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2008年3月18日(火) ホルモン補充療法は中止後も乳がんのリスクが残存

 閉経後の女性に対するホルモン補充療法には、治療をやめてからもリスクが残るとの研究が発表され話題を呼んでいます。(発表は医学誌「The Journal of the American Medical Association」3月5日号に掲載され、これを3月4日のMedscapeが報じています)

 ホルモン補充療法は乳がんのリスクが高くなることが分かっていますが、治療をやめた女性を約2年半追跡した調査から、乳がんのリスクは治療をやめたあとにも残存するとの結論がでています。さらに、複数の種類のガンについても、ホルモン補充療法未経験者よりリスクが高くなるようです。

 しかしながら、ホルモン補充療法による心臓疾患や脳卒中のリスクは治療をやめると消失するとの結果がでています。また、股関節骨折や結腸直腸癌の予防効果については、治療をやめると失われてしまうようです。

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 ホルモン補充療法には、更年期や閉経後のほてりやイライラといった症状をおさえる効果があることは広く知られています。しかしながら、様々な病気へのリスクが高くなり、さらに中止した後もリスクが残るのであれば使用には充分な注意が必要と考えるべきでしょう。

(谷口恭)

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