医療ニュース
2007年3月23日(金) 米国、ワクチン効果で肝炎ウイルスが軒並み減少
米国では、ワクチンが普及したことにより、1995年から2005年にかけて肝炎ウイルスに感染する人が大幅に減少している・・・
こんな発表を米国CDC(疾病管理局)が発表し、3月16日のロイター通信が報道しています。
2005年には10万人以上の米国人が肝炎ウイルスに感染しましたが、1995年の50万人と比べると大きく減少しています。
1995年から2005年にかけて、A型肝炎ウイルスに罹患した人は人口10万人あたり1.5人となり88%もの減少となっています。また、B型肝炎ウイルスは人口10万人あたり1.8人と79%の減少です。
CDCは、これだけ大きな減少となったのはワクチンが広く普及したからである、と述べています。
CDCのスタッフであるケヴィン・フェントン博士(Dr. Kevin Fenton)は、「ワクチンの普及によりA型肝炎、B型肝炎が減少したのは過去10年で最も成功した対策である」と述べています。
現在の米国では、12ヶ月から23ヶ月の子供全員がA型肝炎ウイルスのワクチン接種をしなければなりません。また、成人でも海外によく行く人や、ゲイ、ドラッグユーザーなどはこのワクチンを接種することを強く推奨されています。
B型肝炎ウイルスについては、幼児期に3回接種することになっています。また、B型肝炎のワクチンは、ドラッグユーザーだけでなく、複数の性パートナーを持つ人にも強く推奨されています。
C型肝炎ウイルスに罹患する人も減少しているというデータが一応出ていますが、CDCはこれについては注意を喚起しています。今回の調査では調査範囲が限られており、また調査方法も充分でないため、感染しても症状の出にくいC型肝炎ウイルスが本当に減少しているかどうかは分からないとコメントしています。
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米国だけでなく、先進国では通常、A型肝炎、B型肝炎のワクチン接種が義務づけられています。ところが日本では、どちらのワクチンも接種している人が極めて少ないのが現実です。
しかしながら、海外で(特にアジアで)飲食物からA型肝炎に感染する人は少なくありませんし(肛門性向で感染している人も目立ちます)、大変強い感染力をもつB型肝炎は、ささいな性的接触でも感染しますから、劇症肝炎となり命を落とす人や、一生薬を飲まなければならない人も珍しくありません。
これらのワクチン接種をせずに、不衛生な環境の海外に渡航したり、危険な性行為をおこなったりするのは、ときに自殺行為になりかねません。別のところにも書きましたが、現在の日本ではワクチン接種の義務化も行政の補助もありませんから、自分の身は自分で守らなければならないのです。
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