医療ニュース

2022年6月12日 「16時間断食ダイエット」に効果なし

 数年前から世界的に「16時間断食ダイエット」が流行しています。これは、24時間のうち連続16時間は何も食べないようにすれば体重が減っていくという夢のようなダイエット法です。例えば、午後8時から翌日の正午までの16時間何も食べなければ正午から午後8時には無制限に何を食べても減量できるというのです。8時間の間は好きなものをいくら食べてもいいというのですから試さない手はないと考えた人も多いのではないでしょうか。

 しかし、結論から言えばこのダイエットはどうも有効ではないようです。

 医学誌「The New England Journal of Medicine」2022年4月21日号に「カロリー制限をしたときに時間制限を併用するときとしないとき(Calorie Restriction with or without Time-Restricted Eating in Weight Loss)」という論文が掲載されました。
 
 研究の対象者は139人で、ランダムに2つのグループに分けられました。一方は、カロリー制限に加え時間制限(食事をしていいのは午前8時から午後4時まで)もおこない、もう一方はカロリー制限のみをしました。

 結果、時間制限を加えたグループでは平均8㎏、カロリー制限単独のグリープでは6.3kgの体重減少が認められました。8㎏と6.3kgですから、時間制限に効果があったのかと思えますが、統計学的には有意差と呼べる差ではありませんでした。

 また、腹囲や体脂肪、血圧などにも差異はありませんでした。

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 残念な結果ですが、現実は現実として受け止めるほかありません。ただ、まったく無効というわけではないと思います。太融寺町谷口医院の患者さんでいえば、このダイエット法を実践している人のほとんどはある程度は効果が出ています。

 その理由はおそらく「寝る前に食事(やお菓子)を摂らなくなったから」、という単純なからくりではないかと思われます。

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