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2012年6月12日(火) 2011年の人口動態;肺炎3位、晩婚+晩産

 2012年6月5日、厚生労働省は2011年の人口動態統計を公表しました。

 今回最も特筆すべきなのは、「三大疾病が変わった」ということです。これまで日本人の死因の三大疾病といえば、悪性腫瘍(癌)、心疾患(心筋梗塞など)、脳血管障害(脳梗塞など)でした。2011年は、1位の悪性腫瘍、2位の心疾患は不動ですが、3位が肺炎となり、脳血管障害は4位となりました。肺炎が死因のトップ3に入るのは1951年以来だそうです。
 
 次に注目すべきは、第1子出産時の母親の平均年齢が30.1歳と、初めて30歳を超えたことでしょう。1975年には25.7歳だった平均年齢は徐々に上昇し、2005年には29.1歳、2010年は29.9歳、2011年についに30歳の大台に乗ったということになります。
 
 2011年に生まれた子供は1,050,698人で、これは前年(2010年)から20,606人の減少となると同時に、統計が開始された1947年以降で最少となります。35歳以上の出産は増加傾向にありますが、34歳以下で減少となっています。
 
 合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供の数)は1.39で前年と同じです。出生数が減って、合計特殊出生率が変わらないのは、女性の人数そのものが減っているからです。
 
 平均初婚年齢は男性が30.7歳、女性が29.0歳で、ともに前年を0.2歳上回り、過去最高を記録しています。

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 肺炎で死亡する人は戦後間もない頃は大勢いて死因の上位を占めていましたが、今回肺炎が増えたのは当時と同じ理由ではもちろんありません。戦後は、衛生状態が悪く抗生物質が普及しておらず、今なら簡単に助けられるような症例でも命を落としていた人が少なくないでしょうし、平均寿命も短かった時代ですから高齢となり癌を発症するまでに亡くなっていた人も多かったからです。
 
 2011年になり肺炎で死亡する人が再び増えたのは、誤嚥性肺炎が増えているからでしょう。高齢となり自分でご飯が食べられなくなり、介護師に食べさせてもらったり胃瘻をつけたことで食べ物が逆流したりすることにより誤嚥性肺炎が増えるのです。
 
 よく生命保険会社は、悪性腫瘍、心疾患、脳血管疾患の「三大疾病プラン」を商品にしていますが、今後はその内容も変わるのでしょうか。

(谷口恭)

参考:医療ニュース
2011年6月3日 「出生率上昇、人口減12万人、自殺3万人以下に」
2010年6月7日 「2009年の合計特殊出生率は横ばい」

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