医療ニュース

2013年2月15日(金) SFTSで新たに2人の死亡が確認

 ダニで媒介する新しい感染症のSFTSで山口県の女性が2012年の秋に死亡していた、というニュースを先日お伝えしましたが(下記医療ニュース参照)、同じ時期に2人の男性が同じ感染症で死亡していたことが、2013年2月13日、厚生労働省から発表されました。
 
 2人の男性は愛媛県と宮崎県に在住で、2人とも最近の海外渡航歴はなかったそうです。そして、奇妙なことに2人ともダニの刺し傷が見当たらなかったそうです。報道によりますと、宮崎県の男性は山に出かけることがあったそうです。愛媛県の例については報道からはダニに刺される状況にあったのかどうかは分かりません。
 
 厚労省によりますと、全国の都道府県から同様の症状の事例報告がこれまでに9件あり、検査した4件のうち2件からこのウイルス(SFTSウイルス)が検出されています。同省では現在残り5件の検査を急いでいるそうです。
 
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 宮崎県と愛媛県の症例から検出されたSFTSウイルスの遺伝子の塩基配列は山口県の女性のものと似ていたそうです。そして、これらは中国で報告されているSFTSウイルスのものとは異なっているそうです。
 
 ということは、中国から輸入されたものではなく、日本に以前からあったものである可能性が強いと言えます。私は前回の医療ニュースで、中国から入ってきたウイルスが変異した可能性について言及しましたが、日本で発覚した3例がすべて酷似しており、かつ中国のものとは似ていない、となると、日本に以前からあったものと考えるべきでしょう。
 
 しかし、これだけ重症化するウイルス感染が、なぜ今まで注目されなかったのでしょうか。それから、本当にダニが媒介しているのでしょうか。たしかにダニに刺されても気づかない人はいますが、それでも刺し傷は比較的簡単に見つかることが多いという印象が私にはあります。しかし、実はそうでなくて、刺されても痛くもなくて跡も残らない、というケースが実際にはよくあるのでしょうか。
 
 依然謎につつまれたままの感染症です…。

(谷口恭)

参考:医療ニュース
2013年2月1日 「謎に包まれた新しいダニ媒介の感染症」

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