医療ニュース

2007年9月25日(火) カビの多い家に住むとうつ病になる!?

 「American Journal of Public Health」という医学誌の10月号に「湿気やカビの多い家に住む人にうつ病が多い可能性がある」という、なんともユニークは研究が発表されました。(報道は8月29日のWebMD Medical News)

 この研究は、欧州の8つの国(フランス、ドイツ、ハンガリー、スロバキア、ポルトガル、イタリア、スイス、リトアニア)の約3,000軒の家に住む成人5,800名を対象としています。

 被験者は、過去2週間のうつ症状に関する問診表への記入を行い、被験者の9%がうつ状態と判定されています。

 同時に、研究者らは被験者の家を訪問し、住居内のカビと湿度を計測し、被験者に自分の家が「管理が行き届いた状態である」と感じるかどうかを尋ねています。

 湿気やカビが多い家→貧困層→うつ病、という図式が感覚として浮かびますが、研究者はこれを否定しています。

 筆頭研究者のShenassa博士は次のようにコメントしています。

 「うつ病に明らかに関与しうる要因(雇用状況や過密等)について統計的に考慮したところ、あらゆる関連が消失するだろうとわれわれは考えた。しかし、事実はまったく逆であった。うつ病と湿気、カビの多い家への居住との間に確固たる関連が認められた」

 この研究では、住宅のカビがうつ病の原因となることは証明されておらず、うつ病と住宅のカビのどちらが先なのかを証明できていません。

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 カビが先かうつ病が先かはともかく、この研究結果を踏まえるなら、風通しのいい清潔な家に住むことが心の健康を保つ秘訣と言えそうです。

 たしかに、窓を開けて大掃除をした日は気分もすぐれます。

 カビが脳内の神経伝達物質に影響を与えてうつ病を誘発する・・・。そんな研究結果がいずれ発表されることになるかもしれません。

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