医療ニュース
2012年3月21日(水) 日本の自殺者、14年連続で3万人超
2011年の年間の自殺者が30,651人になることを、3月9日、警察庁が発表しました。これで、1998年から14年連続で3万人を越えたことになります。
ただし、3万人を超えるこの14年間のなかでは最も少ない数字となり、前年(2010年)の31,690人からは1,039人減少したことになります。ただし、女性は前年より289人増加しており全体の31.6%となっています。
年齢別では、60代が最多で5,547人、以下50代、40代と続きます。30~60代は前年より減少していますが、特筆すべきなのは20歳未満と20代では増加していることです。
自殺の原因・動機は、「健康問題」が最多で14,621人、以下「経済・生活問題」「家庭問題」と続いています。
2011年の自殺は震災が影響を与えたようです。
内閣府自殺対策推進室によりますと、自殺者数は例年3月にピークを迎えるそうです。企業の決算期と関係があると考えられているのです。2011年の自殺動向は、例年と異なり、3月まで低めに推移し、5月に前年比21.2%増の3,375人と急増しています。当局はこの原因を「震災を契機に経済リスクが広がり、特定の層(労働者の層)に影響した可能性がある」とみているようです。
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厚生省は2010年の自殺者数を29,524人と発表しており、警察庁の「14年連続3万人越え」という発表と矛盾しますが、これは警察庁と厚生労働省で自殺者数のカウントの仕方が異なるからです。厚生労働省は「死亡届」を基に人口動態の統計を取るのに対し、警察庁は、死亡届が出された後に、自殺と判明したケースも「自殺者」に含めています。
震災が影響して自殺者が増加したというのは大変悲しいことです。今後震災関連の自殺者をなくすために我々ができることを考えていくべきでしょう。
今回の発表で私が最も懸念しているのが、20歳未満と20代で自殺者が増加している、ということです。教育や医療に携わっている者が特に注意しなければならないのは言うまでもありませんが、若い世代と付き合いのある者全員がこの問題に正面から向き合うべきでしょう。
(谷口恭)
参考:医療ニュース
2011年6月3日 「出生率上昇、人口減12万人、自殺3万人以下に」
2011年3月8日 「日本の自殺者、13年連続で3万人超」
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