医療ニュース
7/6 カネボウなどの化粧品の一部で白斑のトラブル
2013年7月4日、厚生労働省医薬食品局安全対策課及び消費者庁は、カネボウなど一部の化粧品メーカーが販売している化粧品で皮膚のトラブルが生じ、メーカーが自主回収を開始したことを発表しました(注1)。
問題となった化粧品は、(株)カネボウ化粧品、(株)リサージ、(株)エキップの3社から発売されている一部の製品(化粧水や乳液など)で、合計8つのブランド、54の製品が該当するそうです(注2)。問題の成分はロドデノール(4-(4-ヒドロキシフェニル)-2ブタノール)というもので、カネボウによれば、ロドデノールにはシミやソバカスを防ぐ効果があるそうです。
2013年5月、該当のスキンケア製品を使って被害を受けた利用者がいるとの報告が医療機関からカネボウに寄せられ、調査の結果、ロドデノールによる「白斑症」であることが判明し、これまでに同様の症例が合計39例報告されているそうです。
報道によりますと、これらのスキンケア商品は現在約25万人が使用し、約45万個が家庭などにあるとみられています。自主回収される化粧品の年間売上高は国内で約50億円、海外でも台湾やタイなどを中心に約10億円の売り上げがあるそうです。
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カネボウによれば、ロドデノールは2008年から2013年4月にかけて全国の百貨店や量販店で販売され、累計で436万個が出荷されているそうです。具体的なブランドをみてみると「ブランシール」や「トワニー」などカネボウ定番のものもあり、今後被害者が増えていくのではないでしょうか。
一般に、「白斑症」というのは皮膚疾患のなかでは治りにくく治療に苦労します。現時点では情報がありませんが、どのような人に起こりやすいのか、該当するスキンケア製品の使用を中止するだけで症状は改善するのか、中止だけで改善しないのであれば治療はどのようにすべきなのか、などの情報に今後注目していく必要があるでしょう。
(谷口恭)
注1:厚生労働省、消費者庁のホームページに詳細が掲載されています。
厚生労働省のホームページ
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000035xv0.html
消費者庁のホームページ(白斑症が生じた写真が掲載されています)
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130704kouhyou_1.pdf
注2:3つのメーカーはホームページで詳細を掲載しています。尚、参考までに、(株)リサージはカネボウの系列会社です。
(株)カネボウ化粧品のホームページ
http://www.kanebo-cosmetics.co.jp/information/
(株)リサージのホームページ
http://www.lissage.jp/information/
(株)エキップのホームページ
http://www.eqp.co.jp/info130704.html
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