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2007年1月8日(月) ホワイトカラー・エグゼンプションに過労死の遺族が反対表明

 ホワイトカラー・エグゼンプションという言葉がマスコミをにぎわせるようになりました。ホワイトカラー・エグゼンプションとは、ホワイトカラー労働者に対する労働時間規制を適用免除(exempt)することで、これが施行されると、事実上、雇用者は従業員に対して労働時間の制限なく働かせることが可能となります。

 ホワイトカラーは、その働き方に裁量性が高く、労働時間の長さと成果が必ずしも比例しない部分があるため、労働時間に対して賃金を支払うのではなく、成果に対して賃金を支払う仕組みが必要、というのがこの制度の趣旨です。

 たしかに、効率をあげずにダラダラと仕事をして残業時間を稼ぐ従業員に高額を支給するのはおかしいという考え方は筋が通っています。雇用者の立場からすれば、ダラダラと残業をおこなう従業員よりも、むしろ効率よく仕事をおこないテキパキと仕事をこなす従業員に高額を支払いたいと考えるでしょう。

 したがって、この制度を推進する者のなかには、この制度により労働時間が全体として減少すると考えている者もいます。しかしながら、成果主義を取り入れすぎることにより、一部の者は不当に長時間労働を強いられてそれが過労死につながるのではないかとみる向きもあります。
  
 12月28日の共同通信によりますと、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入を求める労働政策審議会分科会の報告書に対し、過労死の遺族らからは27日、「若い人の過労死も増える」との批判が相次いだそうです。

 過労死の遺族のひとりは次のようにコメントしています。

 「過労死は当時、中高年の問題だったが、最近は20代にも広がっている。(ホワイトカラー・エグゼンプションの導入により)過労死や自殺の増加を加速させるのではないか」

 労働政策審議会の報告書には、「自由度が高い」や「104日の休日取得」などの文言が並んでいます。これに対し、父親を過労死で亡くした遺族のひとりは、「働く人に優しい言葉にみえるが、父のことを思うと本当にそういう働き方があるのか疑問」と話しています。

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 医師の立場からこの制度をみたときに懸念するのは、残業や休日出勤をすべて「自由」とすることにより、自殺も含めた過労死が起こったときに、その原因を「仕事」や「会社」と特定することができにくくなるのではないかということです。

 過労死や自殺までいかなくても、過酷な労働のせいで、様々な身体症状や精神症状が出現している人は少なくありません。もしもあなたに思い当たることがあるなら、ひとりで悩まずに、気軽に医療機関に相談するようにしましょう。

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