015年3月 (4)
- 2015年2月 (4)
- 2015年1月 (4)
- 2014年12月 (4)
- 2014年11月 (4)
- 2014年10月 (4)
- 2014年9月 (4)
- 2014年8月 (4)
- 2014年7月 (4)
- 2014年6月 (4)
- 2014年5月 (4)
- 2014年4月 (4)
- 2014年3月 (4)
- 2014年2月 (4)
- 2014年1月 (4)
- 2013年12月 (3)
- 2013年11月 (4)
- 2013年10月 (4)
- 2013年9月 (4)
- 2013年8月 (172)
- 2013年7月 (408)
- 2013年6月 (84)